2011年06月のアーカイブ

からだのきもち

FOR WORLD

 いつの間にか、6月も最後の日を迎えたようだ。

 こうやって、毎日文章を書くようになって気づくことがある。
僕はどうやら、1週間に1日は「疲れてる」って言いたいらしい、ってこと。笑

 いやあ、気持ちにからだがついてこなくて困ったものだ。
ぜん息なんて病弱キャラ設定を背負っている上に
不摂生極まりない日々を送ってるからダメなんだね。
忙しさ云々じゃないよ。
でも 気持ちのリズムっていうものがあってさ
それは、なかなか変えられないものでさ・・・
なあんて そんなのは理由ではなく言い訳でした。

 そんな「疲れ」に対して思うこと。
 疲れてる日っていうのは、賭けをするのには向いてないけど
考え事をするのにベストチャンスだ。
発言したり 創作したり アクションするときには
とことん自分を信じたほうがいい。
でも、考え事をするときは
「ああ、僕ってさいてー」
って落ち込んだ方が いろいろ覚悟ができていいんだ。
 こういう状態で見るものっていうのは
いつもより心に響いてきたりするしね。

ちょっと話が大きくなるけど

こんな風にぼんやり考えごとをして、視点の切り替えをしてるとね
人生は運じゃないな、って思うよ。

どうあるかではなく、どう考えるか。
どこにいるかではなく、どこを見るか。
なにがあるかではなく、なにを受け取るか。

「してほしい」だけでは望みは何一つ叶わない。


・・・うん、なんかまだ疲れようとしてるな。笑
ちょっと休むよ。


オトギ

おいしいひび

FOR WORLD

今の暮らしに慣れてきてからは、
「僕」というものの輪郭が
ちょっとわかるようになって、ほんの少し生きやすい。


ふと思うことがある。
僕は信州育ちだから、作品制作を畑にたとえてみよう。

同じ畑の、同じ果物を育てながらも、
まったく違う形をつくろうとしたり
異なる色を塗り足したり
甘みや酸味を吟味したり
同じ種を手渡されて、僕は目の前の種を育てることに必死なのだけど
ふとした瞬間
見渡すと
まわりには、いろんな畑が広がっていて、おどろくんだ。

いろんな子がいて
いろんな果実があつまって
それをみんなで一緒に食べる。
ああでもない、こうでもないと言っては
また種を植える。

同じ分野を学びながらまったく違う方向をむいてる
そういう子たちと、
会話できるということそのものや
環境が
とても有り難い。


オトギ

ひかりの呼び名

FOR WORLD


太陽のひかり。


春は 眠くなるような 優しい光
夏は 急かすような 口うるさい光
秋は なだめるような おしとやかな光
冬は 見守るような ひそやかな光

冬は「あったかい」
夏は「暑い」

季節を感じることは、太陽を感じることと

同じなのかもしれない。


オトギ

お祭り気分

FOR WORLD


夏休み明けのお祭りに向けて
プロジェクトがあっちこっちでひそやかに動き出してて、
なんだかワクワクするね。

今日は芸祭(※美大でいう文化祭)展示の企画書の〆切だった。
僕も作品展示で参加するつもり。
(あと執行部にもいたりするけど、その話はまた今度。)


今、水面下で進めてるグループ展は、おもしろいものになりそうだ。


グループワーク、僕はけっこう好きなんだよね
仕切ったりするのも好きで 今回もいろいろ好きにさせてもらってるんだけど
何がたのしいって

どうなるかわからないのがたのしい。

自分だけだと、ある程度完成したときの予想がつくんだけど
良くなるか悪くなるか、どっちに転ぶかわからないスリル感 たまんないね!
 あと、高校での展覧会と、ムサビでの展覧会
ぜんぜん感触が違っておもしろい。
意外なところで、みんながリアクションを返してくれるのが嬉しい。
経験は活かしつつ、自分にも周りにも、もっともっと 期待してやろうかな。
火花を散らしたり、わいわい花を飛ばして盛り上がったりして
みんなが未来でふりかえったとき 「あれ楽しかったね」って言えるものになるように
助けてもらいながら、がんばってひっぱっていこう。


オトギ

FOR WORLD

昨日の話のつづき、というわけでもないけれど
今日は渋谷の名曲喫茶に行ってきた。

喫茶店でクラシックを聴くのが好きなんだ。
詳しいことはよくわからないんだけれど
喫茶店のすてきな雰囲気の中で、おいしい飲み物を飲んでるときに
クラシック音楽を聴いて色んなことを考えるのがすきなんだ


今日かかってたのはショパンだったかな
まあとにかく
喫茶店でクラシックを聴いてたんだけど
そういえば、クラシック音楽のCDのジャケットって
あんまり心惹かれるものがないなあ って思った
ポップスは、良くも悪くも 派手で奇抜なのに。
なんだかもったいない

なんでもったいないかっていうと
広告においてビジュアルは強い力をもってるから。
音楽って、目に見えないから・・・
ビジュアルでどう訴えかけるかって きっと大きいんだろうなあ
本職以外のところで気をつかう必要があるなんて
実はすっごい大変で、もっとずっとカッコいい職業なのかも。

クラシックのジャケットのデザインやってみたいなあ。
「難しいしよくわからなくって・・・」
って敬遠されやすいのが悲しいので思ってしまう。
そういうもののデザインとかしてみたいなあ
難しいものを、わかりやすく、美しく したい。

他にも、デザインしてみたい「むずかしそう」と言われちゃうものいっぱいあるなあ。
哲学とか シェイクスピア とかね。
もっといい伝え方が あると思うんだよなあ
もちろん宣伝に焦らなくても良いくらい 確立してるのかもしれないけれど
流行らせたいという意味じゃなくて
訪問者に対して、もっと開けやすい扉があってもいいと思うんだ
そうか、扉か。
デザインって そういう役割もあるね。


オトギ

あそびごころ

FOR WORLD


音楽ってものはほんとにすごい、と思う
似て非なる畑のさくもつだけど
何度元気づけられたか知れない
ちょっとくやしいくらいに。


エネルギーの塊が、何度でも新鮮な気持ちで流れ込んでくる感覚。
絵本を何度も最初から、あたらしい気持ちで読んでるような
やられたあ ってかんじ。


人を巻き込んでいくお祭り感覚って
デザインにも取り込めないものだろうか
展示室にBGMをかけるとか、そういう直接的なことではなく
そのもの自体が「お祭り感覚」を呼び覚ますようなデザイン。
・・・・それってどんなのかしら。
とっても楽しそうだ。


