介護等体験6.0日目

今日は、一昨日担当したフロアに戻ってお手伝いなど。
午前中は特にすることがないので利用者さんとお話ししたり、切り絵をしたり。
午後からは忘年会兼クリスマス会で、お子様シャンパンを飲んだりケーキを食べたりしました。
今日は、ひとつびっくりしたことがあった。
その話はのちほど。


今日、施設に行ってみると、班員がそれぞれネタを仕込んできているのが分かり面白かった。
似顔絵を描くためにスケッチブックを持ってきていたり、絵本を持ってきていたり。
私も、昨日仕込んだネタを披露。
私が仕込んだのは、いわいさんちwebで読んだ連続模様の飾り切り絵
簡単できれいそうだし、具象でも抽象でもいけそう。
とりあえずいくつか見本を作り、あとは切るだけになったものをたくさん持っていく。
エプロンのポケットにわざと見えるように入れていたら、利用者さんに「それ何?」と言われ、しめしめ、とスタート。


が、「紙がつながるように切ること」「なるべく単純に線を引くこと」の説明をするのはとても難しい。
それに、どうしても「私にはそんなことできないわ〜」になってしまう。
だったら、私がどんどん作って、それを飾れるようにしてもらおう。
ということで、私が作ったパターンの中からいくつか選んでいただき、色画用紙にボンドで貼ることに。
単純な形よりも複雑で繊細な柄が受ける。
この穴は衣紋かけにかけた洋服みたい、などと話しながら、色画用紙にぺたぺた。
1人目は、まあきれい、と言ってくださってうれしくなる。
じゃあお部屋に飾りますか?と聞いたら、でもここは私のうちじゃないから、勝手に貼っていいのか分からないわ、とのこと。なるほど、そうだよね。


2人目の方とやりはじめ、しばらくしたところでお昼ごはんの時間になってしまう。
画用紙に切り絵を貼って、じゃあここから何をしようか、と相談していたところだったので、じゃあごはんの後にまたやりましょうか、と言って私もごはんを食べることに。
しかしその方は短期記憶障害(=新しい事柄が覚えられないこと)があるので、おそらくお昼のあとにはこのことは覚えていらっしゃらないんだろうな、と思っていました。
午後は2時から忘年会だったので、お昼ごはん後の1時から少し、時間がありました。
で、さっきの方のところに作りかけの紙を持って行ってみる。
やはり、「あなたはどこから来たの?」「女の子?」「おいくつ?」から話が始まる。
そうだよなあ、と思いつつひと通り答えて、その後に「もしよかったらこれやりませんか?」と作りかけを差し出してみた。
すると、その方は「これあなたとさっき作ったんだったわね。他に何描こうか」とおっしゃった。


私はすごくびっくりして、どうしてそこだけ覚えていたの?と混乱してしまった。
さっき、「もしかしてここに黄色いたんぽぽ描いたらかわいいかもね〜」などと話していて、でもそのことはもう覚えていはいないのに。
私とこれを作ったこと、それはきちんと覚えていたのだ。
もちろん、それを認知症の不思議なことだとか、偶然だと捉えてしまうことは出来る。
けれど、それが「私と作った作品」の上で起こったことが、驚きだった。
私は、私と何かを制作することが、影響を与えたり残ったりするなんて考えてもいなかった。
「美術によるコミュニケーション」がこの実習の目的だけれど、実のところそれはあまり信用していなかった。
もしかして、今日のこの出来事は単なる偶然なのかも知れない。
でも、と思う。なんか、ちょっとくらい信じてもいいの…、かも?


2時からはパーティー。
シャンパンやケーキを配ってまわったり、くじ引きの司会をおおせつかったりしました。
くじ引きの賞品が、室内でもできるかわいい襟巻きで、なるほど〜、と思う。
ちょっと明るい色にするだけで、当たった人が「洋服に色が入ってうれしい」とおっしゃる。


パーティーのあとはみなさん疲れたのでまったり。
お部屋に帰る人や、テレビに見入る人、私としゃべる人、などなど。
私はしゃべる人が限られてきてしまって反省…
やはり、合う人合わない人というのが出てきてしまって、上手くゆかない。


それにしても、今日はみなさんに「坊ちゃん!」「お兄ちゃん!」と呼ばれ大変でした。笑
フロアを担当している職員さんにも、「よく言われるね〜」と驚かれるくらい。苦笑
そして私が女の子だと分かり、年齢も20歳そこそこだと分かると、「いい人はいないの」の嵐!
いないんだからそんなに言わないでくれ〜泣
と、泣いてみせると笑われる。えーん、ますます悲しいぜ。


今日、ようすを見ていて感じたこと。
家に帰りたい、ここは私の家じゃない、という人。
いつも貴重品を入れて持ち歩いていたセカンドバッグがなくて、ご家族に持ってきてもらっていた人。
行っていた大学の話をしてくださる98歳の人。(今98歳で大学に通っていたとは!何というエリートだ!)
高女に通っていたときの話をしてくださる人。(こ、こちらも頭のきれる…すごい)
お子さんを産んだときの話をしてくださる人。


それぞれの今、はここにない。今はもっと昔、とてもよかったときのこと。
曾祖母もそうだった。
話すのはいつも、自分の小さかったときの話。
お母さんが迎えに来てくれる話。でもどこかへ行っちゃう話。
お父さんの来た話、お兄さんの来た話。
みんな、とっくに亡くなっているのに。
でも、きっといちばん幸せだったときのこと。
それはそれで、もしかして決して不幸ではないのかもしれない。
私もそうして、ムサビ日記を書いていた大学生のころのことや、部活ばっかりやっていた高校生のころのことを、記憶に深く深く残していくのかなあ。


さて、実習も明日でおしまいです。
何だか気を抜いてしまいそうで怖い。
また新たなネタを仕入れたので、時間があったらやってみよう。
明日は早くも、飾りをお正月のものにするんだとか。
で、それを利用者さんに話したら、「こんなとこ、飾ったって明るくなりゃしないよ〜」と言われてしまいました。笑
まあ、それもそうかもね。間違ってないです。


今日の帰り、「また来なさいよ」「気をつけて帰ってね」とくちぐちに言われ、一昨日とは違うその反応に少し驚いた。
でも納得できる。
明日、おはようございます、と言ったら、また男の子に間違われるんだろう。
まあ、大丈夫さ。明日は明日。


ではまた、明日。


michitori◎hotmail.co.jp(◎→@)

投稿者:torico : 2007年12月23日 21:37

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