風が吹いている

FOR MUSABI


思い出話をもうすこしだけ。

高校のことは、思い出せばいくらでも同じように苦しんだり幸せになれたりするから、
言葉が絶えまなく浮かんできて昨日はなかなか眠れなかった。

今、母校の美術部が、美術館をまるっと全部つかって展示してる。
そこに僕も展示させてもらってる。
後輩の言葉に、あのころ「高校生なんだから」って言われるの嫌だったなぁって思ってた気持ちを、それを思い出した。
どうして僕たちは「子供」とか「学生」って存在を、どこか軽んじてしまうんだろうね。
そういう言葉を使うこと自体がなんだかきもちわるくて嫌だよ。
きっと誰もが、そこに過去の幼い自分を重ねるからなんだろう。
あのときの弱かった自分、浅はかだった自分、何も知らなかった自分。
何も考えてなかったことなど一度もないはずなのに、「あのときはバカだった」と言って、
人は自分の中から「子供」を探し出して切り離してしまうんだ。

バカだな。
僕はアートが好きだ。感動には年齢も何も関係ないから。
そのときそこにこめられた切実さだけが人の胸を打つから。

デザイン科なのにこんなこと言うのはどこか信頼性がないかな。
でも卒業までに、デザインにアートを持ち込めるようになりたいって考えてる。

ともかく、展示の搬入に立ち会って、後輩たちの展示に対する姿勢にすごく情熱を感じたんだ。
それは残念ながら大学に入ってからはあまり感じられないものが多くて、なんていうか、びっくりしたんだよ。
長くなってしまったけど、今回の展示を、「なんだ 高校生か」って通り過ぎてしまう人がいたとしたら、ほんとうに、それは残念なことだなって、悔しいことだなって思ったんだ。

もうすぐ4月だね。
そんな僕の自慢の後輩たちが「あこがれの先輩」って言ってくれて、僕はなんだか今後どうしていいかよくわかんないよ。
いつも、いっぱいいっぱいだ。
早く、大学の講義を受けたいな。
もっと胸を張ってものが言えるように。


オトギ

投稿者:fantasy : 2013年03月24日 22:58

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