カテゴリー:お薦め

至宝!

きゅーはくへ行ってきました。
きゅーはくとは

きしゃく.jpg
 
というような、きゅっきゅさんオススメのおちゃめなアイテムが取り揃えてある九州国立博物館というところです。

今回はボストン美術館蔵の「日本美術の至宝」展があったのですね。
所蔵品の中でも傑出と言われる絵巻物2点、
「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻」全巻大公開
襖8面に現われいでたる大迫力の曽我蕭白「雲竜図」
など見どころが多かったのですが、とりわけ第1章の仏画群が印象的。
法華堂根本曼荼羅図などはなんと奈良時代の作品なのでした。
およそ1300年前か。なんか胸がいっぱいになる感じだ。

ひとめぼれは「一字金輪像」
仏頂尊の中でも最も優れた力を持つという一字金輪仏頂を描いたものと
いうことだが、白い蓮華座に火炎を背負って静かにたたずむ姿は
神秘的で美しい。色調もモダンな感じ。これが鎌倉時代作か。

吉備真備大臣の冒険譚は結構ユーモラスで
描かれる人々の顔も楽しい。阿倍仲麻呂が幽鬼になりながらも
真備を助けて難題をクリアしていく様子は(なんとスカトロもあり)
思わず微笑んじゃう感じ。

平治物語の方は画力に圧倒されます。
写真のなかった時代、こういうふうに衝撃的出来事を活写しておく、
というのは今更ながらすごいことだと思いました。

で、
やっぱり
等伯の龍虎図と蕭白の雲竜図よねえ。
観られて幸せです。何も言うことありません!!


等伯のはまちがいなく「タイガー&ドラゴン」なのですが
蕭白の襖の龍は
クレイジーケンバンドのあの名曲
「オレの話を聴け」(2分だけでもいい)のセリフが似合うと思ったりしてしまったのですね。

世界一女が輝く町、で。

観てからすぐにエントリーしようと思ったのに遅くなってしまった。

12月20日にNHKBSプレミアムで観たいな、と思っていた
旅のチカラがやはり面白かったので記しておきます。
旅のチカラ「世界一“女”が輝く町へ〜松井冬子 メキシコ・フチタン

女性の痛みをテーマに描き続ける日本画家の松井冬子が
世界一女が輝く、と言われるメキシコ フチタンを訪ねて
新しいテーマを模索する、というもの。
フチタンは少数民族サポテカ族の街で、女性が経済を支え、一年中どこかで
お祭りがおこなわれてるというエネルギッシュで華やかな街。
そしてムシェやマリマチャという第三の性を選んで生きることも可能な街。
ムシェは男性として生まれてくるのだけど、芸術的センスに恵まれ
女性の職業とされる美容師や刺繍職人を女性の恰好をしてうまくこなせば
女性として認められるという社会なのだそう。
「男の子は普通に育っていったら、何人かはムシェになっていく。
それは神様の思し召しなんだから、無理矢理にねじ曲げることなく、そのまま生きていったらいい」
というのがフチタン流。

センス抜群、美容師としての腕も確かで皆の尊敬を集めるムシェのフェリーナ
に松井さんが出会い、そして彼女(彼)をモデルに肖像画を描くのです。
「誇り高いムシェ」として。

ええと何で6日も前の番組を書かねばと思ったのかというと
27日に再放送があるからなのですね。
興味のある方はどうぞ。
ナレーターはリリー・フランキーさんです。
(西原さんがアフリカで自分用の棺桶を作るのもおもしろかったけどね)

民族衣装に身を包んだフェリーナの誇り高い姿ももちろん魅力的だけど
松井冬子はやはり息をのむほど美しいのですよね。

ムラカミワールド

もう過ぎたことですが
ノーベル文学賞、村上春樹さん受賞ならずでしたね。
ここのこにとって村上春樹というと小説よりエッセイの方がなじみがよく、
特に「村上朝日堂」シリーズが好きなのですわよ。
日刊アルバイトニュースという雑誌のコラムに連載されてたのだけど
文庫で発行されてから何度でも読み返してしまうというか、たまに読みたくなる本なのです。
ヤクルト(野球チームの)とマラソンと猫と食べもののことなどが
さらっとしかしこだわりを持って書かれており、ああこの人は自分とは違う感性を持っているが
(このあたり当時10代だったのに不遜。若気の至り)おもしろいなあと思ったしだい。

安西水丸さんが挿絵を描いていてそれも力が抜けてていい味が。
印象に残ってるのは
ロンメル将軍が列車の食堂車でウィンナーシュニッツェルを食べてる図というのをさらっと描いてたくだり。
大村益次郎が冷奴を食べてるのもあったな。
食べものがおいしそうに描写されてるのが印象に残ってるのかやはり食い気が勝ってる。
コロッケ好きというだけあって「うさぎ屋」という定食屋さんのコロッケ定食の描写は白眉です。
ここを読むとエシャロットを刻んだソースで揚げたてのコロッケと
ぴちぴちとしたスパゲッティのサラダと
香ばしい麦ごはんが食べたくなります。

それと
村上さんがお店をやってる当時、(今はあの有名なアートディレクターの)山口昌弘さんがバイトに来ていて「あんまり使えないやつ。成績もよくないらしい」などと評価されているのだけど
後日、あふれる才能が開花して仕事で成功!に接し「武蔵野美術大の成績評価はアテにならない」
などと書かれていてそれもちょっと記憶に残ってました。

文庫でさらさら読めるのでよかったらどうぞ。クスッと笑えてちょっと不思議なワールドが味わえます。

平凡ですみませんがおススメはこれ

手羽さんからお題が2つ出てるのだった。

1.これを使わないともったいない!
  図書館(誰もが答えるであろう)
  図書館には新旧ともずいぶんお世話になってるみたいです。
  あのデザイナーズチェアーはいいなあ。
  外観でも桜の花の影を映す今の季節は特にいいですね。
  学食もお世話になってるみたいです。
  あの乏しい生活費できちんと昼食がとれるのも学食のおかげでしょう。
  鷹の台ホールの方のUDONも関西出身者の方が
  驚くような漆黒のお出しじゃないしね
 (うどん文化が一応広まった今は黒い出しなど都内にはないのかも)

  通学に玉川上水の歩道
  木の根が結構でこぼこしててカート使用にはきびしいけれど
  土の感触を感じながら季節の移ろいを肌で感じられる
  通学路がある学校なんてあんまりないと思います。 
  Pはタヌキに出会って少し感動したそうです。

2.バイト
  バイトというほどじゃないですがPは高校時代に通ってたアトリエに
  お手伝いに行ってたようです。
  椅子に座ってモデル役とか。
  あとはこちらへ帰ってきた時限定。農作物の出荷作業。
  摘み取り、パック・袋詰めなどですね。
  食べるものがどうやってできてるのか、どうやって流通させるのか
  垣間見とくのも経験かも〜

