ざわめく家路

FOR WORLD


性懲りもなく、雨の中出かけてみたりした。


帰り路、

濃紺に沈んでゆく家や竹藪はどこか物語めいて見えて、
手は凍るように冷たいのに、僕は浮き足立った。

そんなありふれた黄昏時に
ひときわハッキリと見えるのは光だ。

信号機の点滅、大型バスの残像、誘うような家の灯り。
そんな人工的なライトアップが集まって
まるで虫の群れのように見える時がある。


どこか言葉をもってざわめくのだ

時に急かすように、時にもてなすように。


僕はイルミネーションや夜景なんかにはあんまりときめかないんだけど
そんなときには、光に愛嬌を感じてしまったりするんだ

ちょっと、可笑しいよね。


オトギ

投稿者:fantasy : 2012年03月23日 22:51

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