mixed blessing

FOR WORLD


一人暮らしをするようになって
季節の境目に敏感になったように思う

カートに入れた果物や
外に干したタオルの乾く速度
店先に並ぶ洋服の色合いと
いつもいつも向き合っているから。
それともこれは、講義の影響かな

瞬きの間だ

切り替わるのはほんのひとときだ

もうすぐ林檎のおいしい季節がやってくる。

僕の通っていた学校の通学路には林檎畑があった。
学校はとても遠いところにあって、母と友人の家に送り迎えをお願いしていた。

緑豊かな道のりなので、季節によって車窓からのぞく風景はうつり変わった。
林檎の花が咲くと、花の白と葉の緑が見事だったものだ
木蓮も鬼百合も咲いていた

学校に行くのがなんとなく気乗りしなくて
気だるげにしていると
母が思い出したように
「林檎の花はそろそろ咲くかなあ」と言っていた

そして
「せっかくこんな山奥に通ってるんだから、作品にいかしてもらわなくっちゃ」

と、冗談なのか本気なのかわからない助言をくれた。

僕はまだ眠気の覚めない頭で、話半分に聞いていたけれど、
森を描けと言われれば、父のつくった山菜料理を思い出すし
段ボールの上に並ぶ林檎を見れば、あの枝をたわませてなっている虫食いだらけの林檎がよぎる。

いつの間にか、そういうものが
何気なく
見て
聞いて
ふれたものが
身体の端々に息づいているのを 感じる。


オトギ

投稿者:fantasy : 2011年09月03日 22:48

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