  
  
  

  
  

人類の旅

「僕らのカヌーができるまで」http://bokuranocanoe.org/?cat=6
でお知らせ見てたのですが
3月28日(あっもう今日ですね)チェックです。
『新グレートジャーニー 最終章 人類、日本列島へ』  完全版 
 3月28日 18:00〜20:00
  BSフジ(全国) にて放映

録画予約しました。
「どこから来たの?」と訊かれたら
「ご先祖はアフリカからとやってきたと聞いています」と
答えることにしています(笑)

遅らばせながらご卒業の方がた、おめでとうございます。

Pとここのこは
ある作品展に出展する作品を制作中です。
追い込みちゅう

「星座と島影を頼りに」の旅

カヤックをする友人たちが海辺で毎年開催するアースデイに
「関野吉晴先生をお呼びしたい!」と
アツいコールをしましたが「4月は学校があるからごめんなさい」
となりました。

残念ですがまたの機会を。

みんな2月12日のTV放映を楽しみにしています。
海のグレートジャーニー!
「新グレートジャーニー最終章 人類、日本列島へ 海上ルート4700キロ」
http://www.sekino.info/info_2012.html

録画して保存版にしようっと。

道端に咲く赤い花という名の少女の話

「ミラル」という映画を観ました。
道端に咲く赤い花のことできっと誰もがみたことがある、というキャプション
で始まります。
パレスチナ生まれのジャーナリスト、ルーラ・ジブリールの自伝的物語。
1948年イスラエルがパレスチナに侵攻し、エルサレムには戦災孤児が溢れるようになり、ヒンドゥ・ホセイニは私財を投げ打って孤児院を建てる。ヒンドゥは愛と教育こそ暴力に打ち勝つものという思想のもと、子どもたちに接するのだけど多感な少女期のミラルはイスラエルから受ける不条理な暴力に耐えられず、自らの意志で行動していくが、というストーリー。

紛争が背景ですが悲惨なシーンも最小限、シュナーベル監督らしい詩情がある画面が堪能できます。
ラストはミラルがヒンドゥの思いを受け継ぎ、暴力ではなく言論の力で社会を変えるべく
ジャーナリストをめざし、イタリアへと留学するというもの。
紛争の中でミラルが受ける心の傷は17歳では耐えきれないものもあったろうけれど
恩師ヒンドゥや家族から注がれる愛や慈しみが彼女を支えたのですね。

従兄(パレスチナ人)のガールフレンドのリサはイスラエル人で
最初は反発していたのだけど次第に打ち解けて家へ遊びに行ったりする。
でもリサの父親はミラルがパレスチナ人だということで露骨にイヤな顔をする。
「パレスチナ人はみなテロリストだと思ってるのよ」とリサは言う。

昨年、アフガニスタンの元国会議員マラライ・ジョヤが来日して講演を聴くことができたのだけど
「教育は大切。自分を尊重できるように。他人にも自分にも人権はあるのだと自覚できるように」
と強く言われていました。
アフガンは紛争の影響もあって原理主義者による女性への弾圧が強い
パレスチナは性差別はあまりないように見受けられたけれど
とにかくイスラエルからの迫害がひどい。
監督はユダヤ系の人だけどその辺はきちんと描かれていました。

省いたけれどミラルのお母さんと、伯母さん(お父さんの姉)の人生は
また壮絶です。映画としては面白いので機会があればぜひどうぞ。
ミラルを演じたのは「スラムドッグ$ミリオネア」に出てた
フリーダ・ピントです。

イランが核開発をしている(根拠がまた怪しそう)とEUやアメリカによる制裁措置が
取られてしまった。
ホルムズ海峡に米英仏軍が集結したりと緊張が高まっています。

戦争にならないよう祈っています。
EUやアメリカは宗教上の理由もあってアラブやペルシャ
に偏見が強いけれど日本はそうではない。
ダルビッシュ選手のおとうさんもイランの元サッカー選手です。

○○人だから〜!というレイシズムは禁物。

幸せってなんだっけ?

Twitterで「僕らのカヌーができるまで」をフォローしてるんですが
お知らせがありました。

関野吉晴さんへのインタビュー TOKYO人権 第52号(平成23年11月25日発行)
人は人とつながってこそ生きられる
 グレートジャーニーに見る「幸せ」のありかた
http://www.tokyo-jinken.or.jp/jyoho/52/jyoho52_interview.htm

(最近リンクうまくいかない)

全文いいので読んでいただきたいのですが

「ぼくは、生きるということは、人とつながることだと思うんです」

そうだよねえ。
ここのこはひとりでいるのも好きだけど
それは家族や友人と信頼できるつながりがあるからなんだよねえ。

本当に孤独ならお金があっても幸せとは感じないだろう。
湯浅誠氏がいうのには貧乏と貧困が違うのは
貧困は人とのつながりも絶たれた状態だから問題なんだそうです。
困った時に助け合える友人がいることが財産だし、
そういう社会が当たり前なのが幸せなんだろうと。

「人は2度死ぬといいます。1度目は肉体が死んだとき。2度目は人の記憶から消えてしまったとき。
そう考えると、人とつながりを持ちながら生きないと、生きていることにはならないのかなって思うんですよ」

パーマネント野ばら(映画だとともちゃん)でもあったセリフだ。

グレートジャーニーは大好きなシリーズ。

別に答える義務はないのに
「どちらからこられましたか?」などと訊かれたら
「先祖はアフリカから来たときいています」と答えることにしています。

2012年に「海のグレートジャーニー」の放映があるそうです。
(7月から9月までムサビ図書館でも展示があったのよね)
楽しみ。

今回のインタビューの最後のところも共感しました。
「迷惑をかけあえるつながりが本当のつながりだと思うし、本当の友達や家族なんだと思いますよ。」

そうだよねえ。

未来は変えられるか?

