July 15, 2006

高校時代を思い出す

摂氏36度と稲光の今日、高島野十郎展を見に行ってきた。
真っ向ファインな展覧会に行くなんて、ものすごく久しぶり。
もともとそんなに展覧会系は行かない私。珍しい行動。
母がチケットをくれたのだが、チケットの絵になんか惹かれたんだな。
それで、行ってみてやっぱり、いいなと思った。
絵の見方や技法や構図のうんちくなんてちっともわからないけど、
画面の質感が、好きなタイプの絵なんだな。
で、写実なんだけど、なんていうか、込められた個人的な感情が
伝わってきちゃうというか、うまくいえないんだけど、、、、、


とにかく、その質感が好きで、高校で油絵をかいてた時は、
そういう画面にしたくて、そういう風にがんばっていた。
ということを、帰りの電車で稲光を嵐を見ながら、思い出していた。
美術の時間、油絵具のかたまらなさに、絶対に授業の時間では
たいした完成度の絵にもできず中途半端に終わるな、と思い、
静物のモチーフたちの中から、ホーローの黄色いポットと
その下にクシャッとなっている星条旗だけを、必死で細かくかいた。
その他の、ビンやらリンゴやら剥製やらは、歪ませて
マチエールというか混沌な状態にしてしまった。
クラスの作品を並べると、あきらかにこいつふざけんな的に
目立つものができあがってしまったのだけど、
その時の先生は、「ポットがかきたかったのがよくわかるね」
と一言だけ講評して終わらせた。 拍子抜けだった。

そういえば、最初の油絵の授業ではくじ引きでペアになった人を
モデルにしてかくっていうのだった。私のペアは、なんだか
妙に生気のない女の子で、目がうつろで、やだった。
みんな初めての油絵なので、素直に肌を肌色に塗っている中、
私は地塗りを黄色にし、あとは青や緑や紺や黒や白で画面を仕上げ、
青白く冷たい肌で、目にだけは輝きを与えた姿にした。
初々しい肖像画たちの中に、呪われたような恐ろしい絵が一枚…
その時は、先生には何も言われなかったからビクビクしていたら、
学期末の成績がやたら良くて、拍子抜けだった。

性格的にも浮いていて、作品も異端な私を、
特に異端視せずにいつもちゃんと評価をつけてくれたその先生は、
講評で笑顔でイヤミを連発してくる上に、
女生徒に指導する際に、異様に接近するため、
軽くセクハラよばわりされて嫌われていたのだけれど、
私はどうしても嫌いにはなれなかった。
何度となくイヤミを言われても。くうっ、と思いつつも。
美術系だったから、美術教師は何人もいたけれど、
その先生は、今、また会いたい美術教師ナンバー1。

ひさしぶりに、母校を訪ねてみたくなった。


okina_maro@hotmail.com

Posted by okina at July 15, 2006 08:46 PM
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