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教科書を借りる
近所の図書館で、小学校6年生の国語の教科書を借りてきました。
もともとはゼミで使う本を借りようと思って行ったのですが、その本と同じ棚に、小学校から高校までの教科書がひとそろいあったので、以前、光村図書の国語教科書に『柿山伏』が載っていると聞いたことを思い出し、借りました。
とりあえず、『柿山伏』を探して目次を開くと、『柿山伏』は「はってん」らしい。
「はってん」は学習指導要領には示されておらず、一律に学習する必要はありませんとのこと。なるほど。
それでもやっぱり、教科書会社としてはけっこう売りにしてるんだよなあ。そうじゃなかったら、特集のページは作らないものね。
念のために(現行の)学習指導要領を見てみる。
「易しい文語調の文章を音読し,文語の調子に親しむこと」が目標になっているし、留意する事項にも日本の伝統芸能を取り上げる意義の根拠にあたりそうなことが書いてあるけど、うーん、これは短歌・俳句の単元でおしまいということなのかな。
さて、肝心の『柿山伏』。落語や歌舞伎など、狂言以外の日本の古典芸能の紹介ページのあとに、狂言のちょっとした解説、そして写真とともに台本がつづく。
ざっと目を通して、びっくり。
ちょっとでも難しい言葉(例えば「まかり下る」とか)が出てくると、すぐに隣にカッコして「帰る」なんて注意書きが入ってしまう。
もちろん、「国語」の教科書なのだから「意味」に重点が置かれるのだろうな、と想像はつくのだけれど、何だか解せない。
以前、ある狂言師さんが幼稚園で『柿山伏』をやったあと、その幼稚園の園児から、「また一緒に遊ぼうね」という手紙が届いてうれしかった、という話を聞いたことがある。その子にとっては遊びだったんだ、と思うとうれしかったそう。
幼稚園で狂言をやるときは(その家の人は)簡単な説明だけして、「狂言は600年前からある劇です」なんて言うと、時間の感覚がよく分からない園児たちは、それだけで度肝を抜かれちゃうんだとか。
もちろん園児たちに見せるからっていちいち説明を加えるわけではない。
何が楽しかったのかは分からないけれど、楽しかった、遊んでもらった、という感覚が残る。
その話がとても好きで、印象的だった私は(その狂言師さんもいろんなところでその話をしている)、「国語」として「学ばせる」ことに、何だかなあ、と思ってしまった。(いやもちろん、小学校の国語は「学び」なのだけども…)
以前も書いたけれど、私は生まれて初めて見た狂言が『柿山伏』で、しばらく時間を置いて2度目に見たのも『柿山伏』だった。
2度目を見るまですっかり忘れていたのにどうして思い出したかというと、柿を食べるときの描写がとても印象的だったから。
無意識のうちに、私の中に「あむ、あむ、あむ」という不思議な響きが残っていたのですね。
どんなに意味が分からなくても、「食うてみょう」とか、「食びょう」とか、「えいえい、やっとな」とか、ちょっとでも引っかかるところがあって、それを面白いと思ってもらえれば、中身なんてあとから理解すればいいのに…
と思う一方で、でもこれは国語の教科書なのだよなあ、と思う。
それに、この単元の目標として(「はってん」ではあるけれど)、「登場人物のせりふややり取りから、狂言のおもしろさを味わってみましょう」と書かれている。
この目標を達成するためには、しっかりと、まるで英語の教科書を日本語訳するかのようにやっていかないといけないのかな、とも思う。
当たり前だけれど、能舞台についての説明なんてないし、山伏の装束についてだって触れられていない。葛桶の存在感も、謎。
これで、いくら最後に狂言師さんのお話を入れたからって、「狂言のおもしろさを味わっ」たことになるのかなあ…
何だか、実感がないような気がする。(「鑑賞」できればいちばんだけれど、それもなかなか難しい)
納得いかないまま、とりあえず最初から教科書を読んでみることにする。
で、のっけからびっくり。
「十二さいの言葉を残そう」と題して、学習記録を作ろうというページが出てきた。
1年かけて、冊子の形で漢字学習や読書の記録を残そうをいう取り組み。
これって、すごく重要なんじゃないだろうか。記録を取って、それを冊子にする。人に見せる。
昨日はずいぶん偉そうなことを書いたけれど、でも私が言いたかったことの入門編が、これなんじゃないの?
あーびっくりした、と読み進めるも、いろんなページでびっくりしてしまって、繰る手が止まってしまった。
短歌・俳句の単元では、ほとんど文語についての説明がない。目標が「ひびきを味わおう」となっているから、それでなのかな。
「ガイドブックを作ろう」という単元では、目標が「相手や目的に合わせて書こう」となっていて、でもこれって、本当にこの目標の意図を理解してやれている先生がどれほどいるのだろうと思う。
国語の教科書で取り上げたら、やっぱり言語に偏ったガイドブックが出来てしまうんじゃないだろうか。この単元そのものを飛ばしちゃう先生も出てきそう。
でも、すごく大事な問題を取り上げているのに、ともどかしい。
ユニバーサルデザインを扱った文章も載っていて、でもここからどれだけ、ユニバーサルデザインの勉強が出来ているんだろう、とか。
教科書って、高校を卒業してからほとんど初めて手に取ったけれど(図工や美術の教科書はわりと見ていますが)、いろんなヒントが転がっているなあ、と思った。
ちょっと、真面目に読んでみよう。
ではまた明日。
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