Dが映画「蜂蜜」が観たいと言っていたのですが
上映している映画館が少なくて、しかも上映回数も少なくなっていて
観に行けず。

急遽ここのこは「未来を生きる君たちへ」にしようではないか?
と提案し、観ることにしました。

スザンネ・ビア監督の作品。本来のタイトルは「復讐」だそうです。
舞台はデンマークとケニア。
ケニアの難民キャンプで医師として活動する父を持つ少年エリアスは
スウェーデン出身で学校でいじめを受けています。
そこへ母をガンで亡くした少年クリスチャンがロンドンから転校してきて
孤独な二人は親しくなっていくという設定。

理不尽な暴力を受けても報復はしない。それは解決にはならないから。
暴力でその場の感情を紛らわせるのはとても愚かなことだと
身を持って子どもたちに教えるエリアスのおとうさんの教育がすごい。

「男ならやられたらやり返せ」ではない。

それは医師として働くアフリカ、ケニアの難民キャンプでのあまりにも悲惨な暴力の実態を
知っているから。

残念ながらおとなへの不信感を抱いてしまっている(社会への憎悪を感じてる)
クリスチャンにはその時はこのことが理解できず非常に無謀な行動に走るのですが
尊敬する父を持つエリアスはその一歩手前で踏みとどめようと勇気ある行動を
起こします。


紛争地で妊婦のお腹を裂いて子どもの性別を賭けの対象にするという
残虐な行為は事実として伝えられている話。
こんな暴力の前で非暴力は本当に力となりえるのか?

重い問いかけです。

でも監督は世界を変えるのも実は自分を変えていくことだ。
愛する人とのつながりを築いていくこと、というメッセージも送ってくれます。
実際デンマークの少年2人は家族にも恵まれていて
この先はきっとやっていけるのではと期待ができます。

一方ケニア、キャンプの絶望的にも見える状況下でも笑って走る無邪気な子どもたち
いつまでも笑顔でいられるようにと思わず祈ってしまう映画ではありました。

機会があればぜひ観てください。
偶然ですが加藤登紀子さんが同じ日に観てたみたいでツイートしてました。


そいつを見抜かねば

ここのこが高校生だった頃、ちょっと背伸びしたくて読んでた雑誌は広告批評だった。

当時はコピーライターという職業が脚光を浴びてた時代だ。
それより前の時代だと作家の宮本輝が広告会社に入った時にコピーライターになったと
苦労を掛けたお母さんに話したら「コピーをとる仕事でもおろそかにしないように」
と戒められたとエッセイで言っていたほどあんまり認知されてなかったみたいだが
斬新な言葉つかいとか鮮やかな印象の絵つくりとかが
何より人の心をとらえるものとしてもてはやされていた。
でも用心しなくちゃいけないこともあったのだ。


で広告批評と言えば元編集長の天野祐吉さん。
ただ「売る」だけではない批判的な眼を持つこととか、隠された意図を見抜く嗅覚とかにも
若年だったここのこや仲の良い友人たちは何か惹かれた。

天野祐吉のあんころじい というブログがある。
http://amano.blog.so-net.ne.jp/2011-07-08

最新記事は〜政府広報ってなんだ「ことばの元気学」
1987年には政府広報の危うさを高木仁三郎氏の指摘を交えて検証していた。

政府広報にも敢然と挑む。
こういう目線がとても新鮮だった。
クリエイターってこういうものかと。


クリエイターズ・トークのHPもできたそうです。
http://www.creators-talk.jp/index.html

トップクリエイターはどんな考え方で、どんなふうに、広告を作っているのか。

ご関心のある方はどうぞ。

ヒツジ脱却

今はUst中継あるから便利ね。

今夜のお楽しみはこれだ

「NO NUKES SHELTER LIVE 」〜SHELTER 20th Anniversary〜

【出演】田中優(未来バンク事業組合理事長) /
飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
【アンプラグドLIVE】FUNKIST

OPEN 18:30 / START 19:00

UST中継のURLはこちら。
http://www.ustream.tv/channel/shelterch

コラム「環境はエンタメだ!」
第19回「ヒツジからの独立宣言」
http://rooftop.cc/column/tanakayu/003420.php

独占企業が莫大な広告費を使って正確な情報を伝えなくさせるって
とっても大きな問題よね。
ほんとのことを知らない、いつまでも従順なだけのヒツジじゃ泣くだけ。
ツケはいつも消費者という仕組みも変えなきゃ。

リンクがうまくいかないので興味がおありな方、どうぞ上記を観てね。

北のほうと南のほうで

Pに電話してほしいものは?と訊いたら
「お米」と返ってきた。

サバイバルな日々?

映画を観ました。
「海炭市叙景」と「奇跡」

「海炭市叙景」は北海道、
「奇跡」は九州が舞台

まったく違うテイストの映画でしたが両方とも観たかったのね。
役者さんたちはどっちもいい。

「海炭市叙景」は大切なものを失ないつつも
人は生きていくのだと声高じゃないけど語られる映画

ラスト近くの路面電車のシーンと音楽が忘れ難い。

仄かな希望を感じさせてくれるラストシーン
大切なもののあたたかさと重み、
立ち退きを迫られた一人暮らしのおばあさんが
家族のように愛おしんでる猫を撫でるシーンのロングのアップで終ります。

愛しいものの確かな手触りを大切にしよう、と思いました。


でも本当に重そうだった。猫のぐれ。
もっちーも結構重いが。

「奇跡」は両親の離婚で福岡と鹿児島で離ればなれに暮す兄弟が
新幹線のすれ違う場面に願い事をすればかなうという伝説?
に導かれ仲間と旅をする話。

是枝監督はやっぱり子どもを撮るのがうまい。
こちらはそんなにやりきれないシーンはないけど
やはりどうしようもない現実とそれを乗り越える人たちの姿が描かれてます。

新幹線がすれ違う時に生まれる不思議なエネルギーに夢を託す少年と少女たち

件の兄弟たちが願った願い事は・・・。


兄弟のおとうさんがオダギリジョーで
別れたおかあさん方のおばあさんが
樹木きりんなの。ほほほ。

別れた両親とい兄弟4人そろって暮すことを夢見て桜島が噴火したらいいと思ってるお兄ちゃんが
普賢岳が噴火した時の惨状を駅員さんから聞く場面も今聞くと印象に残る。

おとなよしっかりしなさい、ってエール贈られた気分です。

それにしても九州新幹線開通記念企画っていうのに新幹線はほぼ出てこない
やったね。
是枝監督はやはりタダモノじゃないね。

映画と、つらつら思うことなど

「Pに電話掛けて」とD
自分で掛ければいいのにアルコールがちょっと入ると
ムショウに人に電話で話したがるところがある。
(その傍らでもっちーのハラなどをもふもふさせることもお約束)

今回の電話の切り出しは
「朱色の朱に花と書いてなんて読むか知ってる?」でした。

河瀬直美監督の新作「朱花の月」を知って「はねづ」と読むのを初めて知ったDがPに教えたかったようです。
心惹かれるタイトルなのでできれば観たいです。機会あるかな?
河瀬監督の作品では「玄牝」を見逃してしまったのが最近の痛恨。


最近観て面白かった映画は「まほろ駅前多田便利軒」
原作もよかったけど配役がぴたりとはまっていてgood
ある世代以上には懐かしいセリフ(多田役は瑛太)の場面があって
「なにそれ、全然似てない」と行天役の松田龍平が言うところがミソ。

