小説::手羽殺人事件 11号館

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手羽殺人事件「猫は見ていた -魔の80周年-」 第11話

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第3話 4号館
第4話 5A号館
第5話 5B号館
第6話 6号館
第7話 7号館
第8話 8号館
第9話 9号館
第10話 10号館



<あらすじ>
2009年芸祭直前、手羽室長が殺された!

竹林とminxの2人は、ムサビ日記メンバーに対し調査を開始。
途中、二手に別れたが、その直後minxに悲劇が!

何も知らない竹林は調査を続けるが・・・

どうするどうなる?!手羽殺人事件?!

もずくさんのを引用一部改変しました。)


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10号館4階につき、竹林は途方に暮れた。
気付いてしまったのだ。
ーーーー自分は、今から捜査する対象の生徒の顔を知らない・・・と。


基礎デだということは確かだ。
2年生だ。
ああ、確か、と同じことをぐるぐると頭で考え、10号館基礎デ研究室前を右往左往していた。

そんな人物、しかもアフロ、である。
目立つ。


ひとりの女子生徒が、声をかけた。


「あの・・・もしかして、そのアフロ・・・?!」

とても都合がよいが、それは、そう、ろん太だった。

ろ「竹林さんですね!?そのアフロは!アフロですね!そのアフロは!」

アフロに異様な執着を見せるろん太。
そう、彼女はアフロという言葉に弱かった。

竹林は、ああ、この子か、と即座に理解をしたが、初対面で自分のアフロばかりを眺めてくる女子生徒に絡まれてよくわからない気分になっていた。
だが、自分の任務を思い出し、おもむろに口を開いた。

竹「あの、とりあえず初めまして・・・」

ろ「初めまして!ずっと、アフロに会いたかったんです!わぁ、アフロですね・・・!」

竹「(アフロですね・・・?)あの、唐突なんだけど、今回君のところを訪ねたのは・・・・・・」

・・・
    ・・・・


ろ「そ、そんなこと・・・急に言われても、にわかには信じがたいです」(視線:アフロ)

竹「ですよね、・・・とはいえ、とりあえず、昨日一日何をしていたか教えてくれませんか?」



思わず敬語になってしまったが、とりあえずメモを準備した。


ろん太は、自分が疑われていることを薄々感じつつも、アフロばかりが気になってしまい、
そんなアフロの質問を素直に答えることしか出来なかった。


ろ「昨日は・・・ですね、朝5時に起床してバイトに行きました。」

竹「それは・・・ご苦労だったね」

ろ「そうなんですよ、しかも深夜3時くらいにムサビ日記を書いていたのでほとんど寝てませんw」

竹「それは、課題をためていて必死にすませようと頑張ったけどやっぱり終わらなくて諦めたからムサビ日記に逃げたんじゃないの?」

ろ「さすがアフロには何でもお見通しなんですね
  とりあえず、バイトは9時まであり、2現に間に合うように学校に向かいました

  10:20くらいにムサビに着いたので、
  バイトのときに眠すぎておにぎりの発注を間違えた気がして、
  そわそわしながら、20分くらい図書館に」

竹「誰かと一緒に居たの?」

ろ「いえ、私友達そんなにいないので」

竹「そんなこと聞いてないけどね」

ろ「ですよねwwwいや、2年になって必修が選択になって、仲間と会う機会がぐん、と減ったんですよ」

竹「で、そのあとは?」

竹林はろん太の友達事情などどうでもいいようだった。いや実際どうでもいい。
だってこっちは最愛の手羽室長が殺されたのだから。

ろ「そのあとは・・・、あ、図書館から次のスポーツ文化論の授業に行くのに、
  少しまだ時間があったので11号館前で猫を愛でていたら、手羽さんを見かけたような気がしたんですが・・・」

竹「えっ?!?!?!?!」

ろ「いや、気がするだけで多分気のせいです・・・だって手羽さんの顔実際おぼろげですもん・・・私の記憶・・・」

竹林はそれを聞いて、ろん太は他人から顔を覚えられること、逆に他人の顔を覚えること、どちらも長けてはいないのだと悟った。

ろ「とにかくそのあと、ちょっと遅刻しそうになったけど、スポーツ文化論の授業をうけました。
  マサルさん好きには大変たまらないプレゼンをしてくれた方がいました。
  セクシーコマンドーがスポーツかどうかという論議に本気で参加したかったですね。

  スポーツ漫画を題材にする授業やってくれるなんて本当にムサビ生にはもってこいです。
  徹夜明けでもテンション上がるんで・・・」


黙って見つめる竹林。とりあえず続けるろん太。

ろ「午後は必修の色彩論で。
  色彩論ですから色について真剣に考えてます。
  とりあえず鬱になりつつ、放課後はサークルに行きました。」

竹「あ、アニメーションのサークルだよね」

ろ「よ、よくご存知ですね!もしかして新歓上映会とかきてくださっt」

竹「いや別に・・・」

ろ「ありがとうございます!!

  芸祭が近いのでもう上映会に向けて追い込みでした。DVDも売るのでその準備とか・・・自分の作品も作るのでそれなりに忙しかったです・・・上映会のOPをグループで作ってるんですがグループ制作ってのは大抵トラウマになりますよね。デ情の友達の話を聞いて寒気が走りましたよ、といってもうちのサークルのグループ制作は和気あいあいとしていてとっても楽しいのでほんとうにたのしいので興味のある方は月曜と木曜に」

竹「そっかー大変だね」

ろ「・・・
  アニメーション最高!⌒☆」

竹「ありがとう!とっても参考になったよ!」

ろ「手羽さんの顔もおぼろげなので、私の犯行は不可能だと思います!」

竹「いや、そこは胸をはるところじゃないよね」

ろ「すいません・・・人の顔覚えられるようになります・・・
  葬儀には絶対呼んでください!!
  そうすれば他のムサビ日記のメンバーの顔も覚えられるし一石二鳥・・・」

若干不謹慎だが、ろん太は結構まじだった。

竹「わ・・・わかった。葬式はみんなで手羽室長を悼もう。じゃあ、僕はこれで」

ろ「そういえばminxさんはいないんですか?」

竹「あぁ、さっき二手に分かれたんだ・・・」

ろ「そうなんですか。じゃあ、minxさんにもよろしくお伝えください!」

竹「あぁ、じゃあ」


そうこうして、二人は分かれた。

もちろん、竹林がminxによろしく伝えることはなかったのだが。
竹林は、次なる容疑者のもとへ向かう。
竹「とべじゃない、うらべ・・・とべじゃない、うらべ・・・」

そう暗示しながら。



去る竹林の背中を、ろん太は一生忘れないように目に焼き付けていた。




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遅くなってしまってすみませんでしたー難しいいいいい!!!

てか11号館とか・・・どこ・・・みたいな・・・。
ほとんどメンバーの皆さんと絡んでないのでまあこういう内容になることは予想内ですね。
おそまつさまでした。

投稿者:ronta : 2009年05月18日 22:08

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