›2007年04月30日

理屈を言うな!

荻窪四面道にあった名店Yを引き継いで弟子の根本さんが鮨屋をやって、僕もちょくちょくと通ったけれど、根本さんのプライドが禍いしたのだろうか、閉店してしまってからもずいぶんと経ってしまった。


当方サラリーマンゆえ大して勘定は払えないから、とりあえず最初は中トロ二竿を頼んで(その頃、世界で一番うまいものは中トロの握りと信じ込んでいた)、あとはお任せでつまみを切ってもらった。


何も言わないでも僕の目の前につまみがタイミングよく出てくるから、よく店に来ていた邦楽のお師匠さん夫婦が「音量子さんと根本さんは目で合図しているの?」と聞くから、事情を話すとお師匠さん夫婦はおかしそうに笑った。


根本が閉店してから、よく通っていたスナックのそばのGを紹介されて行ったけど、店のおばさんと娘さんは大変感じの良い人だったけれど、客層が何しろ悪かった。
ジャリタレ(中学生)が彼女(多分中学生)を連れて来て生ビールを飲んでいる、板前さんがサービスでと白身をちょびっと切って出すと、団塊の世代のおじさんが「トロを食った後でこんなものの味が分かるか」と絡み始める...

だんだん頭にきて来たので、この項つづく。




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›2007年04月29日

日記の選定

ハムコさんから、ムサビ日記本の連絡が来た。選定された音量子日記のリストを見ると、自薦したものは一つだけで、残りは他薦か手羽さんハムコさんが選んだものだろう。


自分の評価と他人の評価は往々にして食い違うもので、それが自分や自分が作ったものに対するものだと、その違いはさらに大きくなるようだ。
人が評価されるのは学校に入るようになってからと思うけれど、その時から評価の食い違いには悩むようになるし、実社会に出れば生活に直接影響するものだからなかなか深刻な問題になる。自分の仕事が正当に評価されていないと思うことが何年も続くと、これはなかなかつらいものだ。


選定された日記をあらためて読み返してみると、美術に言及したものが一つもない。僕って一体...

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›2007年04月28日

夜明け前

アマゾンで、アンリ・カルティエ=ブレッソンのドキュメンタリーDVDを見つけて、こんなものがあったのかと注文した。ゴールデンウィーク中に見たいと思っているけれど、到着までは時間がかかるようだ。


先日、東京都写真美術館で『マグナムが撮った東京』を見たけれど、僕は余り興味が持てなかった。とは言え展覧会の人気は上々で、マグナムもブランド化したというか権威になったというか、もともと地味なジャーナリスト集団であったと思うのだけれど。


同時開催されいた『夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史』のほうが興味を持って見ることができた。幕末明治の機材が貧弱なときに写真師も撮影法をいろいろ試したようで、肖像写真一つとって見ても、全身、半身、首、正面、横顔など様々な角度から撮影しているし、見る側からしてもずいぶんと異なった印象を受ける。


面白いのは東京帝大の卒業写真で、ある年までは皆ばらばらの方向を向き服装も立ち方もひとそれぞれだけれど、ある年からは学生服で統一し、ぴしっと立ってみな正面を向いている。写真師が指示したのだろうか、それとも先生の意向だったのだろうか。

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›2007年04月21日

音量子の休日

僕の典型的な休日。

土曜日

10:00 起床、ムサビコムをチェックする。今日は新しいメンバーの人がたくさんいて読み応えがあった。みちくさとりこさんが、ムサビ日記で誰に何を伝えれば良いのか迷った末に結局自分のことを書けばよいと気づくところに感心した。
ただ、この方法を僕が採用すると、サラリーマンの酒飲みよたれ話になってしまうな。

12:00 近所の中華料理屋で昼食をとる。神奈川新聞のテレビ欄で、今日の『美の巨人』の内容をチェックする。でも、どうせ時間になっても見やしないのだ。

13:00 掃除洗濯開始。

17:00 掃除洗濯終了。近所のコンビニに夕食を買いに行き、帰ってから学習を開始する。

21:30 学習終了。風呂に入ってから、ビールを飲む。やっぱり『美の巨人』は見ない。


日曜日

9:00 起床。NHKのWebを見て、今日の『新日曜美術館』は何をやるのかチェックする。でも、どうせ時間になっても見やしないのだ。

11:00 車で乗馬クラブに行く。最近拳法はさぼり気味で、道場で人と殴り合うより、乗馬クラブで馬に乗る方がやっぱり楽しいと思う。

12:00 乗馬クラブに到着。校長先生からSLクラブ(汽車ぽっぽのSLではなくて、ベンツのSL)に入らないかと勧誘を受ける。車にはこれ以上お金をかけたくないので、適当に話をはぐらかす。先生は教え子10数人を引き連れてSLでツーリングをしたいのだけれど、今のところSLクラブ会員は3名。