全編とてもいいセリフが散りばめられて生きていくのもいいな、と思わせてくれる作品です。


もうひとつは「白いリボン」
こちらは2009年のカンヌでパルムドールを獲ったハネケ監督の作品。
後味のいい作品ではありません。
表向きは倫理や秩序、道徳などを説きながら実は利己的で欲にまみれている
尊大な人間の醜さを見せつける。
そして抑圧された弱い立場の者がより弱い存在へ暴力の吐け口を求めていく
というような内容。
これはドイツが舞台でナチス台頭前夜という時代設定。

私たち人間の抱える闇の部分、今の社会でも通じる普遍的な問いかけをえぐられるようにしてくる映画です。


Dが電話したのはもうひとつ理由

東電の福島第一原子力発電所からは
今も絶えず放射性物質は漏れてきている。
これも暴力だよね。人間の欲や無関心の生んだ。
でも弱い、より若い世代に一番影響があるだろうことが残酷。

風向きや雨に気をつけて自分で身を守れと酔いながらも私たち両親は心配しています。

ジブリアニメで育ったRは「日本にも‘腐海の森‘ができてしまったんだね」とポツリと言いました。

東京で3,4時間。

東京で3,4時間有意義に過ごせるスポットか。
考えてるうちにみなさん続々UPしていますね。
移動時間を含まない、人混みOKなら手羽さんもお勧め、六本木エリアが今一番いいかも。
美術館も多いし。ひと休みするカフェにも事欠かない。

夜までいると資金もいるだろうけどデイタイムならそこそこでいいかな?
でも本当にここ10年くらいで変わったよねえ、ロッポンギ。
ここのこが学生の頃はとんと縁がない感じだった。


複数の推薦があった三鷹の森ジブリ美術館、井の頭公園、吉祥寺界隈散策もいいですね。
余談だけど入学式の頃いらっしゃる方は神代植物公園(調布)や石神井公園(練馬)でお花見ツアーも
いいかも。入学式って気分も桜色だし。

植物がお好きで実益も兼ねたい!ならレアな所で
東京都薬用植物園

春の山菜シーズンに向けて山菜と見分けたい有毒植物の学習などいかがでしょう?

アクセスは
1.西武拝島線東大和市駅下車徒歩2分

2.JR立川駅北口から西武バス南街方面行で
    (6-8番 乗場)都立薬用植物園前下車

住所は小平市中島町21−1
3月は午後4時まで、入場は無料です。

結構以前「栽培したら御法度!」の芥子の花を見に行ったことがあります。

Pは1年生の時に植物写生で行ったようですが、描いた絵を「シュールだね」と
お言葉いただいたそうで。薬草園行ってアレを描くとは。

来週、観光時間はとれんな多分。というタイトスケジュールで東京出張の予定のここのこでした。

歌うこと 許すということ

卒業制作作品展みなさんがレポートしてくれるのでうれしかったです。
行けなかったけれどいろいろと観ることができました。
ありがとうございます。

年若い友人が「今までに観た映画で一番です。超お薦めです!」というドキュメンタリー作品の上映を
企画してくれたので観に行ってきました。

「カンタ!ティモール」

偶然出会った青年が教えてくれた歌に導かれるように始まった旅の記録が珠玉の作品になったという感じです。
東ティモールが独立するまでを描いたドキュメンタリーです。
とても壮絶な状況をくぐりぬけてティモールの人たちは独立を勝ち取るのだけど
日本は油田などの権益を手放したくないから人権侵害を見て見ぬふりをして
独立にずっと反対をしてたんですね。

撮影された監督と音楽担当の方のトークもうかがいました。広田奈津子さんというとってもチャーミングな女性が監督で小向定さんが音楽担当の方。上映後に披露してくれた定さんの歌もよかった☆

重い事実も突き付けられますが全編を通して印象的なのは
楽しい音楽と美しい色彩とはじけるような子どもたちの笑顔。

表現によって伝えるということがこんなにもできるんだ、と再認識しました。


機会があったらぜひどうぞ。

だけど本当に観たい作品はアンテナを張ってないと見逃しちゃうな。

おおお!

お正月は景色のよい場所でお茶をいただくのと気になってた本をここぞとばかりに読むのを
定番としているここのこ。

折りからの雪の影響で景色のよい場所でのほっこりお茶タイムは実現しなかったですが
気になってた本は読みました。

で、ご紹介です。

しろくまカフェ (フラワーコミックススペシャル)
しろくまカフェ (フラワーコミックススペシャル)ヒガ アロハ

小学館 2008-03-26
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ケモノ好き&まったり愛好一家にはうってつけのシリーズでした。
Dなんかこれ読んだあと「しろくまに会いにゆくぞ」と動物園へ行ったくらい。
PとRもペンギンの種類を再学習してたし。

もうひとつ

猫絵十兵衛御伽草紙 1巻 (1) (ねこぱんちコミックス)
猫絵十兵衛御伽草紙 1巻 (1) (ねこぱんちコミックス)永尾 まる

少年画報社 2008-12-15
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こちらは偶然見つけました。レンタルショップで。

歌川国芳贔屓の我家でヒット。
正直言うと一話目でちょっと泣いてしまいました。


猫絵師か、江戸時代ならそういう道もよかったねえ。
猫又(まだ実力はないが尾も長いので可能性はあるぞ)候補はこやつじゃ。

二人は仲良し Dと猫 1.jpg

にゃほほほ。

木で暮らす  −木で稼ぎ、木で生きる−

以前エントリーしたテーマ「おおきなお買いもの」をほおったままにしてて心苦しい(そのわりには遊んでたかも・・)思いをしていましたが、このプログラムに参加すると多分「おお!そうか!」と目からウロコ、ここのこが「これが伝えられたらなあ」というお話が展開されると思います。
友人から「関心のある学生さん(じゃなくてもいいそうです)に伝えて」ということなのでご案内です。
「生きるをつくる」ってこういうこともあるんじゃないかな。

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◆ JST研究開発プログラム
「快適な天然素材住宅の生活と脱温暖化を『森と街』の
  直接連携で実現する」
− 12月12日 ラウンドテーブル企画のご案内 −


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  木で暮らす  −木で稼ぎ、木で生きる−


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 私たちは4カ年の社会実践プロジェクトにおいて、森林
から家づくりまでの一気通貫を通じた、現在の社会課題 
−CO2削減、森林と林業の再生、長期活用可能な木造住宅− 
の解決を図ることを目的に、実践的研究を行っています。


 今回のラウンドテーブル型フォーラムでは、その入口で
ある「森林の視点」から課題解決の具体的な方向性を見て
いきます。
 そして、これからの日本社会で山側と都市側がともに
「木で暮らす」ためには何が必要なのかということを、
ご来場の皆様を含む様々なステークホルダーと共に考え、
提案していきます。


