贈る言葉

裏で違う作業をしていたので卒業式を全然見れなかった竹林です。
みなさん、こんばんは。
朝から夕方まで作業部屋に入り浸りだったので、日本がキューバに勝ったことすら知りませんでした。


遅ればせながら、卒業生のみなさんおめでとうございます!
みなさまのこの先の人生が実り多いものであることをお祈りします。
伝え聞くところによると学長の祝辞がすごかったらしいですね。
詳しくは手羽さんの日記を見ていただくとして、これから巣立ってゆく卒業生にこんなに力強いエールを、しかも原稿なしで言い切れる学長は日本に大学多々あれど少ないのでは?
出席した卒業生のみなさんもおおいに励まされたことと思います。


さて、人生のちょっとだけ先輩の竹林からもはなむけとして紹介したい文章があります。
作家の伊集院静さんが新成人に向けて書いた贈る言葉です。
ご存じの方も多いと思いますが、毎年、成人の日の新聞に掲載されているサントリーの有名な広告です。
今回は竹林が特に印象に残っている数年前の文章をご紹介。
「二十歳、成人」を「卒業」に読み替えるとまさにぴったりです。




君は誰ですか。

今日、一日だけでいいから、
家族も、学校も、職場も、仲間も
皆ないものにして、
君が君に、
自分はどこの何者なのかを
聞いてみないか。

二十歳、成人、おめでとう。

本当にそう思うかい?
本音は違うだろう。
大人なんかになりたくないと思う人は多いはずだ。

君には、好きな人がいて、好きな音楽が、
ビジュアルが、ファッションが、
そして
君だけが好きな時間があるだろう。
そのどれもが、今の大人の世界とは違う場所にあるはずだ。
その上、同世代の中でも自分だけは違うと信じているだろう。

私はそれが一番大切なことだと思う。
その違いを捨てることなく、
持ち続けてほしいと思う。
そうしないと世の中がつまらない人であふれてしまう。

君だけのものを発見し、素晴らしい世界を手にいれるには、
妥協しないことだ。

助言があるとすれば、
世界の発見は、独りで歩くことだ。
君一人の世界を知ることだ。

家柄、学歴、そんなものはたいしたものじゃない。
君が誰かを知ることだ。

そこが出発点だ。

連るむな。逃げるな。孤独に慣れろ。

そうして君が他の人とどう違うかを見せて欲しい。


酒場で隣の席に若者が座ると、君は誰ですか、と聞いてみたいんだ。

酒場の隣りの君に。


伊集院 静





蛇足ですが、竹林の記憶が確かならば、4月1日の朝刊にも新社会人向けに同じく伊集院静さんからの贈る言葉が掲載されるはずです。


卒業、おめでとう。

投稿者:take : 2009年03月21日 01:26

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