2007年10月11日

音量子 奈良の旅 4 -お寺に神棚-

奈良の佐保路を歩くとき、JR踏み切りそばの王将で昼食をとってしまう。他によさそうな店もないし昼食はさっさとすませたいので、あらかじめ調べておくということもしない。


この近くに不退寺があって、ここの住職はなかなか個性の強い人だと思う。僕の知る限り、この住職より個性の強いのは京都にある借景庭園として有名な寺院の住職で、こう書いただけで誰だかわかってしまうけど、この坊さんには拝観料のお釣りをごまかされたことがある。


僕が不退寺を訪れたとき、住職は受付横の建物で休まれていた。門を入ってきた僕を見ると、「また、人が来たのか」という顔をして面倒くさそうに本堂に案内してくれた。
おざなりに由緒来歴を説明してくれたけど、うるさかったので完璧にしかとしたら黙ってくれた。それから、住職となんとなく雑談が始まった。


「寺の建物や仏像は重文に指定されているが、国からは全く援助がない」
「世界遺産なんてもっと馬鹿らしい。金が出て行くだけで、どこからか補助が出るわけではない」
実際、寺の庭は荒れていて、拝観客が多いわけでもなく、経営も苦しそうに見えた。
「寺が衰えたのも昔、廃仏毀釈があって...」


本堂内の右手には神棚があって、由来を尋ねてみると住職にも良く分からないようだった。「寺にこういうものがあるのはめずらしいことですなあ...」とのことだった。

Posted by phonon at 2007年10月11日 20:40
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