 日本社会を根本から立て直さなければと考えておられる、
専門家、事業者、NPO/NGO、市民など、幅広いご立場の皆様
の参加をお待ちしております。


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●日時: 12月12日(日)12:30〜17:30
●場所: 早稲田大学 西早稲田キャンパス 57−201教室
http://www.sci.waseda.ac.jp/campus/index.html


●主催: 埼玉大学 名古屋大学 早稲田大学 
天然住宅 NPOまちぽっと
●申込: NPOまちぽっと  morimachi1@gmail.com
定員300名、無料(事前申し込み制)


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●プログラム
○第1部 「木で暮らす」ために、森でできること
     : 田中 優(未来バンク事業組合理事長)
○第2部 「山の自力更生:栗駒山の試み」
*テーマ1 生産性向上で問題を解決する
1)林業の自立に向けて
: 大西裕二(宮城県林業技術総合センター)
2)林業の自立に向けて          
: 平野直樹(東北職業能力開発大学校)
3)自立を支援する金融 
:田中 優(前出)


*テーマ2 高付加価値化で問題を解決する
1)木材の高付加価値化と事業      
:相根昭典(一般社団 天然住宅)
2)乾燥等における木材の化学的な変化
:福島和彦(名古屋大学大学院教授)
3)オーガニック住宅の認証        
:小川直也(アミタ(株)環境認証研究所研究員)
○第3部 総合討論 
「木で暮らす −新たな可能性を切り開く−」


登壇: 外岡豊 (埼玉大学経済学部教授)
    山崎真理子(名古屋大学大学院准教授)
    中島裕輔 (工学院大学工学部准教授)
    高口洋人 (早稲田大学理工学術院准教授)
    田中優 (前出)
相根昭典 (前出)
堀尾正靱 (地域に根ざした脱温暖化・環境共生
社会研究開発プログラム領域総括)
    岡田久典 (NPO法人バイオマス産業社会ネット
ワーク副理事長)
    山形与志樹(国立環境研究所地球環境研究センター
主席研究員)


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●申込先: NPOまちぽっと,定員300名,無料(先着順)
 メール: morimachi1@gmail.com
 FAX  : 03-3200-9250 (NPOまちぽっと)


●お申込みの際は、以下の項目をご連絡ください。
 ◆お名前
 ◆ご所属
 ◆アドレス
 ◆お電話番号


●問合せ: NPOまちぽっと(担当;奥田) 
      tel. 03-5941-7948------------------------------------------------------

こころに響くもの

博多に行ったら「夜はやっぱり中州で屋台のラーメンでしょう!D談」(貧乏だなあ)より
一年のうち9日間しか公開しない「貴重な九年庵の紅葉」(多かったな、人出)より
こころを奪われたもののことを書きます。

深くてあたたかい、こころに沁み渡るような音楽を知りました。
それはトビウオリアキさんのヴィオラ。
鎌倉(近くへお引っ越しの際中だとうかがいましたが)の森にお住まいのアーティストの方です。

竹炭をつくっている友人(これまたあたたかい仙人のような人)から「とってもいいよ。ぜひ聴きに来て」
と勧められてライヴに行きました。

うん、いい!

森の空気を深呼吸するような、海のふかいところに抱かれるような
そんなやさしくてあたたかい音色と調べに魅了されました。

トビウオリアキさんのCDにあったメッセージがすばらしいので引用します。
ここのこが言葉を費やすより多分このメッセの方がうんといいので。
(ブログで紹介させて下さいとお願いしてあります)

「地球上は常にさまざまな音に溢れ、それぞれの音は空気をふるわし、互いに影響し合い、
そうして全ての生きものと、物たちは1つに繋がっているのだと感じます」

「小川のせせらぎ、動物たちの鳴き声、虫の音、私たちの笑い声や、愛の言葉も、どこか遠くの、と感じる
銃声や誰かの呻き、ため息も、それらはみな、1つの空気の中に混ざり合い、1人1人の肌と呼吸と
いつもぴったりと触れ合っています。
そして音にはならない体の動き、行動の1つ1つも空気を揺らし、そんなふうにして1つに繋がる、1つの空間の中でみんな生きている。
私達の出す音は地球に比べれば小さな小さなものですが
やすらかで優しく心づよい響きで地球が包まれるようにと願い、
音を放つ人たちといっしょに演奏しました。」


同じ空間で「生きていること」を共有できたことに感謝!でした。

一見華奢でとても繊細な方のようにお見受けしましたが
ネパールでアンナプルナをトレッキングしてきたこともあるというタフさもお持ちの方でした。

機会があればぜひライヴを聴いてみて下さい。

CDはこちら
おすすめです。

どうでもいいことですが
博多の中州あたりのネオンって昭和の香りがしますね。
「焼酎」と「明太子」のオンパレード。

それも懐かしい感じです。

休日その2

芸祭に行ったついでに観たかった映画「ANPO」を観ました。
渋谷アップリンクで。
戦後日本を代表してきた現代アーティスト30余名へのインタビューと彼らの絵画、写真、映画などの作品を織り交ぜつつ、アートの視点から多面的に戦後の日米関係を振り返り、今を問うドキュメンタリーであります。
監督は映画『TOKKO/特攻』のプロデューサー・ライターでもあるNY在住のリンダ・ホーグランドさん。
彼女は日本で生まれ育って日本の公立小・中学校に通ってたのね。

作品に出てくるARTの力とひとびとの力強さにこころが震えた感じ。
コメントで映画監督の阪本順治さんの言葉がいい。

「この作品のARTは次々と僕たちの心に棘を突き刺す。ぐさりと刺さったその心の棘を観終わった後も暫くは抜かないほうがいいだろう。HEARTの中にはARTが含まれるってことに、僕は恥ずかしながら、いま頃気づいた。戦後はまだ終わっていない」

おすすめです。

で、Pとは国立新美術館でやってる日展に行きました。
まだ修行中なんでとにかく何でも見てやろうという感じ。

特選になっていた「家族」というタイトルの作品。モチーフはチーターの一家。

それを観たPがぽつり。
「父と母と子という組み合わせならこんなシチュエーションは野生ではありえない」

そう。チーターは父親と母親と子どもが家庭を作って仲良く子育てするということはないのですね。

それを帰ってからRに話したら
「チーターってある程度大きくなったらきょうだいで暮すんだよ。で、一番強い女の子が狩りをして
きょうだいを養うの。男の子のきょうだいは強い女の子が出て行っちゃってしょうがなくなったら
やっと狩りをするんだよ」
と教えてくれました。

