民藝に出てます!

ちなみにおとといのエントリー「訂正とお詫び」は、「おっ。何を失敗したんだ?ざまーみろ。こいつ最近調子に乗ってるからいい気味だ」と思わせ、他人の間違えや謝罪とかが嬉しく感じるあさましい人間の真理を利用してアクセスをアップさせ、でもその裏をつくという高度なブログ戦略テクニックです。
実際にアクセス数も多かった(笑)
人間なんてそんなもんです。


本題。
ちょっと今回は長めです。


日本民藝協会が発行している機関誌「民藝」の平成21年1月号で、このブログではおなじみの「年末の女」こと森須磨子さんが、「しめ縄」の文章を書いています。

機関誌『民藝』最新号

モリスマさんはすっかり民俗研究家の一員なんですね・・。
ちなみに今年の年末年始は広島県の小奴可というところで、しめ縄探しをしてたそうです。

ムサビがらみの話題だと、この民藝1月号では水尾比呂志名誉教授(元学長)も寄稿されてますし、ムサビの民俗資料室が紹介されていますので、ぜひご覧下さいませ。




そこで書かれてる森さんの文章に印象深いフレーズがありました。

要約すると。
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いろんな人に「しめ飾りを見せてください」とお願いすると、「でも、うちはどこにでもある普通のしめ飾りだよ?」と必ず答えが返ってくる。

でもしめ飾りには「普通のもの」というのが存在しないのだ。
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まず、この話をストレートに解釈すると。

ほんと、しめ飾りって地方によって全然違うんです。
モチの形が違ったり、お雑煮の具が違うのと同様に違います。

福岡県は専門用語で「鶴形」という、鶴をあしらったしめ飾りが主流で、私はそれが「普通のしめ飾り」だと思ってました。
でも、東京に出てきたら、全然しめ飾りの形が違うのね(笑)
東京だと正月は門のところに松の枝を飾るでしょ?
あの文化はうちの地元にはないから、最初はすごく抵抗があったっけ。

また、今回実家(福岡県筑豊地区の直方)に帰った時にしめ飾りの写真を撮ってモリスマさんに見せたところ、「筑豊地区でも、直方のしめ飾りは鶴の形が壮大だね」と言われました。
以前モリスマさんが「同じ地方でも、山を越えると形が違う」と書いてたけど、プロが見ると、そういう違いを発見するもんなんだなあと感心。
あ、写真は後日「手羽ファミリーのドキドキツアーズ」の続きで紹介します。(いつになったら続きを出せるんだろう・・)



で、ストレートに解釈せずに、「情報」「ブログ」の話に持っていくと。

普通だと思ってることが実は普通ではない。
これって普段でもよくあることです。

私は「なんでもいいから情報が欲しい。または情報を知らせたい」というタイプなんだけど、人によっては「これはたいした情報ではない」と勝手に判断して誰にも共有しなかったり、「自分に必要な情報だけしか知らせなくていい」という人がいる。
情報を共有しない(できない)人の多くはこのタイプで、私からすると「お互いが大人なら、燃えるゴミか燃えないゴミかは相手の判断に任せりゃいいのに」なのよね。
(「子どもにHサイトを見せてもいいのか?」というのは、また別レベルの話)


炭鉱で栄えた筑豊地区には、採掘時に発生した捨石を集積してできた「ボタ山」という山があちこちにあります。
当時は石炭が一番重要なわけで、もしダイヤモンドの原石が採掘時に出てきててもそのままボタ山に捨ててたんじゃないか、という笑い話がありまして。
「何が大事か?」「何が求められているか?」なんて時代によって変わるものなんです。




大学関係者が一番見てるであろうブログ「大学プロデューサーズ・ノート」さんが開設1周年を迎え、
気づけばもう、1年。
というエントリーで、手羽ブログ紹介していただき、そんなに誉められたら困っちゃうなと思ったりもするのですが(笑)、その中でこんなことを書かれていらっしゃいます。

「ブログの真価は蓄積にある」のではないか、と個人的には思ったりもします。


全くその通りなんですが、手羽としてはもうちょっとひねくれて、

「ブログの真価はゴミ山を作ること」

かなー、と思っています。

受験生に大事な情報しか知らせない大学ブログが閲覧されるとは思えないし、見てもらえない大学ブログじゃやる意味がないし、もしかしたら頭の固い大人が「これは受験生には関係ない」と勝手に思い込んでるだけかもしれない。
多分、学内の大学ブログ反対派のつまらない理由のひとつは「無駄な情報を流すな」的なところにあったりするんじゃないかと。

上質なものだけを蓄積するためにブログをやるのではなく、ゴミ山を作ることを恐れずにどんどん発信することが逆に大事なんじゃないかと。

時々、その中の一つが他のものとリンクして、面白い結果を出すことがあるからやめられない。
全然違う場所に存在してた情報どうしがつながった時の快感といったら。

実際、美大ブログアンテナに参加してるブログを見ても、「オープンキャンパスやります!」的な情報より、それ以外の方が興味深かったり面白かったりするわけで、書いてる本人たちも薄々それに気がついてきてるんじゃないかなーとこっそり思いながら最近は読んでいます。
どうですか?

ただ、手羽ブログはゴミの割合が多すぎるだけで(苦笑)
そしてゴミの方が人気が高かったりするからこれまた困ったもので(苦笑)

投稿者:ichiro : 2009年01月10日 06:08

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コメント: 民藝に出てます!

こんにちは、いつも拝読しています。

「ブログの真価はゴミ山を作ること」、これ、とてもよくわかります。
大学の入試課ブログなどを見ると、本当に入試の公式情報しか書かれていなくて、読む気がおきないというか、

「誰がいつ読むの? これ別にブログじゃなくてもいいんじゃ?」

……みたいなものが非常に多いようにいつも感じています。

ムサビ日記を日常的に読んでいれば、美大のこともわかるし、ムサビのこともわかるし、ついでに手羽さんのこともわかるし(笑)、その中で入試のこともわかる。
これがイイんですよね。

投稿者 マイスター : 2009年01月12日 14:42

おお。マイスターさんからコメントが!
ありがとうございます!!

>ついでに手羽さんのこともわかるし

はい。「プライバシーを切り売りする」という禁断の果実をかじって
おります・・・。

投稿者 手羽 : 2009年01月12日 16:59