2007年08月11日

才気溢れる国語エッセイ


私家版 日本語文法 (新潮文庫)私家版 日本語文法 (新潮文庫)
井上 ひさし

新潮社 1984-09
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文法の教科書でなければ入門書でもない。国語とその背景にある文化についての才気あふれるエッセイ。


この本が出た当時も議論がかまびすしかった漢字制限、いつも頭を悩ませこれからも頭を悩ませるであろう句点と読点、未だに使いこなせない敬語、今まではある意味漢字の陰に隠れて表沙汰にはならなかったけどワープロの普及で正面から向き合わざるを得なくなった仮名遣いの問題、などなどについて楽しく面白く自分なりに考えるきっかけを与えてくれた。


この本が出た頃から、漢字制限についてはコンピュータと関連して語れることが多くなったように思う。本書では、ワープロの性能に使用漢字が制限されていいのかという指摘がなされているし、1990年代にはUnicodeの策定において字体の問題が絡んでねじれてしまったこともあった。
そんなたくさんの問題を抱えつつも、日常的に書いたり読んだり話したりして用を足している。

Posted by phonon at 2007年08月11日 10:04
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