コメントにお答えします2

またしても音量子さんからこの日記に質問をいただきました。

グレートジャーニーの関野さんってもともとはお医者さんじゃなかったでしたっけ?

ムサビの教授と聞いてちょっと奇妙に思ったのですが、ムサビが招聘した経緯をご存知でしたらお教えください。


答えは簡単です。
ムサビは「美術技術鍛錬所」ではなく、「教養を有する美術家養成」をポリシーとした「大学」だからです。


文化人類学と芸術とのつながりは比較的見つけやすい方だと思いますが、他にも「原発で事故が起きると真っ先に呼ばれる」ぐらいその業界では有名な物理学博士もいらっしゃいますし、「日本UNIX業界で知らない人はいない」って人が某デ情にいます。関野先生はメディア的に名前が知られてるので目立つだけであって、「なんでそういう先生がムサビにいるの?」と聞かれると「それは教養も大事にしてる大学だからです・・」と答えるしかないんです。



学生さんはそういう人に物理学を教わったり、ムサビのサーバ室のツアーをしてもらってるのよ。

投稿者:ichiro : 2006年07月31日 04:35

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コメント: コメントにお答えします2

手羽さん、

>ムサビは「美術技術鍛錬所」ではなく、「教養を有する美術家養成」をポリシーとした「大学」だからです。

あまりにも素晴らしい回答で声も出ません...
ムサビに優秀な学生さんがいる理由がよく分かりました。

>文化人類学と芸術とのつながりは比較的見つけやすい方だと思いますが、

ここのところをもう少し詳しく説明していただけるとたすかります。
文化人類学がよく分かっていない上に、今後の学習の参考にもなりますので。

投稿者 音量子 : 2006年07月31日 05:55

>>文化人類学と芸術とのつながりは比較的見つけやすい方だと思いますが、
>ここのところをもう少し詳しく説明していただけるとたすかります。
>文化人類学がよく分かっていない上に、今後の学習の参考にもなりますので。

手羽さんでなく通りすがりの者ですみませんが、失礼させていただきます。

文化人類学そのものでなく、関連領域になってしまいますが、ムサビの民族資料室のサイトhttp://www.musabi.ac.jp/folkart/about/index.htmlをまず読まれることをオススメします。おそらく、すぐ手に入る情報で、かつ美大との関連という意味では、一番とっかかりやすいのではないかと。

手羽さんが何人かの方を例にあげられていますが、こちらで名前のあがっている故・宮本常一名誉教授も、世間的に「え? なんでそんな人がムサビに居るの?」っていうビッグネームの最たる方でしょうね。

文化人類学そのものについては、急がば回れということで、やはり関連書籍を読まれるのがいいのではないかと思います。

投稿者 通りすがり : 2006年07月31日 09:39

通りすがりの方、ありがとうございます。
宮本常一名誉教授のことはいつか触れようと思っていたので助かりました。
ちなみに、「民族」資料室ではなく、「民俗」資料室です。私もよく間違えるので(笑)


音量子さん。
民族学から造形の成り立ちを知ることができますし、民族が固有に持つそれぞれの世界観を知ることは、芸術にかかわる上で非常に役に立ちます。
例えば「なぜその民族ではそういう形のお面が作られたのか?」を調べていくといろんなことが見えてくることってありますよね。必ずその形になった理由があります。お面の部分だけであれば、それは「芸術」「工芸」ですが、そのバックボーンは「文化人類学」「民族学」なわけで,、両方からのアプローチが可能なのです。

投稿者 手羽 : 2006年08月01日 06:06

「民俗学」がもう分からないのですが、「民芸運動」がその親戚くらいということであれば、通信の日本美術史の教科書(水尾比呂志)はその視点で著述されているのだなということが分かります。

「文化人類学」は全く分かっていませんが、世界各地の「民俗学」を分析総合したものかなとも推測しますが、「民俗学」をそもそもきちんと理解していないので、ムサビ卒の手羽さんから鋭い意見を期待しています。

「特定の時代に特定の地域で特定の民族がなぜこのようなことをしたのか(作ったのか)」というアプローチは、既に歴史学(美術史学)で用いられてきたと思います。

投稿者 音量子 : 2006年08月01日 22:20

> 「文化人類学」は全く分かっていませんが、世界各地の「民俗学」を
> 分析総合したものかなとも推測しますが、「民俗学」をそもそもきちん
> と理解していないので、

まずは「文化人類学」を調べてみてください。
文化人類学と民族学と民俗学の関係がすぐにわかるはずです。


> 「特定の時代に特定の地域で特定の民族がなぜこのようなこと
> をしたのか(作ったのか)」というアプローチは、既に歴史学(美術
> 史学)で用いられてきたと思います。

これは私のイメージで申し訳ないのですが、美術史学は例えばギリシャ美術だったりバロックだったりルネッサンスだったりロココだったりを追究する感じで、民族学は生活・文化・習慣をフィールドワークを通して研究する感じ。
この書き方はちょっと語弊があるかな。

投稿者 手羽 : 2006年08月02日 04:49