名古屋造形と名古屋芸大、レベルはどちらが上か。

受験生の方から質問コメントが届きました。
いろんな説明したい要素が含まれているので、エントリーで答えさせていただきます。

アンデさんという方からの質問。

突然すみません。自分は芸大志望なのですが、名古屋造形大学映像科と、名古屋芸術大学ライフスタイルだとレベル的にはどちらが上なのでしょうか??

勝手な質問すいません


ムサビにも映像学科と芸術文化学科があるけど、それは嫌?
あ、嫌なんですね・・そうですか・・・。

この質問には4つポイントがあります。

一つ目のポイント。
まずは「芸大」とは何を意味するか。
これは「ムサビペディア::芸大」に詳しく書いてますので、そちらを参照ください。
この質問内容だと、「美大も含む芸術系大学の総称」ですね。

「芸大」の他にも「地方によって意味合いが違う略称」だと「造形」のパターンがあります。
関東だと「造形」は東京造形大学のことなんですが、名古屋だと名古屋造形大さんだし、新潟なら長岡造形大さんを意味します。
そういえば、京都造形芸術大学さんや宝塚造形芸術大学さんとかは地元ではなんと呼ばれてるんだろう。芸大?造形?
そう考えると、「ムサビ」「タマビ」「ジョシビ」という略称は日本に一つしかないから、ごっちゃになることはないよね。
老舗ってこともあるだろうけど、略称としては恵まれてる大学なのかも。(なんじゃそりゃ)


脱線でした。

2つ目のポイント。

名古屋造形大学映像科と、名古屋芸術大学ライフスタイルだとレベル的にはどちらが上なのでしょうか

書けるかっ!(笑)


正直に書くと、両方のコース詳細を知らないので人に説明できるレベルではないし、もし知ってたとしても、こんな目立つ場所で「あっちの大学の方がいいよ」なんて書けません。
名古屋造形さんは美大ブログ仲間ですし(笑)

ただ、それ以外のことなら書けます。
この時期は美大に行くかどうか、行くなら美術予備校に通うかどうか悩んでる方も多いと思うので。



大学選びで「どちらのレベルが上なのか?」を決めるのはすごく難しいです。

単純に受験倍率で決めればいい?
うーん、「入試の話::受験者数編」や「入試の話::併願と倍率の関係編」で書いたように受験倍率なんて、併願率を高めれば見た目の数字はいくらでも変わるわけで。
以前書いたパターン以外にもトリックはあります。

例えば。
これまで鉛筆デッサンとデザインは両方受験しなくちゃいけない(必須科目)パターンだったのを「鉛筆デッサンとデザインはそれぞれ選択科目。でも両方併願できますよー。しかも受験料は1回分だけでOK」に変えたとします。
受験生の心理からしたら、心配だから両方受験したくなるもんで、こうすることによって、実質の受験者数も大学としての受験料収入も変わらないけど、その学科の見た目の受験生はほぼ2倍になる、つまり見た目の倍率を上げることができます。
くどいですが、例えば、です。
なので、受験倍率は参考にはなるけど、それだけでその学科の良し悪しを判断するのは危険。

一番いい例は某武蔵野美術大学ですね。
「受験生が増えた大学TOP20」のデータをみたら、受験者増加数だとムサビは第7位、割合だと第3位だったんですよ。
美大限定じゃなくて、全国の大学で、ですよ。信じられます?
もちろん「全学科センター入試導入」によるものです。
普段なら大喜びの手羽も、このランキングが全然意味ないものだとわかってるんで、「へー」ぐらいでスルーしちゃいました(笑)


じゃ、就職率で見ればいいのか?
これも数字のマジックがあって・・・これは長くなりそうなので、後日書きます。

「数字」って「合理的で間違いないもの」と思われてるけど、その数字をどう調理するかは学校まかせなのね。
例えるなら10+10は20だけど、10×10と10÷10と10-10は全部答えが違うでしょ?
同じ数字を使っても、学校によっては10+10と出してるところもあるし、10×10と表示してるところもある。
え?信じられない?でも、そういうもんなんです。
このあたりの話はその就職率のところで書きます。


じゃ、何で決めればいいのか。

期待してる答えじゃないだろうけど、まずは「相性」なんじゃないかと。
大学選びの場合、数値化できない部分が一番信用できるんだよね。
オープンキャンパスや学園祭でもなんでもいいからその大学を何度か訪問して、その空気や考え方、学生さんの雰囲気があうかどうか。

ムサビは美術を学べる大学としては日本でも世界でもTOPクラスだと自負しています。
でも、ムサビ独特の「空気感」があって、これが嫌いな人がいるのも事実。
逆にタマビの「空気感」が苦手な人もいるわけで。

自分にはどちらが合いそうなのか。
まずはそこからじゃないかな。
その次の段階として、授業内容の詳細、機材のことなどを調べて、どちらがより自分のやりたい体制が組まれているか?を調べる。

他にも決める要素があるんだけど、それは気が向いたら書きます。


3つ目のポイント。
この「どちらのレベルが上」は3つ意味があります。
「授業内容レベルはどちらが上」なのか、「どっちが有名?」なのか「どっちが試験が難しい?」なのか。
本当なら、授業内容や学科ポリシーで大学や学科って決めるべきなんだよね。
で、そこに入るのが難しいとわかったら、そのための勉強を死ぬほどやればいいわけで。

4つめのポイント。
「映像」と「ライフスタイルデザイン」って全然違う分野だと思うんだけど、この二つに絞ったのは何か意味があるのかな?

投稿者:ichiro : 2008年03月29日 05:18

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コメント: 名古屋造形と名古屋芸大、レベルはどちらが上か。

>じゃ、就職率で見ればいいのか?
>これも数字のマジックがあって・・・これは長くなりそうなので、後日書きます。

高校での進路講話なんかのたびにその話をするんですけど、
後日高校側から生徒や先生の感想文を送っていただいたりすると、

「目からウロコ状態でした」

なんて内容で送られてくるんですよねん。

いかに高校の先生が世間知ら(略)

投稿者 なかのひと : 2008年03月29日 08:58

この前も「某専門学校が就職率200%と言ってるのは本当ですか?」
と「なぜここで聞く?」なことがありましたが(笑)

でも、私も広報に来るまで、(入試倍率もそうだけど)就職率にそんな
いろんな計算方法があるのは知りませんでした。
皆さんの参考になれば。

投稿者 手羽 : 2008年03月29日 09:27

京都造形芸術大学は「京造きょうぞう」って読んでます。
私はこの呼び方嫌いなんだけど。教授とか生徒も言ってるかな。

投稿者 匿名希望 : 2008年03月30日 01:48

うーん。
タイトルにビックリしました。
答えにくい質問にお答え頂き、手羽さんありがとうございます。
私が一番気になったのは
うち(名古屋造形)には映像科ないよ??
ってことですが。
大丈夫かな、受験生。
先端表現コース・映像/アニメーションクラスの事だと思いますが。
4年間通う大学ですもん、
やっぱり見に行かれるのが一番だと思います。
どこの分野に進むにしても。

投稿者 プチ子 : 2008年03月31日 10:30