なにもかもなかったこと

FOR WORLD


こんなに雨がひどいと、まるで はじめからなにも
起きていなかったかのようだ。

無理矢理に何もかも暗い空気の底に押し込められて
雨が何もかもさらっていってしまうような気がしやしないか
・・・いつもそんなことを言っているかもしれない。


朝からごはんを食べてなくって くたびれた頭で
いつもより薄暗い夕暮れを、霧みたいな雨の中を
白くなりきれない頭のままで帰って来た。


感情は置き去りのままで、出来事ばかりが終わっていってしまう。
講義も講評もテストも、いつのまにか僕の後ろでカーテンコールしている。
まだ始まったばかりのような心のまま
白々しい拍手がやまない。

それはもしかしたら、この騒々しい雨音だったのかもしれないけれど。
僕のお目当ての舞台はまだ始まってもいないんだ。


オトギ

投稿者:fantasy : 2012年07月07日 22:07

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