2008年04月02日

『国宝 薬師寺展』

何か生活がものたりないなあと思っていたら、京都奈良にもう一年近く訪れていないことに気がついた。このまますっ飛んでいけるわけでもないので、6月の初旬、梅雨に入るか入らないかくらいの時期にホテルを予約した。


とはいえ昨今は便利になったもので、東京でも京都奈良の優れた美術品に出会うことが出来る。ここ何年かの記憶のうちでも、『醍醐寺展』『西本願寺展』『大徳寺聚光院の襖絵』『南禅寺展』『唐招提寺展』『最澄と天台の国宝』『仏像 一木にこめられた祈り』『京都五山 禅の文化展』が東京国立博物館で開かれた。なかには滋賀の仏教美術品が入っているのではないかい、という細かいことは言ってくださるな。


先日、『国宝 薬師寺展』に行った。このような展覧会で見る仏像は寺に鎮座しているときと違って、近くで見ることができる、360度ぐるっと回って見ることができる、照明が工夫されていて見やすい、坊さんがものを売りつけに来ない、などの利点がある。今回、煤けた東院堂の厨子におわします聖観音を間近で見た。台座に置かれてあるから背面まで見ることができる。こんな機会は最初で最後であろうな。


展示の仕方は工夫が凝らされていて特に照明には非常に気を遣っていることが素人目にも分かったけれど、日光月光は薬師如来と一緒にいてこそ美しいし、聖観音を厨子の中に鎮座して斜め下から見せるのも薬師寺の坊さんが何代にもわたって試行錯誤した結果であろうと考えるし、実際に出向いてじっくりと見るものの方がより喜びが大きくなるようだ。


otoryoshi@gmail.com

Posted by phonon at 2008年04月02日 21:24
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