2つの家族の物語

観てからちょっと日にちは経つのですが連日で家族を描いた映画を観ました。
1日目は「グッド・ハーブ」(心に効く薬とでも訳すのかな)というメキシコ映画
2日目は「エンディング・ノート」ドキュメンタリーの日本映画

「グッド・ハーブ」の方は認知症を発症した薬草研究家の母ララと
シングルマザーで束縛されない生き方(ちょっと危なっかしいけど)を
選んでる娘ダリアのお話。
植物たちの繊細な様子やラテンな女性たちのたくましい日常をほほうと
見せてくれるのだけど独立心が旺盛なララの病状が悪化していく様子は
身につまされるようでつらいものもあります。
ダリアにとって植物学者の母ララはちょっと不思議でまぶしい存在でもあったよう。
そんな人の人格が変わっていくのを目の当たりにするのは娘としてやはり悲しく切ない。

ラストは「ええっ!?」というような終わり方。
ララが心を許して身の回りの世話を任す女性は慈しんで育てた孫娘を
殺されて亡くすという過去を持ってて
その孫娘が華やかなドレス姿で幾度となく現われるシーンが
幻想的でした。

「エンディングノート」の方は末期ガンと宣告を受けたお父さんが残された家族が困らないように
エンディングまでの段取りをしていく様子を次女である監督が愛をこめて、でも冷静に記録した作品。
こちらは日本ならではの心情の綴り方があって観客をトリップさせてしまうようなメキシコ映画に
戸惑っていたDも泣けてしまうような鉄板の傑作。お父さんのお人柄によるものも大きい。

知的でユーモアにあふれた家族関係があったからこそのドキュメンタリーだけど
親を見送らなければならない子として、また子どもを残して逝く親としての立場
両面から観ちゃいましたね。
「家族を撮るドキュメンタリーは禁じ手」と言ってた師匠の是枝さんも脱帽した砂田監督の次作が
観てみたいです。


天使.jpg

習作でつくった天使

羽がちょっとキングギドラ風になってしまいましたね。

投稿者:koko : 2012年03月01日 00:47

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