オトギ

ツクる理由

FOR WORLD


とても疲れてる。
疲れていると、いろんなものに敏感になる。
いろんなことが許せなくなったり、急にいとしくなったりする。


今日、高校のときの先生たちと、仕事上の約束があったので会った。
とくべつ交流があった訳でもなかったけれど、どこか懐かしさを感じた。


変なあとあじがした。

いろんな人とのつながりを意識したんだ。

美大に来て「はじめまして」の人とたくさん喋るけど
そのぶん 「おひさしぶりです」の人や
「毎度どうも」な人と会ったり遊んだりすることも多くなってる。

いつのまにか 色んなところでつながりができてる
長野で変わらず元気にやってる子や
いっしょに上京してきた子
県外でがんばってる 美術の子や陸上の子
高校のときの先生や先輩
実家から電話をくれる家族

いつからだったっけ
人のことなんてどうでもよかったはずなのにな
当たり障りのないところで 楽しくやれればいいと思ってたのに

毎日毎日
たくさんのものを 名前も知らない誰かに向けておくりだしているけれど
つくっているときに顔が浮かぶのはいつも 見慣れた誰かだ。
顔が浮かぶ 泣き声や笑い声が聞こえる

まだまだ足りないんだ
いろんなものが欠けてるんだ
でも君は言うんだ
そんな僕でも良いというんだ
だから僕はまだやれるんだ

どうしようもない。
いつもそんなことの繰り返しだ。
いつまで経ってもこのザマだ。

でも人に「頑張れ」って言いたいなんて思ってるうちは
僕はまだまだやれるんだ。

ありがとう。

あなただってそうだ
今日も読んでくれて、ありがとう。

オトギ

進路の決め方

FOR ピエロ & STUDENT


 一昨日の「親の口説き方」という記事に寄せられたコメントのお返事を、
ひとつのエントリーとして書かせてほしい。
それというのも、このブログの性質上、コメントしてもらってる記事がどんどん流れちゃうから・・・
というのと、これはたくさんの受験生が知りたいことかな、と思ったから。

はい、今回は「なにがきっかけでムサビに行こうと決断したか」というピエロさんの質問にお答えする形で、
僕の将来の展望を若干夢見がちに語らせてもらおう!
え?夢見がちなのはいつものこと?うん知ってる!
ここでの「ムサビ」というのは「美大」に変換したほうがわかりやすそうなので、そうするね。
もし要望があれば「ムサビの基礎デを選んだ理由」でまた別エントリー書くよ。

それじゃあ、ピエロさんに感謝しつつお答えします。
美大に行こうと決断したきっかけは


特にないですね!


 えーと
この前書いた通り、僕の親は美術に理解があるタイプではありませんでした。
「お医者さんや弁護士になってお父さんを安心させておくれ」
というようなことを、軽口としてよく話すような一般家庭だったね。

 美術を学びたくて、普通科よりちょっと専門的なことのできる学校に押し切って進んだんだけど、
「間違っても画家になりたいとか言わないでくれ」とずっと言われてました。
僕も「さすがにそんなことは言わないから」と笑いつつ、
でも絶対に美大には行きたい、と思っていました。
将来この仕事に就きたい、という具体的な展望はなかった。
ただ自分は何にしても美術に関わって生きていきたいと思ってた。
そうじゃなきゃだめだとすら思ってた。


 勉強はそこまで嫌いじゃなかった。
数学はてんでできなかったけれど、理科の「ノンフィクションの自然の神秘」
社会の「ちょっと遠いところにあるけど、確かに起こった人間ドラマ」、のように
ふとしたときに感じる「学ぶ楽しさ」は好きだった。

でもね、図工や美術の時間がいちばん好きだった。
その気持ちをいちばん大事にしたかった。
それを失ったらたぶん生きていけないだろう、とうっすら思うくらいには。


具体的なきっかけは多分ない。


「あのときかもしれない」と思う瞬間はいくつもある。

「あの人のおかげだ」と感謝すべき人はたくさんいる。

でも何がいちばんの理由かって言ったら、それは「美術がいちばん好きだ」と思う日々のつみかさねなんだ。
目の前がばちばちするような運命的な出会いや、
素晴らしい賞をはじまりにして起こるドラマティックな展開
そういうものをいつまでも待っていたとしたら、多分僕はここにはいない。


 こんな世の中だ

 就く仕事がない
 仕事でもうからない
 だから美術はもってのほか

そういう考え方をしても、無理はないと思う。


 でもさ・・・
どんな時代にも、おもしろいものは売れるんだよ。
うつくしいものは必要なんだよ。

 失敗するときは、どの分野だって失敗するさ。
でもそれは分野のせいじゃないよ
もし僕が幸せになれなかったとして、それは美術のせいじゃない。
僕のせいだよ。

 
そういう考え方はだめだろうか?
僕の場合、美術を学ぶ方が、・・・たとえば医学を学ぶよりも幸せになれると思ったんだ。
どちらにやる気が出せるかと言ったら、美術だったから。
医学より美術がえらいとか、そういうことを言いたいんじゃないよ。
僕にとっては美術の方が勝算があった、というだけ。
多分ね、僕が医学の道を学んだとしたら、1ヶ月で中退するね。そもそも行けないけどね。あはは


 あと、誤解しないでほしいんだけど
僕はとくべつこの世界で「天才だ!」ともてはやしてもらったような経験はないよ。
ものすごい賞をとったわけでもないし。
それはムサビにいる多くの人が同じだと思う。
※むしろスピーチとか文章のほうが褒めてもらえたりして、文学部に行こうかと悩んだり、
落ち込んだこともあった。笑
(今は嬉しいけどね。それがこの世界での僕の武器だから。)


でもさ、結局
「やる」度胸と、「続ける」根性があれば、どうにでもなると思ってるんだ。


美術が好きだよ
僕の「うつくしい」という想いが形をなして生まれる瞬間や
それを見た誰かが見つめ、ふれて、声に出して感動してくれることが
何よりも嬉しい。


 君は、「幸せ」というものをどう定義する?
お金か?結婚か?
地位ある暮らしか?ささやかで優しい日常か?

僕は感動できる生活が欲しい。
もしかしたら僕は、誰かからしたら、幸せになるための道を間違えているのかもしれない。
けど、
どんなに苦かろうと、先が見えなかろうと
僕がいちばん好きな方法で、未来に向かって学んでいる
そういう日々を気に入ってるんだ。


君がどんな分野を選ぶかは、結局のところ君が決めるしかない。

君の好みは人には見えない
君の幸せは人には決められない
君の力は君にしか伸ばせない

でも幸せになるための努力は決して惜しむな。
大切なのは幸運であるかどうかではなく、夢に対して誠実であれるかどうかだ。

幸せになれ!

