気のとおくなるほど遠いどこかから、たしかに聞こえる。

FOR WORLD


文字を読むという行為は、明け方の夢のように曖昧で
真夜中の談笑のようにやさしいことだなあ と思う。


友人が誘ってくれて、印刷博物館の世界のブックデザイン展を見て来た。
透明なガラスの傘のような屋根のある入り口を通って、
いくつもの本たちが並べられる一室で、黙々と本を開く人々に加わった。

手紙のように、本をナイフで開いて読む本や
あちこちが手書きの文字でつづられた本。

異国のものは当然のことながら字が読めないのだけれど、
そっと開いて、耳を傾けるように指先で文字をなぞってみる。
まるで、そうすれば意味が聞き取れるとでもいうかのように。

本を読むことは、口を閉ざすことと同義で
誰かの話をじっと耐えて聞き続けることに等しい。
口を挟む隙も与えず ずっと話し続ける事の難しさはまるで
そうまでして伝えたい作者の想いを裏づけるようで
とてもいとおしいと思えた。

オトギ

投稿者:fantasy : 2012年02月18日 19:59

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