September 22, 2008

小田急過呼吸プロフェッショナル



電車が苦手なのに、電車でひょいっと出かけてしまう、
パニック障害持ちの、おきなまろです。

昨日過呼吸が起こったので、対処の様子を記してみようと思う。
別に病気自慢がしたいわけでも、同情がほしいわけでもないし、
大してツラいわけでもないので、ご心配なく。暗くもないよ。
ただ、周りに同じようなことで苦しんでる人がいたら、
少しでも参考というか気休め程度にでもなれば、いいと思う。
元気でやってる、基本的には頑丈なおきなまろです。


さて、昨日は、ムサビに非常勤で教えに来てる先生の事務所へ、バイトに行った。
場所は世田谷の某所。既に数回行ってて、慣れてきている。
仕事が終わって、先生に中華屋へ連れていってもらい、餃子をほうばりながらのお話。
先生は中国人。中国で生まれ育った波乱万丈の半生を語っていただいた。
毛沢東時代、文化大革命、解放、日本へ来るきっかけ……
すべてが、どんな物語よりも壮大で、今目の前にいる人が1人で経験してきた事とは
到底思えないような、山よりも高く海よりも深いような話だった。
すぐに1冊の本になるような人生。
高校の時、中国語の授業をとっていた関係で、旅行に行った中国。天安門広場も行った。
行く前に、毛沢東時代の実話「ワイルド・スワン」も読んだ。でも実感がなかったことが、
今目の前にいる人によって、一気に現実となって私の目に映った気がした。
それに比べ自分はぬくぬくと何やってんだろうとか、逆に自分もがんばろうとか、
そういうことはもう、一切思わないレベルの、ただただ驚くような話だった。

先生はそれでもまだ40代である。今もまだ、全力疾走中で、
それなのに、表向きにはそんな素振りは全く見せず、穏やかな、素敵な大人。
ムサビへ来てるときも穏やか。他の先生方はきっと先生がこんな人生を送ってきたことを知らない。
でも実はすごい経歴の持ち主で、研究者としても、画家としても超実力派。これは武器だなあ。
そのうち日本画とかの教授になったらいいんじゃないかと思う。なってほしい。


夜8時半、そんなカルチャーショックな話を盛りだくさんで聞いたものだから、
頭の中はぐるんぐるんで、心臓はどくどくいいながら小田急線に乗ったので、
なんだか息が苦しくなってくるわけね。
おかしいな、薬のんでおいたのに、効かないのかな、もともと私は薬が効きにくいし、
効いたと思うのはきっといつも気のせいなのかな、プラシーボ効果なんだろ、どうせ、
私なんぞ小麦粉でもなめてろって感じ!!??
と、こういうときは信じられないほどマイナス思考になるのがおもしろい。


不安あり、でも慣れてるから冷静な部分もあり、不思議な感覚。
とりあえずゆっくり呼吸する。
酸欠…と思うのだけど、実は逆で酸素の吸いすぎなので、頑張って呼吸の速度を落とす。
プロフェッショナルな対応。私はプロフェッショナル。私はプロフェッショナル。
もう酷い発作は起きなくなってるので、周囲から見たら過呼吸状態とは分からないだろう。


乗り換えのために下車し、下北沢のホームで、りんらんさんの姿を見たような気がした。
裸眼の視力がいまいちなのでよく見えなかったが、心細かったために幻が見えたのだろうか。


井の頭線は、不思議な電車だ。
急行は苦手なので各駅停車に乗るのだけれど、これがね、駅と駅の間がすごく短いから、
ああ、不安、一旦降りようかな、でもすぐ降りれるし、もう少し行けるかな、
とか思いながら、結局降りないで最後まで行けちゃうという… ありがたい。


すいた車内で椅子に座り、呼吸に集中。
ん?なんだこの斜めったまま止まる駅は… 浜田山?線路がひんまがってるな。
さすが手羽さんの地元。 心細いから手羽さんに電話したろかと頭をよぎるが、
座ってるのが「おもいやりゾーン」なので、携帯の使用はやめておく。


吉祥寺着。気分が落ち着く。
しかし立ち上がってホームを歩き出したら、すごいめまい&全身脱力。
はい、まだ酸素吸いすぎ! ベンチに座り、しばし休息。
ミニタオルを口に当て、二酸化炭素を吸う。餃子を食べたので、にんにくくさい。
一応、過呼吸に有効な呼吸法のための紙袋は持ち歩いてるけど、そこまでじゃない。
電車の発着を観察しながら、20分程度休む。井の頭線って、かわいい電車だなあ。


急に、疲労感に襲われる。
これ、実は回復の証拠。体の余計な力が抜け、普通に戻ったから、疲れを感じるのね。
最近気付いたんだ。 よかった。さて、中央線〜
この間、土曜の夜遅くに乗った中央線は、夜中のくせにべらぼうに混んでたので、
この日も覚悟して行ったら、なんのことない、ガラガラ。座って居眠り。


西国分寺でキッチリ目覚め、下車。
過呼吸は、おさまってしまえばもう、何ともないというシロモノ。
コンビニでゆずシャーベットを買い、るんるんと歩いて家路につく。
アイスひとつで機嫌がよくなる自分、ばんざい。
私も先生みたいに、どんなことがあっても穏やかでいられるような、
そんな大人になりたいって、素直に思えて、なんだか嬉しい家路だった。


部屋に着いて、アイスをたべながら、DVD鑑賞。
ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」を1話分。
これ、ものすごくすきなドラマで、おもわずDVD BOXを買っちゃったやつ。
よっちゃんという人が、「♪プロッフェッショナ〜ルな〜 仕事をしよ〜お〜」
と歌っている。
今日も私はプロフェッショナルだった。
もっとプロフェッショナルになれば、いつの間にか、不安が消える時も来るかもね。


穏やかにね。

穏やかに。





ん? ポケットの中なんだこれ? え?薬?


飲んだと思ってたの、実は飲んでなかったのー!?


ばかじゃん。プラシーボとかいう問題ではなかった。


単なるアホのせいで、プロフェッショナル技を使う羽目に…

私ってほんと、しょうがないやつね。
まだまだ修行がたりない。

ちなみにおきなまろは、
よっちゃん岡田義徳ファンでも主役の松山ケンイチファンでもなく、
ニコちゃん役の大後寿々花のファンです。
かわいいわー

はい、そこの人! 変態とか言わなーい!


okina_maro@hotmail.com

Posted by okina at September 22, 2008 10:34 PM
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