もしも迷ったら予備校に行くと良い
同じように誰もが迷ってる
「絶対にこの道しかない」と思って未来を選べる幸運な人間は
ほんのひとにぎりだ。人を値踏みしないで、とにかくしゃべってみなよ。
きっとたのしいよ。


もし、それでもムサビを選ぶというなら、
僕は両手を広げてここで待ってるからさ!

オトギ

ミッドナイト・メランコリー

FOR WORLD


チョコレートも溶けてしまう暑さがまた巡ってきた。
空気にすら責め立てられているような気がしてしまうね。

たまには夜空でも見よう
風を感じよう
歌を聴こう
つらいとき、いつだって見上げればぞっとするほど美しい空があった。
優しい風が吹いた
揺さぶられるような歌が響いていた。

ありふれたものに救われてしまうくらい
追いつめられているときは


ああ、自分は今本気なんだな って 気づこう。


僕たちが苦しいとき つらいとき 
弱さを知るとき

ゆずれないものがあるから こんなに胸がつまるんだって

そんな風に
自分に仕掛けたありとあらゆる罠を
あっさりかわして
笑い飛ばして

また明日を生きていこう。


大丈夫だ
まだやれる。


オトギ

親の口説き方

FOR STUDENT


水がおいしい季節になったね。
美容院へ行った帰り道、近所の庭先から水瓜のにおいがしたよ。


さてと。

オーキャンも終わってそろそろ、
未来に迷える高校生が、助けを求めてアクセスしてくる時期かなあと思うので、
ひとつ書いておこう。


親が美術に理解ある幸運な人でない限り
誰もが突き当たる問題・・・・。


親のオトし方。


うんうん 大変だよね!親を口説くのは!!

僕の親はまったくその道に興味がない人でしたので
それはもう苦労しました。


同じように苦労してる子も多かろう。
だから2つに分けて紹介します。
すべて実践済みです。


①話す。
どれだけ笑い飛ばされても、とりあってもらえなくても、
つねに正直に、まっすぐに、丁寧に向き合うこと。
それを続けること。
それは食卓でも良い。車の中でも良い。
でも、たまには1対1で向き合うこと。

<日常>
対象が、展覧会でも漫画でも今日見た「美しいもの」でも良い。
感動したことを話すこと。
あなたが何に興味をもって生きているのかをまず知っておいてもらうこと。
コミュニケーションをとること。


<作品>
美術で「頑張ってるよ」ということを伝えるのはとても難しいね。
なぜかっていうと、気持ちのクライマックスがほとんど作者の頭の中でしか見れないから。笑
スポーツとかはいかに日頃から体を鍛えているか、それがいかにつらいことか、
というのがダイレクトに伝わりやすいから、その点ちょっとうらやましかった。
ただ、うらやましいなあ で終わらせちゃもったいないよ。
今つくってる作品がどんなものだったか
あと、つくった作品にどんな気持ちで取り組んだか
きちんと伝えること。楽しいことも、苦しいことも含めて!
そうじゃないと「あの子は好きなことやってるだけ」としか受け取られなくても、
無理ないよね。


<夢>
照れくさいことも含めて、話すんだよ。
何に情熱をもっていて、どんなことを学びたいと思ってるのか。
それと、それにどれだけ『望み』があるのか。
あなたが美術を志したいと思ったからには、必ず「やればできる」と思った理由があるはず。
美術の先生や先輩、予備校の人との話などにも理由があるはずだね。
それをきちんとメモしておいて、親にも同じように「感じて」もらえるように話すこと。
あなた流に強引に要約したら、台無しになる可能性があるから、これは気をつけて。

『安心させてあげること。』

これがいちばん大事かもな。
美術なんてアウトローだわ、希望ないわ!って思って反対する人が多いから・・・。
あなたのお父さんやお母さんは、あなたをわざわざ不幸にしたいとは考えてないはずだよ。


②見せる。
態度がいちばん物を言う!!
口先だけでは何もかえられない。
逆に、誠実な態度は言葉を超える。@プレゼンの極意


<資料>
あなたが真剣に進路を考え選び抜いた結果が「美大」だった!
というのを、行動の軌跡を見せることで教えよう。
大学の資料を請求したり、パソコンの画面を印刷したり・・・方法はいくらでもあるね。
気に入った箇所に付箋を引いたり、
蛍光ペンでラインを引いたりしてあるのも見てもらえばばっちり。
説得するときのメモ代わりにもなって一石二鳥。


<作品>
美術部などで参加した展覧会に必ず来てもらうのはもちろん、
予備校で書いたデッサンはできる度に家族が見れる位置に貼り出そう。
「あ、あいつこんなことやってるのか」
となんとなくわかってもらえるのはもちろん
「どんどん上手くなってる」
と思ってもらえれば、
「こいつは・・・才能があるかもしれん!」
という根拠のない確信を与えることもできるよ!


【番外編:お金】
これは・・・各家庭により差があるからどうにも言えないんだけど、
ひとつ言っておきたいのは

大学の学費を「見せて」
自分の家の経済状況を「知って」
バイトや奨学金でどうにかできないのか「調べる」

これをきちんと自分でやってみること。


そんなところかなあ。
僕はそれを高校1年生からずっとやってきました。
今からでも間に合うよ。

人のせいにするのは簡単だけど、でもそれによってあなたの人生がつまらなくなっても
誰も責任はとってくれないよ。
ゆずれないものは、どんなに人に迷惑をかけてもゆずっちゃいけない。
親に負担をかけるのは、ほんとは心苦しい。
でも、いつか倍にして返すくらいの気持ちで、今は甘えさせてもらおう。
「あのとき親が思い通りにしてくれれば」
なんて、つまらないおじさんおばさんになってから親に言うのが
いちばん親不孝だと 僕は思う。


最後に

1回やると決めたなら、

10回泣いたくらいじゃ諦めるなよ。


オトギ

あるいは、はなむけ

FOR WORLD

徒花.JPG

徒花2.jpg

□作品名:徒花
□種別:平面/アクリル
□材料:キャンバス/アクリル絵の具

地獄の業火からほのかな月明かりを望むような
悲しみを。


作品名は「あだばな」と読みます。

3週間くらい放置していて、昨夜衝動的に仕上げた作品。
作品に赤を用いるのはもしかしたら初めてかも。
赤色というのは一歩間違えるとただただ下品な色味になってしまうので、
なかなか難しい。
なんだか思ってたより禍々しさや凄みのある作品になったなあ・・。笑
まだ描き足すかも。

