2009年03月17日

のれそれ考

もう何年も前、荻窪四面通の隠れた名店といわれていた根本鮨でのれそれを初めて食べた。その頃はうなぎの稚魚と言われていたが、その後いろいろな説が現れた。


根本はもう大分前に閉店しているが、その前身はなかなかの名店と言われた「Y」で、井伏鱒二も行きつけの教会通りの店が閉まっているときはYに来たとのこと。一升徳利に井伏のサインが入ったものは、少々お金を出してもいいから買い取っておくべきだった。


サラリーマンの音量子がそんな店に通えたのは、根本さんと荻窪のスナックでいつの間にか仲良くなったからで、店に行くといつもお任せで僕が払える値段で精一杯のことをやってくれた。


横浜に移って鮨屋を探して居心地がいいところを見つけると、のれそれの出自はますますミステリーになった。いま、時々寄る店の板前は穴子の稚魚と自信を持って言う。


otoryoshi@gmail.com

Posted by phonon at 2009年03月17日 22:29
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