うーん
奥が深いな。さすがケモノバカの一家に育っただけのことはある。
「家族」なら狼かペンギンがいいかも。

もちろん絵の鑑賞も。
作品を観つつPに日本画の技法などを教わりながらゆっくり観たら時間が結構かかりました。

その後東京ミッドタウンでちょっと社会科見学。

design exhibition.jpg


家路につく途中でイノシシさんとタヌキさんに出会いました。
六本木から数時間でケモノ王国へ。

日本も狭いようで広い?かも。

国境・言語も飛び越えるアートの力

ここのこの友人(ミルキーさん@金沢)から教えてもらったお話。

橋本公さんの作品「1945-1988

2002年度の芸術文化学科卒業研究・制作で優秀賞を受賞されてるんですね。

ここ数日で視聴が26,000回を超えてるそうです。

================☆彡

twitterで紹介され、 RTにRTを重ね、
坂本龍一さんにRTされたのが大きかったのだと思います。
海外にも伝わったのかも・・。
(坂本龍一さんをフォローしてるひとは、9万人以上なので)

橋本公さんの言葉

「この作品では、1ヶ月を1秒に短縮してその歴史を一望する。ど
の国の人々にも伝わるように、文字はいっさい使用していない。
世界地図上の光と点滅と実験回数を示す数字だけで、いつ・どこ
で・どの国が何回、核実験を行ったかを、目と耳で知る。いま存
在する深刻な問題と、それを知らない人たちとをつなぐインター
フェース。そういうものを作ろうと考えた。」

http://bit.ly/9kQEcD 
橋本さんは外資系の投資銀行にお勤めだったそうです。一念発起
して美術の道へ。(これを読むと、この作品、ムサビの卒業制作
だったのかな)

================☆彡

ムサビ親日記書いてるから情報あったら教えてね、と言ったらこうやって教えてくれました。

で、この作品を観た彼女の当時小3の息子さんが

================☆彡
「・・・これ、夏休みの研究にする!!!!!」といいはり、
その後、どんなにむずかしい事があってもその意思は変わりませ
んでした。」そうなのです。

「小学三年生と核実験」、・・たいへんでした(^_^;) どこまで
踏み込んだらいいのか。わからない事だらけで図書館にも通いま
した。

けんかもして、いやになりながらも、
彼が自分で自分なりにまとめた結論

「どうすればかくへいき・かく実験をなくせる?」

には4つの答えがありました。

1・ピースウォークをする
2・千羽づるをおる
3・みんなで話し合う
4・みんなにつたえる

こんなにも核実験をやってる人類。
だけど、核戦争に反対し、核兵器をなくそうと話し合おうとし
てる大人もいるんだよ、といえたことは、母であるわたしにとっ
て、幸いなことでした。

素晴らしかったと”伝説の”市民シンポジウムで取り上げられた
息子の自由研究のカラーコピーは

池田香代子さんを通じて橋本さんご本人に渡り、
それはそれは喜んでくださり
「家宝にします」とまで(^_^;)言ってくださいました。

================☆彡

だそうです。

彼女は
「国境・言語も飛び越え、 8歳の子どものココロをも動かすアートの力。
twitterの可能性とともに、実感しました。 」と言ってました。

いやあ彼女もえらいけど息子さんもスゴイね。
映像作家希望だったかな?

翻訳家の池田香代子さんによると橋本公さんのDVD3作品は

世界平和アピール七人委員会を通じて、江田五月参議院議長(当時)、バラク・オバマ米大統領、鳩山由紀夫首相(当時)、そして今回、潘基文国連事務総長の手に渡ったことになります。そのひとつ、「1945−1998」は、作者のご厚意で、CTBTO(包括的核実験禁止条約機関準備委員会)のサイトに公開されています

うーんあの名作が卒業制作だったとは!

「生きるをつくる」をまさに実感!

色のなまえに恋をする

とっておきという宝物のような存在がありますね。
ここのこにとってこの本もそういう宝物のひとつです。

「色々な色」

色々な色―Colors of nature色々な色―Colors of nature
ネイチャー・プロ編集室

光琳社出版 1996-12
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おすすめ平均

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今は「色の名前」という書名になって発刊されてるみたいです。「空の名前」とかヒットしたしね
(これも「宙の名前」も持ってるんですけど)

萌黄色(もえぎいろ)とか鶸色(ひわいろ)とか榛色(はしばみいろ)とか鴇色(ときいろ)とか海松(みる)とか耳にしたことはあるけれど
どんな色か確かめたい、という使い方だけではなく
それぞれのなまえの由来や説明の文章も趣があって一読の価値ありと思います。
和名だけではなくてピーコックとかミッドナイトブルーとかいう表記についても解説があります。


自然界にある色の豊かさとそれに寄せる古今東西の人々の思いのようなもの、
いかに人々が万物(動植物、鉱物、気象などあらゆるもの)に対して敬意を払い、それが日々のくらしに密接であったのか、を感じさせてくれる一冊です。

ちょっとお高めですけど
手元において眺めるだけでも楽しい。

使いこなせるかどうかわからないけれどたくさんの色名の絵具を持ってるだけでうれしい
というようなここのこにはうれしい本なのです。

「色名を自分独自の言葉で表現したら」に挑戦されてる人もいますね。
これも想像力を刺激して楽しい。

ちなみに今日の空の色は

「カリブ海で飲んだラムネの思い出」
とでも名付けよう。
(カリブ海行ったことないけどいいや気分だから)

これはせつない

漫画が原作の実写版映画化について以前つぶやきましたが
ここのこがキャスティングで申し分なし!というのもあります。

「パーマネント野ばら」
西原さんの作品の映画化です。
なおこの菅野美穂、みっちゃんの小池栄子、ともちゃんの池脇千鶴はもちろん
野ばらさんの夏木マリ、ニューおとうちゃんの宇崎竜堂、パンチガールズ3人組みんなすごいです。

原作とちょっと違う設定の脚本もすばらしいです。
原作は読んでいたのですが
沢木耕太郎が「映画における魔術的な一瞬」と評したシーン以降、
世界全てが変わるように仕掛けられた脚本にやられました。

100分の映画作品にするにはなおこの秘密をああいう風にするのも
ありだと思います。

疲れた感じのおっちゃん彼氏も味わいあったかもしれないけれど
映像的に江口洋介の佇まいは「あーこれは忘れられないのムリないよな」と
思わせる説得力がありましたから。

本田博太郎演じるみっちゃんのおとうさんが
家族が一番幸福だった時の頃から時が止まってしまった設定で
電柱を電動のこぎりで切ってしまうシーン。
良識のある人は「犯罪じゃないか」と怒ってたりするけど
南米の幻想的な小説のシーンのようで暗闇の中、火花の散るシーンは
夢のように美しかったです。


まだ公開中なところはあるのかな?

