ムサビ日記 -室長の手羽-

結婚してから、以前より両親とよく話すようになりました。
もともとあまり親と会話しないタイプだったのですが、
嫁さんの影響（「実家への電話の回数が少なすぎる。もっとしろ」といった教育的指導等）で、以前よりはだいぶ、会話するようになりました。

…っていうか僕のいないところで嫁さんがどんどんうちの親と会話する。
うちは息子二人しかいなかったので、両親も娘が出来たようでうれしいんでしょうね。
実家に帰る頻度もかなり増えました。

そんな嫁さんが聞き出した情報により、
「両親は僕の美大受験を快く思っていなかった」という事実が、最近判明いたしました。

高校まで順調に育ててきたのに、いきなり美大に行くとかいいだして
「実は大変ショックだった」らしいです。
ショックというか、意表を突かれたというか。
結構な進学校へ通っていましたし、勉強も嫌いではなさそうだったので、
それなりに勉強していい大学に現役で入って、
口のうまさを活かして役人か弁護士にでもなるものだと思っていたようです。
父曰く、「どうしようかとおもった」
母曰く、「目の前が真っ暗になった」

…そんなにか。

ここに至っての息子の美大受験宣言は完全に想定外、ちょっとしたテロだったようです。

僕が美大に行こうと思ったのはたしか高2の夏。
どうにも自分の将来が良く見えなくて、
とにかく何も考えずにこのままフツーの大学行ってたらヤベェ！とか思ってた記憶があります。

少なくとも高校卒業というこのタイミングで何らかのアクションを起こさないと、
小さい頃に描いていた「絵を描いて仕事する」という将来は確実に遠のく。
意志が弱いんでたぶんフツーの大学に行ったらそのままフツーの人間になる。

じゃあ、「とりあえず美大」。
「とりあえずビール」みたいな。イヤ「とりあえずビールじゃないひと」の方がこの場合は近いか。
阿部寛か。どうでもいいか。
専門学校よりは大学って書いてあるし潰しが効くだろ。哲学とか心理学とかも勉強したいし。
メカ好きだからプロダクト系で。都内で適当に。ムサ美？タマ美？だせえ名前だな…。特にムサ美。

今思えば無知すぎて恥ずかしくなりますがそんな動機で、高らかに「美大受験宣言」を致しました。

そんな「美大受験宣言」を一言も反対せずに快諾してくれた両親には、
大変感謝しております。

ショックだった気持ちを息子には見せず（←気付かなかっただけかもしれない）
得体の知れない美大受験なんかを応援してくれて、
おまけに浪人までさせてもらい（これはしなくても良かった部類に入ると思います）、
本当に僕は仕合わせ者です。両親に感謝ですね。

ところで、
今現在の僕について両親はどう思っているかというと、
端的に言えば「結果オーライ」ということらしいです。

デザイナーとして楽しく仕事をしている様子が伝わるのか、母親は
「あのときは最悪な気分だったけど、まあ結果的には良かったよね」
的なことを言ってくれます。
まあ、母親としては結婚できただけでオールOKらしいですが。

父親も折りにふれデザインの仕事について聞いてきます。
詳しくもないのにデザインについて生意気なことを言ってツッコんできます。
（おそらく、多少勉強しているようです）
まあ結局「よくわかんねえからどうでもいいや」とか言われて終わるのですが。
よくわかんねえジャンルのよくわかんねえ大学に、
高い学費払って4年間通わせてくれたのだから、天晴れとしか言い様がないと思います。

このムサビコムを見ている受験生のお父さん・お母さんも多いと聞きます。
お子様が「美大に行く」なんて突然言い出して困っている方もいるかも知れません。
でもそんな急に思える申し出も、
息子さん・娘さんにとっては大分悩んだ末の決断なんじゃないかなと思います。

美大は変なところですが、入った人がみんなアーティストになっちゃうわけではありません。
僕みたいにフツーに会社員になって結婚して、普通に暮らしていく人も多いです。

美大に入るとその人の「ヘンな部分」というのは確実に伸びてしまうと思いますし、
ほかと比べてリスクの少ない選択肢だとは思えません。

…でもこれだけは言えます。

「美大になんか行くんじゃなかった」言っているひとを、少なくとも僕は見たことがありません。
現状に満足していない人はいても、美大に入ったことを後悔している人はいないんです。

収入とか、名誉とか安定感とか社会的な評価とか、そういうのではなくて、
大げさに言っちゃうと「自分が幸せでいられる生き方」みたいなものを、
僕の周りの美大出身者はみんな、ちゃんと知っているような気がするんです。
それが、アーティストでも会社員でも主婦でも主夫でも。

僕なんかはサラリーマン回避→美大入る→結果サラリーマンなので特にそう思うのですが、
「どんな職業につくか」ではなくて、「どんな人間になるか」といった意味で、
美大というのは本当に面白いところだと思っています。

高い学費に見合った答えにはなっていないかもしれませんが、
それって結構重要なことなんじゃないかな？と、
小さな家庭を持ってみて、考える次第でございます。

…やべえ文章が老けた！オッサンだ！オッサン警報だ！！！！手羽さんになっちまう！！！

オッサンはもう眠いよ珍念

…

…余談ですが、
美大日記のニューカマー・文鎮さんの文章が、ライター当時の僕の文章にイヤに似ていて気になります。
嫁さんに言われて読んでみたのですが、言い回しとか構成とか、
ひらがなの使い方とかが本人が見て気持ち悪いぐらい似ていた（文鎮さんごめんなさい）。
しかも首都大学東京（東京都立大学）といえば、浪人時代に親に気を使って受験した（しかも落ちた）大学！
運命を感ぜずにはいられない。

育ちが近いのかな。
今後の文鎮さんの日記から目が離せません。

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おっさん文書に拍車がかかってきましたな。
はい。
私も文鎮さんの文章が珍念くんに似てると思ってました（笑）

って、そんなことはどうでもいいのだ。

長いよ！長すぎるよ！！

あのね、これだけは言わせてもらうけどね。

乾杯の音頭では掛け声だけで良かったのにアツい想いのこもった長い長い祝辞をいただいたりと

って言ってるけどね、この日記では気を使って「半分にしました」と書いたけど、本当は3分の1ぐらいに割愛したの！

君の日記が長すぎるの！

最初は半分ぐらい読み上げるつもりだったんだけど、読みながら「あ、これ、結構長くなりそう・・」と気がついて、チラっととーぼーさんの顔見たら、目は笑ってるんだけど口元が「早く終われ、このヤロー」って感じだったから、手羽ちゃんコンピュータ（CPUは16bitぐらい）で必死に削れるところを探して、削りながら読み上げるという神業的なテクニックで乗り切ったのです。

ちなみに新婚の珍念くん・とーぼー夫婦は
「chinnen　奥さんがツイッターに夢中で朝ごはんが出てこない」
「@chinnen　テーブルの上に出てるやろボケ！はよ食え！」
とtwitterで日常会話を交わしてるくらい、愛が冷め切ってるようです。
（chinnenは実際のアカウントではありません。検索するとなんかすごい人が出てきちゃうけど）

あ、珍念くんへ。
仮面ライダーWはなかなかいいよね。
髭男爵とさかなクンが出てくる以外、ゴセイジャーがあまり良くないから、今期はWにかけています。
（シンケンジャーが良すぎたせいもあるんだけど）
プリキュアは今までのシリーズの中では好きです。
ヒーローマンは手羽もかなり気になってるアニメ。

えーと、二人になんかいいたいことあったけど忘れた。