私のいちばん好きだった舞台

いよいよ明日最終回を迎える、朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』今朝のアナウンサーの暴走にはおったまげました)。
ドラマの中では落語の常打ち小屋「ひぐらし亭」が完成しましたが、そのようすを見ていて、へっぽこ演劇部員だったころのことを思い出しました。
新入生歓迎特集がどうやら2回で終わったみたいなので(第1回入学式編/第2回Macとパソコン編)、今日はその話を。


私の所属していた演劇部は、コンクールにまったく興味がなく、外部の人に自分たちの作品を見せる意志もない、ただの自己満部でした。
春公演、秋の文化祭に向けての準備をしながら夏の合宿で夏公演、文化祭、冬公演、そして卒業生を送り出す送別会。年間5本(途中までは春公演がなく、4本でした)の公演を、ただただ学校内の人に見せるだけ。文化祭は外部のお客様もいらっしゃいますが、外部といっても出演者の親類縁者だったりするわけで、限りなく自己満に近い部活でした。
そんな中でも、唯一、外部のお客様の目に触れる機会がありました。それが、合宿先で行う、夏公演です。外部のお客様、といっても合宿先のホテルの支配人以下数名を、2日間夜中まで練習してごめんなさい!の意味を込めてご招待しただけなのですが、私はこの公演の感じが、とても好きでした。
公演に使うのは、ホテル(とは名ばかりの旅館)の宴会場。何でだか、能舞台のように松の絵が描いてある舞台があり、そこを使っていました。ろくな照明があるわけでもなく、唯一の照明器具である蛍光灯は、今にも切れそう。しかも、普通の部屋の電気みたいにスイッチで操作!舞台の裏にはお膳やお皿、座布団などが山積み、虫の死骸がわんさか。
おそらく、私たち以外に使う人はいなかったのではないかと思います。
夏のたった1日だけ、演じる人を得て息を吹き返す舞台が、私はとても好きでした。
学校では、講堂や生徒会室を(生徒会室は人がたくさん入るので、春冬の公演に)使っていましたが、あの舞台ほど場所が生きているような感覚になるところはありませんでした。この場所は間違いなく「舞台」なんだなあと、毎年思っていました。
私は廃墟が好きで、ネットで写真を見てはぞくぞくしているのですが(さすがに自ら行くほどの勇気はありません)、その「ぞくぞく」に通じるものがあるのかなあ、と思います。人の手を離れると、家やそういった場所はすぐに荒れてゆくようなので。
そんなことを、ひぐらし亭を見ていて思い出したのでした。
人がいて、愛されて、賑やかになってゆくひぐらし亭に、あの宴会場の舞台を重ね合わせていました。
あそこから見る景色は、格別のもの。


というかまあ、私が演劇部の本公演で舞台に立てるような役者じゃなかったっていうのも、大いにありますけれど。笑


※本公演とは文化祭と送別会のこと。この2つの公演にはオーディションがあり、宝塚にどっぷりだったうちの演劇部は、宝塚っぽい発声をしないと役がもらえなかった!笑(今なら真似できちゃうけど、あのころはわけがわからなくて嫌悪しておりました…)
春公演と冬公演は全員役につけるけれど、講堂の舞台は使えず、生徒会室の平らなところでやるだけ。
高校3年生で自主公演を打つまで面白みのない生徒会室の使い方しかできなかったので、非常につまらなかったです。
だから、余計に「舞台っぽい舞台」を使えた夏公演の印象が強いのですね。ちなみにこちらもオーディションはなし。
合宿直前に組んだ班で、90分ほどのお芝居を作りました。3泊4日、うち練習は2日間。すごいですね。


またいつか、あの舞台に立ってみたいなあ。


ではまた明日。


michitori◎hotmail.co.jp(◎→@)

投稿者:torico : 2008年03月28日 22:02

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