あんまりネタばれしてはいけないので
よかったら観て下さい。

みっちゃんの言う「どんな恋でもないよりマシ」
ともちゃんの言う「人は2度死ぬ。一度めは命がなくなった時、そして人から永遠に忘れ去られるとき」

ていう言葉がとても深い意味を持っているように感じました。

せつない、心に残る作品です。


【ご案内】首都大学で ユニバーサルデザイン -デザイン展開と報告-

知人からの紹介の紹介です。
首都大学
で「ユニバーサルデザイン -デザイン展開と報告-」という講座があるそうです。

一般の方向けのようですが、ご関心のある方、ぜひどうぞ。

【1021F003】 ユニバーサルデザイン -デザイン展開と報告-

実施日 2010/08/23 〜 2010/09/27 曜日 月
時間 19:00〜20:30 定員 28名
キャンパス 飯田橋キャンパス 教室
受講料
12,100円 単位 1 単位

講座の説明
障がい者は、車いす利用など肢体不自由者、視力障害、聴力障害、言語などコミュニケーション障害、知的障害、精神障害など非常の多様な条件のもとに存在しています。
また少子高齢化で、2050年には高齢者の全人口に占める割合は35%にまで増加が予想されています。それに伴い日本で働く外国人も増加が予想され、かつてない多様な条件の人々の共生のできる社会が望まれています。
それを具体的に実現するのがユニバーサルデザインなのです。より多くの人々が利用できるデザインは、また個性に合わせたデザインとの協調も必要となります。
これからのユニバーサルデザインを考えつつ、其々のデザイン展開を分かりやすく講義します。

講座スケジュール
回 実施日 講座内容 担当講師
1  2010/08/23(月) 建築都市空間のユニバーサルデザイン <竹宮> 竹宮 健司
2  2010/08/30(月) もの作りとユニバーサルデザイン <坂本> 坂本 鐵司
3  2010/09/06(月) 使いやすさの探求―ユーザビリティ評価― <中嶋> 中嶋 智輝
4  2010/09/13(月) 車いす、シルバーカー、バギーなど車輪を使った移動環境 <大津> 大津 慶子
5  2010/09/27(月) 移動環境のユニバーサル化はどこまで進んだか <今西> 今西 正義

備考
※「ユニバーサルデザイン -これからの展開-」と共に受講されることをおすすめします。

対象者
ユニバーサルデザインに興味のある一般の方

「一人ひとりにつながってゆく、母の物語」ってハハにはコワイ

本屋に行ったら姜尚中氏の初自伝的小説「母ーオモニー」が出ていた。

母~オモニ母~オモニ
姜 尚中

集英社 2010-06-04
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帯の推薦文はリリー・フランキーさんが書いていた。
「ご自由にお持ち下さい」という姜尚中xリリー・フランキーの刊行記念対談を読んでみた。

二人は世代的には一回り違うけれど九州での子ども時代の風景に共感できるものを
持ってるということだ。

ここのこも世代的にはリリーさんに近い。育った環境は違うけど。

いつも「子どもながらにここにいてはいけない感」がずっとあったような気がした。
ここのこの場合はなぜか行くべきところは方角的に西だった(今思えばカンは当たっていた)

で、この二人の魅力的な男性は二人とも「母」のすばらしさをしみじみ語っているのである。
「あーおかあさんてそんなにすごい存在なんだ」と改めて感じる。


「やべー!」


私はもう何年母業というものをやってるんだろう!
こどもは私を見てきてどう思ってるんだろう?
もう取り返しはつかない。こぼした水は元には戻れない。今更繕えないし(涙)

こどもたちは親の目から見ても(親より)情緒が安定してるみたいだし、
懐もそれなりに深く成長してるように見える。・・・反面教師の役は果たしてきたかも(汗)

この間も「電話の応対には見えない相手が不快に思うような言い方はしないように心掛けてる。だって自分がされたらイヤじゃない?」
とRがさりげなく言った。

はい。ココロします。負うた子に教わることもまた楽し、じゃ。

本はおもしろかったです。

16歳で日本に来たおかあさんは日本語の読み書きができないので手紙が書けない。
ドイツに留学中の息子さんにカセットテープに伝えたいことを吹きこんでおいたという件では
やはり泣けました。

広告のチカラ

以前からお気に入りのウェブマガジンのご紹介。

ツイッターでフォローしたらすぐダイレクトメールをくれたgreenz.jp

世界最大の広告の祭典といわれるカンヌ国際広告祭から「これはやられた!」というソーシャル広告作品の特集を組んでます。
カンヌ2010受賞のソーシャル広告ってタイトルです。
もう6回目だけど今回も「そうきたかー!」があります。
もちろんアーカイヴも観られます。

関心がある人はぜひ観てね。
他の記事もおもしろいです。

世に言う「マーケティングとアクティビズムがぶつかるところ」に時代を切り開くカギがあるような気がします。
消費をただ促す、っていう広告から社会に必要なモノ(行動も)を喚起させるメッセージとしての広告の力に期待してます。

カンヌで金賞受賞!ってクリエーターが美大日記やムサビコムのライターさんから生まれるかもね。
ほら岡田監督も「目標をまず高く持て」って言ってたし。

今回はちょっとだけ経験を積んでる身からのエントリー

手羽さんから出されていたお題。
こどもを持ったから上がった経験値って考えてみたら
これがやっぱり大きいかな。

メディア・リテラシーの必要性を痛感したこと
情報を読み解く力って言うか。

竹林さんも空デの公開講評エントリー「影絵!」でキーワードは「疑え」って言っておられましたね。

目にうつる、思考を停止していても入って来る情報だけが
真実じゃないよ
。ということなんだろうと思います。

マスメディアが決して描こうとしないことは実はとても多く
そのことほど私たちに重要であったりする。
ここのこにこのことをを教えてくれたのは映像作家の鎌仲ひとみさん(あっ作品を通してです)です。

今までに観た映像作品の中で最も衝撃を受けたのは
彼女の作った「HIBAKUSHA ヒバクシャー世界の終わりに」というドキュメンタリーでした。

NHKの番組制作のためイラク取材を続けていた鎌仲さんが直面した事実と
疑問を追う取材の中で明らかにされていく真実、そして自分たちの足元にある
問題に行きつくーそれは衝撃的な現実。

「HIBAKUSHA」という表記の意味するところがわかった時には頭を殴られたような衝撃を受けました。
その後彼女は核燃料サイクルとその現場にいる人々を描いた「六ヶ所村ラプソディー」という作品を作ります。
資金調達や上映場所の展開のしかたの方法もユニーク。
完成前から自主上映会を呼び掛け、制作時に撮りためた映像をビデオレターという形で発表していくというグラスルーツ(草の根)手法でネットワークを広げます。