あと、ブレてしまった写真が燃えているようで面白かったので載せてみます。

徒花3.jpg


オトギ

楽園

FOR STUDENT


日々が流れていく
毎日毎日、たくさんの顔と声に包まれてる。
それらは僕を褒めそやしたり蔑んだりと忙しいようだが
はたして何もかもなべて同じように見えてしまう。
訪れては去っていく、時代という名の人の群れ。
好意も悪意も、僕やあなたにふれてくるという点ではなんら変わりない。

だから恐れるな。


渇きを人のせいにできてしまうような選択肢は捨てろ。
来るはずもない船を待ってるのはやめるんだ。
たとえ笑われようとも臆するな
微笑み返すくらいの覚悟はいつだって必要さ。


鳥の鳴き声とともに朝が来て
あなたにも僕にも夜が来る
なんの気兼ねもなく寝息をたてられる僕らが
なぜ望む夢すらも見られないと言うんだ

オトギ

Draw a dream

FOR STUDENT
君の未来において特別な意味を持つ、今日という日に捧ぐ。


こんな風に文章を書くことに、
いったいどれほどの意味があるのか知らない。

僕にとっての「真実」とは、結局のところただの「事実」であるだけかもしれない。
だから、君にとってはなんの効き目のもない薬になる可能性は大いにある。
だけど、書いておきたい。

今日という日に、いったい何を感じただろうか
未来への期待だろうか、現在への失望だろうか
あるいは新しい世界への驚きかもしれない。

歩いている学生ひとりひとりに自分との差を感じたり
自分という存在そのものを恥じたり
そんなことをした人も、いたかもしれないね。

今日という日は、あなたにはどんな色をもって見えただろう。

できるだけ輝いて見えていたら良い
どんなに雨が降っても 空が暗く沈んでいても
必要以上に演出されて、驚きに満ちている世界が
あなたの前にだけひろがって見えていることを
願った。


オトギ

平成浪漫

FOR JAPAN

11.06.12形態論.jpg

□作品名:ヒトノ間
□種別:『形態論』課題作品/写真/レポート/デザイン
□材料:写真/Mac/illustrator/photoshop


 さて、以前違うテーマで形態論のレポートを書いたことがあるけれど・・・
今は「私にとっての日本的とは何か」というテーマでやってるんだ。
そのとおり、自分の身の回りから「日本」を感じる物を探し、
写真と文章によってそれを人にプレゼンテーションする、という課題だった。

 近年、ひそやかに消えゆこうとしている日本の文化。
本当に消えてなくなっちゃうのかな?消えてしまっているのかな?
という疑問への答え探しをしながら、文章を書いた。
僕たちのからだにしみついて、離れない、本当の意味での「文化」とは何か。
これが僕の出した答えです。


今回から教授が交代しまして・・・・なんとも、アクの強い、おもしろそうな方です。笑
「考える、ということに重点を置いた課題です」という発言に、
「考えるのは趣味」と公言する僕は心でガッツポーズしたわけですが、
今回はちょっと悔しさが残るなあああ。
たとえ「考え」に重点を置くとしても、デザインを学ぶ身としては、
もっとビジュアルに惹きつける魅力をつけたいところだね。
とはいえ、今の僕の力じゃこれがベストなことには変わりないけど。


さて!!今回は!!
前回のお約束とおり、友人にお願いして写真を撮らせてもらいました〜。
こんな作品もあったのだよ!!
もちもち.jpg
「お米」に着目した作品。作者は留学生です。
かつて、外国人が日本の稲穂を見て日本を「黄金の国」と称したくらいだから、
やっぱり、日本とお米は切っては切り離せない文化だと思うなあ。
外から見ると、日本ってこうなんだね〜〜。いいかおだ。笑
出典:小島小鳥「未来ちゃん」


空間を感じる.jpg
「履き替える」という仕草に着目した作品。写真の撮影も自分で!
空間を区切るのではなく「仕切る」文化のある日本ならではだなあ、と思った。
具体的な物を置くのではなくて、何か別の物を違う物に「見立てる」ちから。
ほんと、昔の日本人って、想像力豊かだったんだなあと思うんだ。


他にも、線香花火や錆、風鈴やお弁当・・・などなど、
いろんな「日本」をそこに見ることができた。
日本文化の不思議なところは、年齢を重ねるごとに心地よくなることだね。
日本のもっている文化の「色」は、本当に奥ゆかしくて儚いから、
きちんと守っていきたいなあって、そう思った。

なにもね、もういちど、着物を着て、下駄をはいて、お茶しか飲むんじゃないとか
そういうことを言いたいんじゃないんだ。
ただ、僕たちの何気ない生活の中に
昔の日本人が織り込んでいた「うつろいを楽しむこと」くらいは
思い出して、寄り添っていけるんじゃないかなあって
寄り添ったっていいんじゃないかなあって
そう思ったんだよ。


オトギ


明日はオープンキャンパスかあ!
わくわくだね。

本の虫

FOR WORLD

 物語を読んで、なんだかもう今日は余韻に浸って何もしたくないな と思ったのは
久しぶり・・・・・。
先日、ずっと追いかけていた小説のシリーズが完結しまして、
まあ・・・・いっきに読んだよね・・・・それはもう。


 か かんがいぶかい・・・・


 ちょっと待ってくれ。

 物語は娯楽だ。

娯楽は僕たちの喉を潤さない お腹を満たしてもくれない

代わりに睡眠をとってくれるのでも 安全な暮らしを約束してくれるのでもない

では 何故、こんなに揺さぶられるんだ。
普段なら何度も言葉をかみくだいて書き尽くすところだろう。
でも今は違うんだ。都合のいい答え探しをしたいわけではないし、
そもそも問うことの意義すら、深く考えられない。

感動する ということが、何もかもチャラにしてしまう
そのあっけなさ ちっぽけさ そして清々しさ 
つくる ということの 素晴らしさをかいま見る。


よし、もう1度読みなおそう!!


オトギ

お祭りがやってくる!

FOR STUDENT


オープンキャンパス間近ということですが、
残念ながら僕はオーキャン情報の手持ちが少ないのです・・・!
でも何かしたい!

