教育実習の思い出15

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研究授業前日。

研究授業はあの思い出のクラスで行います。
教室後方に折りたたみイスを数脚持ってきて、他の先生や実習生が見れるように準備。
そして明日持ってきて欲しい道具を生徒さんに説明。「君らが道具を忘れると、私が困っちゃうんだからね!」ぐらいの勢いで(笑)
よし、準備万端!

授業指導案は昨日書いてアベ先生に渡してました。結局「デザインとは?」の本当の答えがわかんなくて、先日とほぼ同じ授業をやることに。


帰りのショートホームルームが終わって、職員室のアベ先生のところへ。
「ほら、手羽の授業指導案を返すよ。これでいいんじゃない?」
「ありがとうございます。じゃ、明日よろしくお願いします」
「ところで手羽さー」
「へ?なんでしょ?」
「最後に中学生のための授業のコツを一つ教えてあげるよ」
「え?そんなのがあるんっすか?」

「それはな・・」



「うちのケンタと話すように話せばいいんだよ」

「うちのケンタ」とはアベ先生の子供さん・ケンタ君で当時小学1年生(笑)

「け、ケンタくん・・ですか?!」


こういうことなんです。

どうしても頭の中に「中学1年生ならこれぐらいのことはわかるだろう。なぜなら自分の時はわかってたから」というイメージがあります。
でも、本当は知らず知らずのうちに「この年ならこれぐらい知ってた」と思い込んでいるだけであって、自分達が中学1年の時もそんなもん、っていうか、実は知らないことの方が多かったはずなのです。これはゆとり教育の影響とかではなく、自分もわかってなかったはずなんだけど、時がたって勘違いをしてるだけ。

ちょうどいいのは、自分のイメージより3,4歳若く見積もること。
つまり中学1年生に説明する場合は、自分の思い描く小学3,4年生ぐらいへ話すように説明すると伝わる、というわけなのです。


アベ先生に教わったこのコツは今の仕事にも役立ってて、高校説明会の時も中学生に説明するつもりで単語などは気をつけています。

相談会で「○○学科は今年、電通に4人内定を出したんだよ」と自慢説明された先生がいたのですが、皆さんが高校生の頃・・・つまり本当は中学生の頃・・・「電通」なんて単語を理解してました?単語は聞いたことがあるかもしれないけど、広告代理店がどういう仕事をやってるのか知ってた人はいないはずです。
でも「高校生だって電通ぐらい知ってるでしょ。俺は知ってた。」と年をとった人ほど勘違いしちゃうんですね。いい例です。

私の経験上、「キュレーター」「ワークショップ」「ポートフォリオ」は高校生には無理です。伝わりません。「エディトリアルデザイン」「ファインアート」なんてよほど美術に興味を持たない限り知るはずもない(笑)
「プレゼンテーション」「インターフェイス」も実は微妙なラインです。「コラボレーション」はようやく浸透してきたかな・・ぐらい。
多分外来語定着度調査で使用率30未満の単語は高校生には厳しい単語なんじゃないでしょうか。
でも全て平気で(ムサビも含め)募集要項や大学案内・学科パンフレット・WEBには出てくる単語なんですよね・・・。
「誰のために作ってる大学案内なんだろう。きっと自己満足で作ってるんだろうな」と思うことも。


ちなみに「ユニバーサルデザイン」という単語は知ってる子が多いようです。


続く。


ほぼ1ヶ月ぶりの連載でしたね。
今週中にこの話を書くと約束してたので。

投稿者:ichiro : 2006年11月05日 06:06

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