なんどでも名前をつけてください。

FOR MUSABI

大学に行っただけで、大好きな文章の載った本と真っ白な上着とカンパンをてにいれた。
ひとつは買ったもので、あとのふたつはもらいもの。
その中に自分を見つけたような気がした。


自己表現なんて野暮ったい言葉で固められてしまいそうな
誰かの文章や君の絵画やあの子の劇
つくったものの中にその人の面差しを見つけられるなどと言われては
またしても自己表現なんて野暮ったい名前で縛られてしまう。


でも、思うんだけど
「僕」という存在は、君の中でしか輪郭を保てないんじゃないかしら。
もっと俗っぽい言い方をするなら
自分探しなんて自分にはできないんじゃないかしら。

帰り道にかかえた 本と服とカンパンが自分に見えた。
誰かにとって僕は、書物であり真っ白な服であり渇いた甘い非常食であるのではないか

部屋の中で息をひそめてる贈り物
クリスタルもお香もフランス村のクッキーの空き箱も
日本人が歌う英語の歌詞のCDも 鳥居のイラストの散りばめられた手ぬぐいも
誰かが見た僕の似姿なのではないか


きっとどれも確実ではなくて嘘でもない
だから好きなように呼んでほしい。


オトギ

投稿者:fantasy : 2012年09月28日 20:27

トラックバック


コメント: なんどでも名前をつけてください。

コメントしてください




保存しますか?