2006年03月11日

春 2

以前、池袋にある拳法の町道場に通っていたときに、「春になるとおかしなやつがいっぱい出てくる」と先生は言い言いした。春先のある日、実直そうな中年男がやって来て、ずいぶんと先生と話し込んでいた。練習の後、先生が「○×さんから話があるから」ということで、中年男が前に出て話し始めた。


内容は、朝の5時から近所の公園で空手の練習をやっている、興味のある人は参加しませんか、ということだった。拳法の道場に来て空手の勧誘をするとはいい度胸をしているが、朝の5時から人が集まるのだろうか。そもそも近所迷惑ではないかとも思ったが、まず人なんか集まりっこないので、そんな心配をする必要はないのだった。


道場破りが来るのも春の生暖かい風が吹いている頃で、あたまのねじの緩んだ兇暴そうな連中が三々五々やって来る。
その場で手合わせをするようなことは、今はない。とりあえず入門してもらって、ということになる。
その道場は、キックボクシングのジムと関係があって、キックの全日本チャンピオンやランカーが、試合前の調整でよくスパーリングをしに来ていた。道場生が相手をするのだけれど、そのスパーリングがあった日以降、道場破りはぱったりと姿を見せなくなる。

Posted by phonon at 2006年03月11日 19:33
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