2007年10月26日

音量子、庭園を見る <女ひとり>

デューク・エイセスのヒット曲『女ひとり』は京都大原三千院で始まるけれど、二番は栂尾高山寺、三番は嵐山大覚寺で、嵐山は「あらしやま」と読むとリズムに合わないから「らんざん」と歌われている。この三つの寺には行ったけど、恋に疲れた女を見ることはなかった。


抹香くさいところに若い女性が一人でいるという発想がそもそも奇抜なので、実際には疲れたおじさんか元気なおばちゃんしかいない。
東福寺芬陀院では、生活に疲れたようなおじさんが方丈でごろっと横になっていた。こういうことは非常にだらしがないし、絶対にやってはいけないことと思う。


美しい借景庭園と強烈な個性の住職で知られる円通寺では、もう何年も会っていなかった大阪の伯母を偶然見かけた。伯母は円通寺の住職より十倍くらい個性が強くて、会ったら何を言われるか分からないから、とっさに襖の陰に隠れた。
伯母は友人の関西のおばちゃんたちと円通寺の方丈を独り占めにして、庭園と住職をさんざんこき下ろして帰っていった。そのあと、ほっとして一人で庭を眺めた。

Posted by phonon at 2007年10月26日 06:12
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