ムサビペディア::国際交流

ア/カ行

■国際交流

ムサビの自慢って何ですか?」と聞かれた場合、あなたならどう答えますか?
「ソフトクリームを自分で巻ける場所がある」ですか?

短所はいくらでも言えても長所って自分では気がつかないことが多いもんです。
また、「これかな?」と思ってても恥ずかしくて言えなかったり。私もムサビの自慢を聞かれたら、いろいろ思いついても「坂がないこと」と答えてます(笑)


では、視点を変えて。
「他美大スタッフがうらやましがってるムサビは何か?」だと、これははっきりとしています。
一つは「話し合いでほとんどの物事が決まること」。
内部の人間はムサビの短所だと思っているのですが、それぐらい話し合いで決まらない美大さんがゴニョゴニョ・・・。

そしてもう一つは今日のテーマ、「国際交流力」です。
予告どおり、ムサビの国際交流について書いていきましょう。

ムサビの国際交流締結校をリストアップすると

・ 中国美術学院(中国・1994年交流協定締結)
・ パリ国立高等美術学校(フランス・1996年交流協定締結)
・ ヘルシンキ美術デザイン大学(フィンランド・1996年交流協定締結)
・ チリ・カトリック大学DUOC財団設立専門機関(チリ・1997年交流協定締結)
・ ミラノ工科大学デザイン学部(イタリア・2001年交流協定締結)
・ ノッティンガム・トレント芸術大学(イギリス・2001年交流協定締結)
・ 弘益大学校(韓国・2002年交流協定締結)
・ ケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン(ドイツ・2004年交流協定締結)
・ 東西大学校(韓国・2005年交流協定締結)
・ デンマーク王立芸術アカデミー建築学部(デンマーク・2005年交流協定締結)
・ 上海戯劇学院(中国・2005年交流協定締結)
・ シカゴ美術館附属美術大学(アメリカ・2005年交流協定締結)
・ プラット・インスティテュート(アメリカ・2006年交流協定締結)
・ ロンドン芸術大学(イギリス・2006年交流協定締結)
・ ベルリン芸術大学(ドイツ・2006年交流協定締結)
・ スウェーデン国立芸術大学(スウェーデン・2006年交流協定締結)
・ スウェーデン国立芸術工芸デザイン大学(スウェーデン・2006年交流協定締結)

と質・数ともにムサビが日本の美大の中ではダントツです(断定)


また、協定(交換)留学制度

・パリ国立高等美術学校/フランス
・ヘルシンキ美術デザイン大学/フィンランド
・ミラノ工科大学デザイン学部/イタリア
・プラット・インスティテュート/アメリカ

でやってます。
ここまでちゃんとした交換留学制度をやってる美大はやっぱりないんです。


他にもあります。
卒業生を対象とした「パリ賞」というのを1965年から実施してまして、パリにアトリエを2つ持っています。(パリ賞は女子美さんにもあります)
学生の国際交流企画への補助」という制度もあり、初年度は5件採択されました。


決定的なのは、大学案内で数ページにわたって国際交流を特集できる美大はムサビぐらいってこと。
*願書に入ってる大学案内をご確認ください。

こういう風に書くと「留学を勧めたり、国際交流に力をいれるってことはムサビに自信がないからでしょ?」と揚げ足を取る人がいるんですが、自信があるからやってるんであって、「小さな世界の中で考えるのやめませんか?ムサビは世界を見てるんです」というわけなのです。



裏ペディア::
(1)
「高い学費を払って日本の美大に行くぐらいなら、留学して海外の美大に行った方がいい」と考えている高校生やその親御さんがいらっしゃいますが、実際問題、どうなんでしょうか。
詳しくは「デザイン/アート留学のすすめ 2007」を読んでもらうとして(好評につき改訂版がでました。宣伝)。

海外の美大入学は意外と簡単です。実技試験ではなくポートフォリオ審査がほとんどなんです。余談ですが、これだけ高度・高倍率な実技試験をやっているのは日本ぐらいで、「あるレベル以上の絵が描ける人がそろっている」という状態は、ムサビ視察にいらした海外の先生は必ずうらやましがるそうです。

でも、ご存知の通り卒業が難しい。高校卒業していきなり海外の美大に入ると、授業についていくのが大変。実技の壁はもちろん、知識の壁・言葉の壁・文化の壁の4つの大きな壁が同時にやってくることになります。
「それを乗り越えて頑張る気合がある!」という人は大丈夫かもしれませんが、単純に「海外で勉強した方がオシャレ」「この子は漫画が得意だから」ぐらいにしか思っていない人は、リタイアしてしまうそうです。
考えてみたら、楽器が弾けずに音楽留学する人はいませんよね・・・。美術も似たようなもんなんですけど。
実技の壁・知識の壁だけでもある程度大学で乗り越えて留学した方が楽なのは間違いありません。


また、留学した人から「留学して一番考えさせられたのは日本人としてのアイデンティティ」という話をよく聞きます。それは「ああ。やっぱり自分は日本人なんだ」とか「日本の美を語れない日本人の自分とは?」とか。それをほとんど経験していない高校生で海外に行っても、得るものは少ないかも。
そして日本に帰ってきて就職活動・・となった時に、特にデザイン系の方は「日本の美大を卒業するべきだったんだ・・」ということに気がつくでしょう。詳しくは書きませんが悲しい現実が待っています。

なので、タマビやムサビで勉強してから留学する・・・が一番世界で通用するパターンともいえるのです。


(2)
「学費が高いから、アパート代だけでもなんとかしたいなあ・・」と思ってる学生さん。
こんな裏技があります。

レジデント・アドバイザー」制度です。
レジデント・アドバイザーとは、協定(交換)留学生及び外国人研究員用宿舎の一室に入居し、本学に滞在する外国人留学生や研究員の生活面のサポートや宿舎管理の補助をするボランティア学生のことをいいます。 すると住居費等の補助を受けることができるのです
もちろんいくつかの制約がありますが、住居費の補助をしてもらえて留学生と仲良くできる。こんないい経験ができる美大は(以下略)


締切は今月30日までなので、興味のある方はすぐに9号館1階国際交流留学生課へ。

投稿者:ichiro : 2006年11月26日 02:29

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コメント: ムサビペディア::国際交流

ムサビの国際交流について、「訪問教授」という制度も自慢できると思います。海外から招聘した教員、デザイナー、作家等が、単なる交流訪問ではなく、1週間程度の集中授業を担当するのです。全学の学生が参加可能なワークショップ形式の授業や(人数制限はありますが)、教養文化(以前の一般教育)の訪問教授が来たり、と様々です。
授業終了後、持参したポートフォリオを見せながら訪問教授に熱心に質問する学生さんを見ると、ムサビ生の将来への大いなる可能性を感じます。

投稿者 テリー : 2006年11月27日 02:21

>「訪問教授」という制度も自慢できると思います。

そうでしたそうでした。
テリーさん、補足ありがとうございます。さすが。

投稿者 広報の手羽 : 2006年11月28日 07:10