ということで、

せっかくだから、
僕のオススメMAUスポット&見どころマニュアルを書こうかな!と思います。
ムサビ生の目線でオーキャンを楽しんでみたいって子は参考にしてね。


*エミュウ(2号館・4号館付近)
 はい、言わずと知れた人気のパン屋さんです。
 おいしくてオシャレなパンがいっぱい並んでます
 だから人もいっぱい並んでます(笑)
 僕の一押しは「紅茶メロンパン」かな。
 食もまた「美」だよねえ・・・


*図書館(鷹の台ホール付近)
 たしかオーキャン中は入れるんだよね?
 ものすごい蔵書数です。本を借りなくても、あの空気をかぐだけで行く価値はあるんじゃないかな・・・
 僕たちの知らない アートとデザインの世界は こんなにあるんだあ って
 きっと思うよ。
 そこかしこにある、アートチェアを端から座ってみるのもオススメ。
 ムサビの図書館には、見たことのないカッコいいデザインの椅子が、
 たあっくさん置いてあるんだよ!
 原教授が以前、「デザインの歴史を考えるとき、椅子を見るとわかりやすい」
 というようなことをおっしゃっていたくらいなので、
 これを機会にいろんな椅子に 目で 肌で ふれてみてほしいなあ。


*2号館トイレ
 だまされたと思って行ってみて。イイから!
 2号館のデザインは全体的に好きなんだよね・・・特にトイレが・・・
 あ、でも僕は男子トイレには入ったことないんで(笑)
 そこらへんご了承ください。

 あと、もういっこ見どころ
*学生のロッカー
 うん・・・じつに、あいでんてぃてぃを感じる。

 さて、
 土曜日は僕もボランティアスタッフとして関われることになりました!
だから、もしかしたら9号館でお話するかもしれないね!
僕は受験生のとき大学のイベントにはことごとく行ったことがないので、
とっても楽しみです。
君たちの未来を考える、すてきな1日になるように、僕も応援します。
楽しもうね。

オトギ

at 22:23 | Category : | Comments (2) | Trackbacks (0)

黒い太陽

FOR WORLD


 太陽の光がつよいと、
なんだか急かされてるような気がしてしまうんだ。
からだ中包まれているような、無遠慮で熱い熱い日差しに
うしろめたいことまで照らしだされてしまいそうで。


 多分僕らが、正しい人や優しい人になろうとして
やりすごしてしまってることって 思ってるよりたくさんあるんだろうな。
でも、これからくる季節の強い強いエネルギーを
なんとかして飲みこんで、味方につけてやりたいんだ。
不安とか迷いとか、いらないものすべて、火にくべて焼きつくそう。
僕たちのチャチなプライドを守ってくれるような状態で、
いつもチャンスがくるとは限らない。

だからせめて、僕たちのもてる最高のちからで闘えるように、
めいっぱい深呼吸して、走ってこう。


オトギ

アートで運動かい?

FOR STUDENT & MUSABI

 今日はとっても素敵な日だった。
 
 それというのも、
 視デの特別講義をしに、「絵本も描くひと:荒井良二さん」がやってくる!
と、昨日友人にツイッターで教えてもらい、もぐりこんできたのであーる。
(大学には「聴講」といって、履修してない授業も、
聴くだけならいいよ!と受けいれてもらえることがあるのです〜)

たいようオルガン
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 どきどきそわそわの1時間だったなあ。
「荒井良二と運動かい?」という講義の名前の通り
スポーツだった!

体育館でやったんだけど、入ってびっくり
体育館の半分を、ブルーシートが埋め尽くしてるんだ
壁を覆う白い布に、大量の段ボール、そして絵の具
さらに待ち時間、学生とサッカーをしている荒井さんの姿 あはは。


で、何をしてたかというと!

4年生の方々が2チームに分かれて、アートでバトルしてらっしゃった!

①無茶なお題でお絵描きリレー
(例:歯医者に行きたがらないブルータス)
②段ボールで10分で「鳥のようなもの」をつくる
(安定感も計画性も無視 笑)
③絵の具で相手の陣地を奪え!
(ひたすら大きな画面を塗りつぶす!)
④リーダーで即興作品バトル


大きな筆を、絵の具が飛び散るほど勢い良く画面にぶつけたり、
大人数で、たった数分で立体物をつくったり(これがまた圧巻!だった)
本当に、なんてすてきな運動会だろう!と思ったね〜

 
 全国の小学生に、やらせてあげたい って思ったよ。
 絵の具をつかったり、ものをつくったりする競技ができればいいのに・・・
美術が好きな子って、学校でスターになれる機会が少ないんだよね
それが最近ちょっと、気になってるんだ。
なんで、ものをつくったりすることを自慢できる世界じゃないんだろ。
こんなに素晴らしいのに。
・・・うん、でもまずは僕が、「カッコいい美大生」をやるべきだな!
頑張ろう。


 アートのカッコよさが、つたわってきた。
 今すごく、「つくりたい」って気分なんだ。
 行ってみてよかった!

オトギ

そうそう、

荒井さんのコメントも、すごく良かったよ。
「壊すエネルギーに目を向けること」やら
「思い出として何かを持ち帰るのではなく、いっしょにつくるという行為が、
ワークショップなんじゃないの」っていう考え方 

すてきだ!

濃いキャラだ


そして、良い声だ と思ったら


CDがでていた。


どこから どこまで いつ どうやって(DVD付)
どこから どこまで いつ どうやって(DVD付)荒井良二と連絡船

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買った。


あは!

at 20:36 | Category : | Comments (3) | Trackbacks (0)

[お題]私のオススメ本

FOR STUDENT & MUSABI


 さっそく手羽さんのお題におこたえしまして、僕のオススメを紹介します!
フェアに参加できたみたいで嬉し〜ね。


 オススメしたい本はあまりにたくさんあるから、何か一冊だけ紹介するとして、
僕だったら何をオススメしたかなあと考えた。
そこで僕はこの本が一番に頭に浮かびましたっ!じゃじゃん


グレープフルーツ・ジュース (講談社文庫)
グレープフルーツ・ジュース (講談社文庫)オノ・ヨーコ 南風 椎

講談社 1998-04-15
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開いて左手がモノクロの写真、右手に縦書きの文章が数行
・・・という構成で成り立っている、薄くて小さな文庫本。
1ページめくるごとに、からだ中がうまれかわるような錯覚を覚える。

 散文とも詩とも呼べない美しい言葉の羅列。
 「想像しなさい」という一言が、すべての言葉の裏に、
一本の背骨のようにぶれることなく通っている。


 実は、僕がこの本を見たきっかけは、人からのオススメなんだ。
制作につかれたときに貸していただいて、とても感動したことを覚えてる。
その後自分でも購入して、今では僕の本棚におさまってるってわけ。


 つくることの素晴らしさを謳歌するような素敵な一冊です。
つくることの意味を探している人に、手にとってほしい。


オトギ

at 19:05 | Category : | Comments (2) | Trackbacks (0)

ボン・ボヤージュ!

