ムサビ日記 - ここのこ -
リアルな美大の日常を
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2011年09月03日
「それでも、生きていく」 リアル篇
今日はすこしマジメなお話を。
報道量はグッと減り、放射性物質の放出量も落ち着いてはいるけれど
依然深刻な状態で原子力発電所の事故は続いています。
放出されたセシウムは広島原爆の１６８倍という環境の下で何とかやっていかなきゃならなくなりました。
ツライね。
今決められてる食品の「暫定」規制値（セシウムなら�舛△燭蝪毅娃哀戰�レルというアレ）
「今は緊急事態なのでしょうがないけど一時はこれでガマンしてね」
という意味合いのものです。
放射性ヨウ素とセシウムとウランとプルトニウムその他アルファ核種
を合わせて食べものからの被ばくが最悪で１７ミリシーベルトになっちゃうけど緊急事態だからね
許してね。だから「暫定」いずれ変えますという意味。＊でも税金で変わってないヤツあるけど
本来は合計で５ミリシーベルトだったのがどっかで？ヨウ素は２ミリそれ以外は各５ミリになったらしい。
実際はウランやプルトニウムはそんなに食品にまんべんなく含まれる状況には
ないと思います。（本当は検出されたら食品としてアウトだと思う）
決められた時はそこまで危惧してたのかもしれません。
測定しづらいという事情もあるのですが。
１年食べ続けたら最悪１７ミリシーベルト内部被ばくかも（そりゃアカンがな）
という暫定規制値の見直しの一歩として
８月２７日まで食品安全委員会が放射性物質の食品健康影響評価（案）」をパブリック・コメントにかけてました。
この評価（案）は、被ばくを生涯「100ミリシーベルト」までに抑えるという考えに基づくもの。
どうも年々被ばくが少なくなるという希望的観測がベースにあるようで
生涯っていう捉え方も漠然とし過ぎてて本来の放射線から身を守るための規制から外れた感じに
なっているのを否めません。やっぱり１年くらいに区切って規制があるべきだと思います。
できれば続報に関心を持ってて下さい。
実行力のある尊敬する知人が市民測定所を立ち上げ
主に福島県内で採れた食品の汚染度を測定しています。
全般的に今の暫定規制値を超えるものは少ないようです。
むずかしいけれど今後は検出値を表記して市場に出すようになるかもしれません。
それぞれ放射性物質で実効線量係数があるので計算しながら食べるとか。
食事療法のカロリー計算みたいなイメージ。
年齢的に幼い子どもほど放射能の感受性が強いけれど
おとなはには影響しづらくなるので映画のR指定みたいな感じで
１８禁の食べものとか。タバコもそうだし。
もうひとつ深刻な問題として汚染されたガレキや焼却灰があります。
降ってきちゃった放射性物質は雨で流されても
結局はたまっていっちゃうので。東京でも問題になってるよね。
環境省はこの埋立て規制値も�腺牽娃娃哀戰�レルだったものを
「１０万ベクレルまで許すね」としちゃいました。
各地で本当にこんなことが行われるのか、見ていかないと。
実は福島から避難されてきた知人の前では
口に出せなかったことがありました。
「福島県外の街でガレキを受け入れるというのはどうなのかな？」
減農薬で農業をしている男性が彼女に訊いたのです。
彼女はその問いに
「拡散させてはいけないと思います。
人が住めなくなり農作物が作れなくなった土地に
とどめておくことだと思います。
そして汚されていない水や空気や土で福島の子どもたちのためにも
安全な食べものをどうぞ作って下さい」
と答えました。
いつもはおだやかな彼女ですが毅然と。
胸が締め付けられる想いがしました。
何とか生きていこうね、と避難先で家族一緒に暮らす決意をかためた
彼女に声を掛けることしかできませんでした。
＊「それでも、生きていく」というTVドラマを見続けてるのですが
今の心境にぴたりとしてしょうがないのでタイトルをちょっと借りました。
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ここのこさん
私が活動している学会の1つ、福祉のまちづくり学会でも、阪神淡路大震災を機に設立されたという経緯もあり、震災被害の問題には積極的に取り組もうとしていますが、どうしても震災・津波・原発の三重苦をこうむった福島に関しては「口数」が少なくなる傾向があります。
そのことが内部批判として提示されることもありました。
多分そうなるのは、メインな活動領域が土木や建築、都市計画、交通・・・そうでなければ私のように社会福祉、保健・・・と言った感じで、自分の専門外であるということがひとつ。
しかしそれにも増して大きいのが、どの「立場」からどう「構築」するかによって事態の見え方や、その先の表現の仕方がかなり違うからだと思います。
これ以上は、このブログであまり書くべきことでないかもしれないので控えますが、ここのこさんのおっしゃる「続報に関心を持って」というメッセージは肝に命じたいです。
その情報がどの立場の誰から発せられるものかを含めて見極めてまいりましょう。
投稿者 ドラドラ : 2011年09月04日 09:07
とても読みやすかったです。
たくさんのメディア報道と、それを疑う人たちの発言と
で、最近混乱していたのですが、こんがらがっていた糸がちょっとほどけたように思います・・・。
そのお知り合いの女性は、凛とした方ですね。
背筋がのびました。
物語でなくても、人は実際にそういう言葉を自分の言葉として口にできる。
その事実に、感動します。なんとかしなくちゃ という気にさせられます。
投稿者 オトギ : 2011年09月04日 23:50
ドラドラさん
真摯なコメントありがとうございます。
＞どの「立場」からどう「構築」するかによって事態の見え方や、その先の表現の仕方がかなり違うからだと思います
いろいろな立場の方がおられますものね。
お察しします。
環境中に放出された量が多く、今までの法律では対処しきれないというのが
現実なので「こうすれば安全」と誰もが確信を持って言い切れない状況
だと思います。
今できることはアンテナを張って推移を見守るというところでしょうか。
またご意見を聞かせて下さいね。
オトギさん
読んでくださってありがとうございます。
ここのこは専門家ではないのですが食のリスクコミュニケーション
などを行政から「勉強しに来てね」という立場にいるので
今回は言葉足らずながら書いてみました。
食べものの規制は今の暫定値よりはきびしくはなると思います。
今は排水より水道水の方が放射性物質の規制が緩いというヘンな状況にあるので。
＞そのお知り合いの女性は、凛とした方ですね
オトギさんにこう言っていただいてうれしいです。
彼女に伝えますね。
おだやかなのですが芯がしっかりしていて非常時に強いです。
オトギさんも感性が豊かで言葉のつむぎ方が大変すばらしい方だと
思います。見習いたいです。
こんな不安が多い世の中にしてしまってごめんなさい。
オトギさんのような若い方たちには申しわけないと思っています。
投稿者 ここのこ : 2011年09月06日 17:17