こんなすばらしい秋の日に

FOR MUSABI


昼さがり、エミュウのカフェスペースで
女子5人「ほんとにいい天気だね」だなんて言って
のんびり、なんてことないおしゃべりして笑ってた


陽に当たりながらお茶したのなんて、
ほんとにひさしぶりで それだけでとても幸福だなと思った。
ひざしがやわらかい、
かぜがすずしい、
それだけでとても幸福だと思ったんだ。


今日の夜は、先々週のワークショップのうちあげに
みんなでごはんを食べに行った。
あんなに長い間いっしょにいたのに
まるで知らなかった、
お互いの家族のこと。受験期のこと。これからのこと。
ひたすらに喋って

帰り道 すっかり冷えた空気に「もう秋だね」なんて言って
変なのと思った。

どんなに僕の中の時計の針の速度を変えても
進んでいく、変わっていく、起こっていく、
とめられず、終わっていく、忘れていく。
そしてまた始まっていく。
ふりかえることももどりたい日々も何ひとつとしてないけれど。


刺すように鋭かった夏の日差しが
ほどけて
今はもう肌をなぜるようになった秋の光のように

曖昧なようで確実な時間の流れ。


その中に僕はたしかにいて、
やわらかく閉じかけたまぶたに
ただただ幸福な午後に
冷えこむ夜風に
こんなすばらしい秋の日に


すこし切ない。

オトギ

投稿者:fantasy : 2012年09月26日 23:03

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