FOR ADULT

 雨降る憂いの土曜日が、ゆっくり更けてゆきますが、
皆さんいかがおすごしですか。
やるべきことばかりで大変とは存じますが、なんとかやっていきましょう。

おいしいものを食べましょう。
夢見るくらいに眠りましょう。
何かに追いつめられるのでも、急かされるのでもなく、
四季を味わい、しなやかな日々をつなぎましょう。


 せわしない日々だ。
何もかもやり過ごしてしまいそうな気もするし
何もかもうまくいく気もする。
だからやれるだけやろう。手の届く範囲をのばしていこう。


 あなたはまた、「わたしごときが」と自責するだろうか。
けれど僕たちに、誇れる「あのとき」がある限りは
苦悩することを責められるいわれなどないはずだ。


オトギ

薔薇とサボテン

FOR WORLD


 今日の昼、花屋へ行った。課題の写真を撮りたくて行った。

 もっと楽な方法はたくさんあるんだろうなあ
とふと思った。
でも、僕はこういう生き方しかできないや
とも思った。
それはどこか諦めに近いのかもしれないけど、喜びの響きに似てた。
死にものぐるいでやれば良いものができるかっていうと、そうじゃない。
つたないものばっかり、生みだしてしまうよ。
でも、守りたいものを守るために
そういう生き方はあながちずれちゃいないと
信じているんだ。
信じてみたいんだ。

 暑い暑い午後。
太陽があって、白い薔薇と小さなサボテンと僕があって
なんだか背中のねじが緩んでる、不格好な昼下がり。

オトギ

手紙

FOR WORLD


 今、闘っているすべての人へ。


あなたはきっと 今も人知れず闘っているだろう。
それはあまりにもありふれた悩み事だ
進路や家事、仕事に対人関係 
口にするとどこか乾いて剥げ落ちてしまいそうな、
かさついたカテゴリーの中におさまってしまうもの。
怪我を負った本人にしか痛みがわからないように、
その悩みはきっとあなたを苦しめているけれど。

でも、起こってしまったものはもう、そこにあるだけなんだ。
あなたが今まで
どれほどだらしなかったか
いくじなしだったか
あざとかったか
そんなことは、この際どうでもいいよ。

僕は何度も同じところをぐるぐる回っている
自分にうんざりすることは、はっきり言って何度もある。
ただ、昨日の自分よりも今日の自分を好きになりたい。
そう思い続けることはきっと僕を変えられる。


今この瞬間、目の前にあるゴールだけを見て
からだをかたくするのではなく
僕たちの人生の中で その出来事が意味のあるものになればいい。
意味をつくっていけたらいい。

そうしたらきっと、あなたの目の前のピンチはチャンスになるはずだ。


オトギ 

サプリ

FOR WORLD


「ああ、くたびれた。」
「なんだか力がでない。」
そんなふうに心が疲れたときは、文字が良い。

考えたいときは ショートショート
何もかも忘れちゃいたいときは 詩集
うっとりしたいときは 童話
とことん落ち込みたいときは エッセイ

どれも合わないときは 自分で書いちゃう。

 美大生じゃめずらしいかも こんなひとは・・・
僕にとって、絵や彫刻は
悲しんだり喜んだり怒ったりしてるときに、
手にとりたいものなんだよな・・・
疲れっていうのは、無心に近いから、食指が動かないんだろう。
文字というのは ある程度の気づかいがあれば、向こうから僕の考えに寄り添ってきてくれるから、
なんだかほっとするんだ。

 ちなみに僕は今、体がくたびれたので、ひとまず寝ます。あは・・・


オトギ

3つの不思議

FOR WORLD

 今日、写真を撮ろうと思って、上野動物園へ行ってきた。
平日にも関わらず、思っていたより人はたくさんいた。
お客は恋人たちや家族連れが多くて、幸福のエネルギーにあふれていた。


 動物園というのは 不思議な場所だ。

 なにしろ、いきものを見て感動するんだ。
3Dの映画を見たり、華やかな乗り物に乗ったりするのでもなく
写真でしか見たことのなかった象やキリンを見つけて
「見に行こう!」と言って走っていくんだ。
それはどんな喜びだったろう。

 そういえば、僕も昔は、親とサファリパークや動物園に行ったっけ。
僕のような子どもがライオンや象、キリンに感動したり、
ちょっと大きなお姉さんやお兄さんが記念撮影をしているかたわら
ときどき、大きなカメラをもったおじさんが、異様な空気を放って写真を撮ってて。

 なんだこのひと 

とよく思ったものだ。
カメラをかまえながら「いつの間にか なんだこのひと になってるんだなあ」
なんて思って、くすりとした。
かつてライオンを目当てに動物園を走り回っていた僕は、
フラミンゴの優美な足取りに感動して、3箇所からシャッターを切るような人になってた。

 ただね、思ったのは
動物っていうのはやっぱり、野生がいいよ。
野生の動物に出逢ったときのほうが、きっと ずうっと感動する。
ただ、勝てないなあと思ったけど。
コンドルとか、なんだいあれ。ぺろっと食べられちゃいそうだよ・・・びっくりした。
話はそれたけどね、うん、野生がいい。
今日動物を撮るために動物園に行って、ひとつわかった。
なんで写真家は動物を撮るために旅をするのか、ってことが・・・。

 ああでも、おもしろかったなあ。
人間も動物も植物も・・・
命っていいよ。すてきだ。


オトギ
 

月の光

FOR WORLD


 何を美しいと感じるのか。
何が美しいのか。
その決め方と考え方について、ちょっと話そうかな。

 今日は中学からの友人の誕生日だった。
祝いたいから食事をしよう!と前々から言っていて…
久しぶりに会ったんだ。
今日はデザイン論も休講で、講義もなかったし。
そうしたら、その子すっごいプラン考えてくれててさ!
お祝いするつもりが、僕の方がエスコートされちゃった。
(※よくあること。)

 まず2人が好きなお人形を見に行って、Bunkamuraのルドゥーテ展を見て、
1926年創立の名曲喫茶に行って、ロフトに行って、ユニクロに行って、109に行って、
新宿に移動して、マルインワンに行って、シャンデリアのあるオペラのようなカフェでディナー食べて、
神社にお参りして帰ってきた。