16:00 乗馬クラブより帰宅。近所のコンビニに夕食を買いにいき、帰ってから学習を開始する。

19:30 学習終了。風呂に入ってから、ビールを飲む。やっぱり『新日曜日美術館』は見ない。

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›2007年04月15日

売れるかな

以前、コンピューターの本を出したことがあるけれど、全く売れなかった。出版社の人と相談して、カバーデザインを変え、若干章だても変えて加筆訂正をして、改訂版として出したら、一冊目以上に売れなかった。その出版社の人は僕のことを嫌っていると思う。


僕個人でも努力はして、会社の取締役に泣きついて無料のセミナーを開いてもらって参加者に無料で本を配り(会社の金で)、同じ部のメンバーに無料で本を配り(会社の金で)、会社の図書室に十冊単位で本を常備してもらった(会社の金で)。
賽の河原に石を積むようなことをしても売れないものは売れないので、一部のコンピューター雑誌の書評で取り上げられはしたものの、今は全く忘れさられた本になってしまった。


『ムサビ日記2006(仮題)』(武蔵野美術大学出版局)については、友人知己に本屋で見かけたら手に取ってもらうようお願いをしているけれど、本はやっぱり一冊でも多く売れた方が良いと思う。

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›2007年04月14日

傑作の森

今度の京都・奈良旅行ではいわゆる名所に行くことにした。つまり、教科書に載っていて修学旅行のバスが必ず止まるところに行くということ。


以前、カナダ人の英語教師が「京都に行くけど、silverには立ち寄るがgoldには行かない」と言った。知り合いの日本人に吹き込まれたようで、どうせ修学旅行で金閣寺を素通りしただけのやつと思うけれど、goldの庭園は素晴らしいからぜひ立ち寄るようにと勧めておいた。


金閣・銀閣は平日でも混雑していてゆっくりと見ることは出来ないし、俗っぽいと片づけるのは簡単だけど、多くの人を惹きつける力を持っているようで、そう考えてみると僕自身再訪が楽しみになってきた。

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›2007年04月12日

清涼寺

5月下旬に京都と奈良に行こうと思ってホテルを探していたら、以前5、6千円で泊まれたホテルが7、8千円まで値上がりしている。世の中の景気が直ったからと思うけれど、ちょっとため息が出た。


京都観光のホームページで5月の情報を見ていたら、ちょうど清涼寺霊宝館が特別公開されているようで、久しぶりに国宝釈迦如来立像を見てみようかという気になった。現代人の目から見ると、法隆寺金堂釈迦三尊像とはまた違った不気味な風貌の像で、学僧ちょう然が宋で摸刻したものを持ち帰ったものであり、仏教彫刻の傑作の一つでもある。


近年、胎内の封入物が見つかって、ちょう然(著名な僧の名前が表示出来ないのだ)が同僚の僧に対して述べる決意の文書もあり、その内容から見るとちょう然はその僧と男色関係にあったようだ(佐々木剛三『清涼寺』中央公論美術出版)。おだやかな学僧というよりは、留学後、愛宕山に五台山を再現しようとした並々ならぬ野心家であることもその文書から伺える。

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›2007年04月09日

春夏秋冬

以前勤めていた会社の同じ課に、晴子さんと明子さんと冬子さんがいて、あと夏子さんか奈津子さんでもいいけれど、もう一人いれば四季がそろうなと考えていて、次に派遣の人をやとうときには名前で採用してしまおうと考えていたけれど、冬子さんが寿退社してしまって、その後に由紀子さんが入ってきたけれどやっぱり雪ではなくて冬でなければ春夏秋冬にならないわけで、つくづく惜しい人材が退社してしまったものだと思った。


同じ部署に鶴田さんがいたら次は亀田さんに入って来てもらうと縁起がいいなと考えたり、もし鴨さんという人がいれば、あとは南さんと伴さん(ほんとは蛮だけど)が入ればいいなと思うし、関西だったら難波さんだけでいいわけで、下らないなと思うけれど、春夏秋冬はやっぱり惜しかった。

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›2007年04月07日

新学期

『武蔵野美術大学 通信教育課程 入学案内』から。


「大学で絵を学ぶことの意味は、自分の絵を客観的に見る力をつけることでもあります。いわば、自分の中の他者性を鍛えることにより、表現が個人的なものを超え、豊かな意味を持つことになるのではないでしょうか。」(島眞一教授)


「いまの時代、独学でも高度な勉強ができます。でも、それでは自分の興味の範囲に留まってしまいます。大学での勉強は、一人では手を着けないことに取り組むこと通して、自らの関心を深め広げる機会となるはずです。」(金子伸二助教授)


「大学で学ぶのは、思い立った時が潮時だと思います。私自身がかつてそうでした。若ければ、これに将来計画を託すことにもなりましょうが、円熟期に学問と向き合う機会を設定するのは、とても味わい深い決意ですね。」(酒井道夫教授)


最後に自分の考えるところを書こうと思ったけど、やめた。あまりにも蛇足だから。
ただ、酒井教授のコメントはやや難解で、ポジティブに取ったらいいのかネガティブに取ったらいいのか... とりあえず味わい深いコメントであることは確か。

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