こういう作品は興行的には難しい面もあるのですが
じわじわと広がって自主上映が600カ所以上にもなったのは
作品の力と監督の人柄の魅力だと思います。

デザイナーとして有名でカッコイイ、ミハラヤスヒロさんも「未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」で昨年彼女と対談しています。
とてもいいので見て下さい。
リンクは勝手に貼っちゃだめかも?しれないので貼りませんが
ミハラさんのこの連載、他の方もとてもよかったのでおススメです。

鎌仲さんは東京工科大学の准教授をされていて卒業制作に学生にもドキュメンタリーを作らせたりしていたそうですが、今はタマビ、ICU(国際キリスト教大)、明治大などで
非常勤講師をされているそうです。
そんな彼女の最新作が完成し、観てきました。
「ミツバチの羽音と地球の回転」
http://888earth.net/staffblog/2010/05/post-63.html

放射能に汚染されるイラクの実態、日本の原爆被害者、自国の核実験によるアメリカの被害者、そしてエネルギーを原子力に求めるがゆえにあぶり出されるイギリスや日本の社会の矛盾を伝えてくれた前2作に続き、
この映画は核三部作の最終作として
「未来を選ぶ選択肢はあるのだ、あとは私たちが意志を持って行動するかどうかだけだ」というメッセージを届けてくれました。

タイトルのミツバチは映画の中に出てくるスウェーデンの小さな自治体の取り組み、不可能と思われた「自然エネルギーで自給自足する」が可能になったことの象徴でもありますが(マルハナバチは身体の構造上飛べないはずなのに飛んでいるので「不可能を可能にする」象徴とされる)ぶんぶんと飛ぶ羽音とはひとりひとりが起こす小さな行動であることも意味しています。

「小さな羽音でも共鳴して共振し、やがて地球の回転を起こす。この映画はその羽音の記録だ」apバンク監事の田中優さんの感想の一部を引用させてもらっちゃいました。
あまりにもここのこの感じた気持ちを的確に表現している言葉なので。

撮影中に何回か現場で接することがあったのでとても完成を楽しみにしていました。
膨大な映像の中から涙を飲んで削ぎ落とされながら完成された映画は
生活音や自然光がふんだんにあり、「なつかしい」と思えるような映像もありながらスウェーデンの社会のあり方も描かれていて本当の民主主義ってどんなこと?もまざまざと私たちに見せてくれます。またスタイリッシュなSing002の音楽が効果的に
使われていて「思考停止するな!」と私たちに訴えかけてくるようです。

あのアニメーション「頭山」で有名な映像作家山村浩二さんもブログで感想を述べられています。
こちらをどうぞ。
http://888earth.net/staffblog/2010/05/post-63.html

表現者として学んでいる方にぜひ観ていただきたいなと思います。

美大生が作るフリーペーパー「PATNER」にこの鎌仲さんと「ミツバチの羽音と地球の回転」音楽担当アーティストSing002の対談が載っていたらしいのですが、Pに「見かけたら送って」と言っていたのにみつけられなかった、だって。

関野教授つながりというのはここで、鎌仲さんに「オファーはどうやってあったのですか?」とうかがったら「ムサビの関野さんの授業で映画を上映したらムサビの学生さんとつながりができてああいう企画になりました」ということでした。
どなたか見かけた方あったら教えて下さい。

今回、鎌仲さんからムサビをはじめとして今、学んでおられる学生さんに送りたいという
メッセージを預かりました。

自分の将来を決める時に、どのような情報を元にしているのか
自分の思考とか、心理を見つめるようにして欲しいです。 誰かがあな
た方の頭や心をのっとっていないか。本当に自分自身が考え、望んでい
ることをしようとしているのか、そこを大事にしてほしいと思います
。」

いやあ、ここのこのようなロートルにも響きます。
これがちょっとだけ経験を重ねてる人間からの発信です。

写真は「ミツバチの羽音と地球の回転」の舞台のひとつ
上関町の田ノ浦を海から見たところ。ここを埋め立てて!原子力発電所が立てられる計画があります。

s-2010 0508 スナメリウオッチング&島めぐり 007.jpg

ちなみに建てようとしている中国電力という電力会社が運営している島根原発は
点検漏れが506カ所あったということで今は運転が止まっています。
日頃は止めている火力・風力発電などを使っているので停電などにはなっていません。

心地いいだけじゃないものも好き

アリス・イン・ワンダーランド」観ました。人気ありますね。
少女の自立のお話かな、と感じました。

観てて思い出したのは「パンズ・ラビリンス」という映画。
Pが高校生の頃、わりと近くで上映がありPの強い奨めもあって
一緒に観たのでした。

監督はギエルモ・デル・トロ。2006年に撮影賞の部門でオスカーを獲ってます。
こちらも少女が迷宮に迷い込む話ですが
時代はスペイン内戦下。内容はファンタジーでもありますが、めちゃくちゃダークです。

クリーチャーがみんな超個性的で不気味気味。人によっては目をそむけたいレベルかも。
主人公の少女が置かれた境遇も過酷。その過酷な状況から脱するために
3つの試練に立ち向かうというストーリーなのですが
現実にファシズムに対抗するレジスタンス活動をする人々も織り交ぜられていて
そこの描写も半端ではありません。(この辺でR指定がついているんだろうと思います)

でも人間の心理の奥深いところへの切り込み方とかが濃密で
目をそらせられなかったです。

視覚効果技術もハリウッドじゃないヨーロッパの「重さ」を感じるものがあり
関心のある方にはおススメです。

ただし後味はけっしてよくないので、心が繊細な人にはキツイかも。
ここのこにとっては忘れられない映画のひとつです。

他にPが奨めてくれて一緒に観た映画に「パコと魔法の絵本」があります。
こっちは中島哲也監督の作品でメジャーですね。
わざわざ紹介するまでもないかな?
ちょっと毒気がありながら切なさがある、というテイストが好みらしいです。

動物画制作に必要ということで動物図鑑を送った時
シャレで妖怪図鑑も送ろうかと思ってました。

「龍とかケルベロスとか描いてる人いない?」と聞いたら

「最初に先生から空想上の動物はNG」とのお達しがあったそうです。
先生方、見抜いてますね。

ここのこ家には水木しげる著や京極夏彦著や荒俣宏著の妖怪辞典・図鑑があまたあります。
スポンサーは主にDです。

そう動物だけでなく、ドラゴンボールだけでなく、妖怪も全般的に大好きです
今はアニメ「ナルト」を楽しみに観ています。

あっでも日本画についても少しは知識を得なくっちゃと
最近TV番組の「お宝鑑定団」を見始めて作家の名前など覚えようとしています。

以上「負うた子に教えられ」現状編でした。