ご覧の通り密度のたっかあい午後だった。
まるで文化観光ツアーだ。あはは


 でもね、
そんな1日の中で印象的だったことは、ドビュッシーの「月の光」なんだ。


 それは、名曲喫茶であったこと。
それがね・・・とても雰囲気のある喫茶店なんだよ。
1926年創立だから、建物は古い。
でもそれは、野暮な古さではないんだ。
魅力的な年の重ね方をした、まるで舞台のような喫茶店なんだ。
音楽はレコードで、お客さんは常連顔のおじさまたち。
煙草のけむりがそこかしこから昇っていて、
椅子のほとんどは列車の中のように同じ方向を向いている。
ワインレッドのカーテンは行儀よくまとめられていた。
 平日の午後ということもあってか、女子大生の二人連れは僕らだけ。
囁き声で会話をしたり、その日の曲目のバッハに耳をすましたりしていた。
 そこでだよ。曲目が終わると、「お客様のリクエスト」ということで、
ドビュッシーの月の光が流れ出したんだ。
それはとても素敵なサプライズだった。
曲そのものの美しさもさることながら、
僕たちにとって、「月」はとても大切なキーワードだったからね。
なんだか、運命を感じちゃったよ。
 それぞれ会話をやめて演奏に聴き入った。
途中、彼女は僕がプレゼントした「陰翳礼讃」を、
僕は村上春樹と糸井重里の「夢で会いましょう」を読んだりしていた。
 そうしていると、表通りの喧噪や駅前の猥雑とした空気が遠のいて行くような錯覚がした。
今すぐあの扉を開いたら、そこは大正浪漫の世界が広がっているんじゃないか
今にも隣りの席に、袴をはいた女学生が「ハイカラなところね」なんて言って、腰掛けるんじゃないか。

そういう錯覚がした。


 けれど、ドリンクを飲み干して、扉を開ければ、
そこには渋谷の喧噪がひしめいていて、遡ったはずの「時」を一瞬で手渡されてしまった。
だが、その雑踏の喧噪も喫茶店の静寂も どちらも文化で そこにあるものだなあと思った。
 文化というものは、何が上で下かということではないんだろう。
ただ、そこにあるだけなんだ。
もちろん、喫茶店ですごす時間のほうが ずっと好きだ。
 でも、原色の看板や、ネオンのまぶしいディスプレイの多い渋谷を歩いて
頭に残るのがドビュッシーの月の光 のうちは
僕は 渋谷の雑踏に押し流されるのも 悪くはないかな なんて思ってしまう。


それじゃあ、友人の誕生日に乾杯して、
今日のところはおやすみ。

オトギ

ちなみに、その名曲喫茶はこちらです。
素敵なところなんだけど、周りにいかがわしいお店もあるので、それだけ気をつけて。

光の魔術師

FOR STUDENT&MUSABI

 今日は国立西洋美術館のレンブラント展を、舞台を学んでいる友人と見にいってきた。

 レンブラントの絵画は、光がとても美しかった。
「光があるから闇が生まれ、闇があるから光が引き立つ。」
言い古された言葉だけれど、本当にそうだと思った。
レンブラントの絵の画面の大半は、闇に深く沈んでいるのに、光が美しいから、
光のほうが印象に残って絵画が光の要素の多い物のように思えてしまう、
というような魔法にかけられた。
いろんな光の「質」を感じることができる展覧会だった。
それもとても上質な光だった。

 照明を専門的に学びたい、と思っている友人は、
「光の魔術師」というレンブラントのあおり文句に運命を感じて行こうと思って、
どうせだからと僕も誘ってくれたんだって。
 彼女の考えてることもおもしろかったなあ
美術館というのは、一緒に行く人によって色んな見え方がしておもしろい。


オトギ「光が 鋭いか 淡いか で、絵の雰囲気が決まるし
   光の あたってるところ と、 あたってないところ でどこに注目するか変わるんだね
   照明(光源)っておもしろいねえ・・・。」


友人「そうなんだよ だからいい加減にしていいことじゃないんだよね。
   あと、舞台をつくるときに、ひとつ軸にする照明を決めると 良い物になるんだよ」


といった会話をぽつぽつとして、その度 ほおおお となったオトギであった。
舞台見に行きたいなあ。
あと、テレビとか見るときに、ちょっと気にしてみると楽しそうだねえ。

 
 そんなレンブラント展、来週までやってるらしいから、都合のつく方はぜひどうぞ。
ムサビ生はキャンパスメンバーなので900円で見れるよ。
常設展もよかったなあ。
 いいものを見ると、僕のもやもやした頭の中にも光が当たって、
つかみたいものが少しクリアに見える感じがする。
しあわせ。


オトギ

FOR .....


ふとしたときに
逢いたい、と思える人たちがいるということは
たまらなく尊い。


 ちょっとした悪意にあてられて
くらあっと目眩がすることは、まあ よくあるし
頭にくると、世界の何もかも、暴いて責め立ててしまいたくなるのだけれど
そんなことは毒にも薬にもならない。

 友人や恩師を思い出す。
 他愛もないことで笑い合い、正直に向き合う日々のなかで、
言ってもらった言葉や
相手に届けられた言葉。

 今日もつないでいく細い細い縁という糸をたぐりよせ
あなたが幸せであればいい、と思える現実だけが
僕に刺さった棘を少しだけ抜いてくれる。


オトギ

今日はなんの日むさびのひ?

FOR WORLD

 美大ふぇあ れぽーーーと!
 今日の放課後は、ムサビ日記と美大日記で今もっとも話題のスポット、
オリオン書房さんにいってきたよ!ばばーーん
どう話題なのかは手羽さんの日記をご覧あれ。
 思ってたより本格的な本屋さんでびっくりした。
芸術書の品揃えもよさそうで、お休みの日に行ったら居着いてしまうかも。
それにしても、信州育ちの僕には、駅内にあんなにお店があるということが未だに信じられないです・・・。
立川は 東京の においが した。


 そんなことより、美大フェアのお話だけど

きゅっきゅぽんさんのサバオは お持ち帰りしたい愛らしさだったし
看板は あのしっかりした書店さんに とけこんでいたし
本のチョイスは 「知ってる!」「読みたい!」と心をくすぐられたし
POPは やっぱりデザイン系のひととファイン系のひとと、やり方が違うんだねえとか思ったりして
おもしろかったよ!
 ムサビ日記と美大日記を読んでる人には、
書いてる人の趣味をのぞき見できちゃう楽しさもあっていいよ。ふふふ

  僕は一冊購入して、缶バッチいっこもらって帰りました。
何買ったか書くと、「どんな本があるのかな〜」って楽しみを減らしちゃうかなあ・・・
じゃあ、とりあえずないしょで。
 
