久しぶりに日記を書いてもらおう16

ムサビ日記OBにリアルな現況を書いてもらう「久しぶりに日記を書いてもらおう」シリーズ。
卒業後、一体彼らは何をしてるのか。

これまでの「書いてもらおう」はこちら。

■2007年
久しぶりに日記を書いてもらおう1 -小春さん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう2 -とーぼーさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう3 -珍念くん編-

■2008年
久しぶりに日記を書いてもらおう4 -とーぼーさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう5 -小春さん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう6 -ひだまりさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう7 -珍念くん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう8 -tankさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう9 -una-pinaさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう10 -MoMongaさん編-


■2009年
久しぶりに日記を書いてもらおう11 -とーぼーさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう12 -日当り良好くん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう13 -ひだまりさん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう14 -小春さん編-
久しぶりに日記を書いてもらおう15 -凡々さんです編-


お待たせしました。
珍念くんの登場です。

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珍念です。
去年に引き続き、このような機会をありがとうございます。


知らない方がほとんどだと思うので、まずは簡単に自己紹介。


工デID専攻卒、某電機メーカーのインハウスデザイナー、26歳です!
この春4年目ですが、人の回転のあまりない部署なので、いまだに一番下っ端です。
僕はあと何回、花見の場所取りをしたらいいんでしょうか…。


昨年同様、何を書いたらいいか迷いましたが、
やっぱり昨年同様、「リアルな僕の日常を」書いてみようかなと思います。
筆をとるのは実に1年ぶりで、見苦しい文章になってしまいますがお付き合い下さい。



…はい!ここまで去年のコピペです。

気がつけば
社会人になって4年が過ぎてしまいました。
今月で27歳。もうすっかりおじさんです。(手羽さんよりは圧倒的にヤングだけどね!)


さて、僕の近況ですが、
会社を辞めることもなく、相も変わらずサラリーマンデザイナーをやっております。
その会社のほうはというと、
おきまりの「100年に1度の世界的な不況の影響」を受け、大変厳しい状況にあります。


今季から


残業禁止令(よほどの緊急事態じゃないと残業させてもらえない)
出張禁止令(テレビ会議とかになる)
・年12日の「無給休暇(実質賃金カット)」


などが発動し、とにかく「お金を使うんじゃないよお前ら」的なムードが漂っています。


支出を一生懸命減らしたって収入が増えなければ意味がないので、
これらの闇雲な「倹約令」は、何も考えていないとりあえずの策感があってイヤなのですが、
会社の中には無駄な残業をいつまでもだらだらとしたり、
成果の上がらない出張をする輩が確かにいるのも悲しい事実なので、
しょうがないのかなとも思います。


商品開発に関しても二言目にはコストダウンで、
コストを減らして品質は上げろ、というないものねだり的な無理難題に、
開発陣は日々、頭を悩ませています。


デザインについてもそれは同じで、限られた部材と製法の中で、
あるいはまったく新しい、それでいて金のかからないアプローチでの表現を求めて、
悪戦苦闘する毎日です。
学生のうちにコスト的な視点・マーケティング的な視点をもっと持っておけばよかったなあと、
今になって思います。
何でもかんでも二言目に「コストが」といわれるのは
デザイナーとしてはもう嫌になってしまいそうですが、
それでもやらなきゃ前には進めません。


そこで最近思うようになったのが、


「“工夫”にコストはかからない」


ということです。


たとえば4色の版を使って印刷部品を作ろうとしたときに、
版数さえ変えなければいくら凝った柄にしたって部品代は変わらなかったり。
(工場で印刷できないレベルの細かさとかになると話は別ですが)
表示に使っていた4色のうち3色を色調やツヤの微妙に異なる銀にして高級感を出し、
残り一色だけで従来と同様のわかりやすさを維持できるようなデザインを考えるとか。


「高級な部品」はお金がないとできませんが、
「高級感のある表現」は、創り手の努力しだいでコストアップゼロで実現できます。


厳密には、努力する自分のお給料が会社から出ているわけで、
限られた時間の中での努力、になってしまいますが。


クサいですが、「工夫」は、「知恵と情熱と愛情」に言い換えることができると思います。


ネジ一本増えただけでNGが出るのが、いま僕が見ている工業デザインの世界です。
それでも、
重ねた工夫、
かけた想い、
デザイナーの愛情は、
かければかけただけ、
誰にも文句をいわれない、「お金のかからない価値」になっていくんです。


まさにプライスレス。


そんな魂のこもったプロダクトを、これからも作っていきたいなあと思う、
今日この頃です。


ということで、
魂削って楽しく仕事してます!魂ィ!!!


地デジカの着ぐるみの中にはツヨシが入っていると信じている珍念


追伸。


仕事のことばかりになってしまったんで私生活の事も書いておきます。


給料カットに残業禁止で、生活コストの方も大変厳しくなっています。
寮(光熱費ゼロ)から社宅に移り、ついに観念して車を買い、おまけに近々派手な出費があります。
家計がヤバいです。


私生活の方も「知恵と情熱と愛情」でデザインして、不況を言い訳にしない人間になっていきたいです。


そんな中、
最近の愛読書は、「優雅な暮らしにおカネは要らない―貴族式シンプルライフのすすめ」だったりします 。

4797671416優雅な暮らしにおカネは要らない―貴族式シンプルライフのすすめ
畔上 司
集英社インターナショナル 2006-03

by G-Tools

ドイツの没落貴族(!)の著者が、
貴族の優雅さは財産に依るものではないことを身をもって教えてくれるナイスな本です。オススメ。


それでは失礼します。


心は貴族。珍念
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不況の風をモロに受けてる企業に勤める珍念くん。
来年はめでたい報告があるといいけど。

・・・・・・


さて、明日は「書いてもらおう」シリーズを一時中断。
土日に残りのOB日記を書きます。

明日は大発表があるよ!

投稿者:ichiro : 2009年05月06日 02:57

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コメント: 久しぶりに日記を書いてもらおう16

珍念君もたいへんじゃなあ。わしのところもボーナスと給与カットがあって大変じゃよ(一般社員はボーナスのみ)。わしも通う居酒屋のグレードを下げたよ。

日本の電機メーカーの競争力は右肩下がりじゃから、これからも大変な時期が続くよ。これからも工夫、工夫じゃよ。

残業がないことはいいことと思うよ。その時間を気分転換にあてたり、自分なりの勉強をすればいいんじゃよ。

派手な出費はしようがないな。一生に一度か二度くらいのことじゃから。これ、三度も四度もやると周りから顰蹙を買うよ。わはははは。

投稿者 音量子 : 2009年05月06日 08:51