 僕はこのフェアは受験生向けのものだとばかり思い込んでたんだけど、
そうでもなかったんだねえ。
僕が行ったときは、まあ時間も時間だったんだけど、
スーツをおめしになったおじさまが、3人ほどいらっしゃいました。
本を通して美大にふれてもらえるなんて、乙だね。

 
 美術っていうアウトローな分野に関わっていると、
ときどき言葉を軽んじるような言い方に出会うんだけど
僕は、言葉を大事にできるひとって どの分野でも魅力的だと思うんだ
だって僕たちは、生活する上では人との関わりははずせないわけで。
人と関わるためには 言葉はぜったい必要で。
人との関わりを大事にすることと、言葉を大事にすることは同義なんだ。
そして、人との関わりを大事にすることと、生きることを大事にすることはほぼ同義だと思う。
 さらに、言葉を養うのには言葉を読むことがいちばん「効く」と思う。


 「でも、まあ 興味あることじゃないと 本なんて読めないよね」


 って思ってる美大生や受験生に この企画すごく良いと思う。
だって、すすめてる人たちが「本の虫でもないけど、読んでる」本があるわけだから。
うん、会ったことないから、憶測だけどね!
どうしようみんな本の虫だったら!

 そういうわけで、本の虫の人も、読書アレルギーの人も、ぜひどうぞ。


オトギ

at 21:44 | Category : | Comments (2) | Trackbacks (0)

まぼろしの朝

FOR WORLD

 今日は霧がでていたね。

 霧にかすんだ町を歩くのは、すごく贅沢だ。
まるで絵本の世界に降り立ったみたいで、ドキドキする。
一歩先も白く隠されていたりすると、もっといい。
真っ白なその空間から、今にも得体の知れない何かが飛び出してきそうだし、
まったく違う世界へと続いていくような・・・そんな気がするんだ。

 だから、霧がでている朝は、とても特別なんだけど
霧はいつの間にか晴れてしまうから、
そんな感覚は、帰るころには夢でもみていたように消えてしまう。
でもね、そこが美しいんじゃないかって、思うんだ。
だってそれは、僕だけが見ていた、まぼろしの朝なんだよ。


オトギ

うまれるかたち。

FOR WORLD

 〆切明けに飲むミルクティーはとっても贅沢。

そうです、形態論のひとつめのプログラムが終わりました。
というわけで、ここここで言ってた形態論レポートやるよっ
ところどころに僕の意見を交えます。
ただこれは「正解」ではなくて、あくまで僕が、こうかなあ〜と考えた一つの「返答」としてとらえてください。


形態論1[トランスフォーメーション]
その名の通り
全員が同じ一つの形を出発点に、まったく違う別々のすがたへと変化させる課題でした。
(だから某さんとつきの言ったように、名前のままですね。
つきの「固定観念をこわす」というのも近いように思います。)
求められるのは作業の正確さと丁寧さ、そして発想の斬新さ。
頭をつかうけど、実はどこまでも自由な課題だったと思う。
やりたいだけやっていいよ!ってかんじ。

 さて、そういう課題だったんだけど、そこにプラス!
僕は、「見たことのない新しい形」+「美しさ」をどこまで追求できるか、が求められていると考えて制作しました。

オリエンテーション→教授とアイデアの相談→プレゼンテーション
という3段階のプロセスを3回繰り返し、
作品を3つ制作しました。


①市松模様に、いくつかの決められた変換方法を用いて最初の形と全く違う姿へ変形させる。

切り絵.jpg

 ちなみにこれ、切り絵です。みんな切り絵ね。
僕は自然界にある曲線が好きだから、それをテーマに変形させました。
これは・・・求められていることに応えきれてないんだよね。
左上から始まって、一番右上の姿が最後の形なんだけど、なんともありふれている。
全体的に遊びが足りない。
 すっごいカッコいい切り絵してる子たくさんいたんだけどなあ・・・紹介したいなあ
今度からお願いして写真撮らせてもらお。


②10㎤の立体をつくり、いくつかの変換方法を加え五段階に変形させる。
そして5つ目の形を立体作品として制作する。

①みたいに今度は立方体を変形させて・・・
その最後のかたちがこれ
ここでもう一度求められてることを考え直した。
見たことのない形、自分の思う美しい形を追求できたと思う。気に入ってる。
 人からは
「DNAっぽい」「今日の曇った空みたい」「イモムシ」「生クリームしぼったとこ」
とか言われたよ。
変に偏らなかったところをみると、狙いは成功かな!うれしい。
ただイモムシは納得がいきませんいとうさん!あはは

 教授からは「もっと軽やかな布をつかったパターンも見てみたかったかも」と言っていただいた。
たしかに、動きを出すのにこの布は重たいかも。



③②の立体作品を撮影し、図録を制作する。

表紙と裏表紙
図録.jpg


中身
あ、本名のところに不自然なモザイクはいってるよ〜
図録2.jpg

 写真枚数の指定と、サイズ以外はデザインが自由だったから、
美術館のパンフレット風につくってみた。
それによって文字の組み方とか、いろんなところに気を使わないといけなくなるんだけど、
挑戦的な姿勢や裏表紙の文字組みに関してはよい反応をいただけました。

た〜のしかった〜
イラストレーターとか全然つかったことなかったけど、
いろいろ挑戦できてよかった。ただ、もっと遊んでもよかったかもな。イラスト入れたりとか。

 全体を通して、制作への姿勢も徐々によくしていけたし、
美しいってなに?かたちってなに?って考えられた。
 あと、課題の楽しみ方がちょっとわかった。
なにごとも「こんなことやっても意味なんてないじゃん」って言うひとはいるけど
意味はあるかどうかじゃなくて、つくるかどうかなんだよね。
制約の中でいかにして遊ぶか・・・!


 と、まあこんな感じかなあ。
写真撮影すごいたのしかったっ
ただ僕は、正確にものをつくったり丁寧に仕上げたりすることをもっと気にしないとなあ。
あと、今日のプレゼンだめだった!下準備しっかりしよう。

 そんなわけで、達成感とほどよい反省を胸に、
僕は作品をつくろうかなって思います。


オトギ


あ、twitterはじめました。@fantasia31でやってるよ。
お役立ち情報:ひとりよがり が2:8くらいの割合でつぶやくつもり。笑
ムサビ日記のオトギというより、舞台裏のオトギになるかなあ。
それでもよかったらフォローしてね。

・・・フォローしてね、ってなんかこそばゆい。