介護等体験4.0日目

さて、今日から介護等体験の実習が始まりました。
6月から7月にかけては施設の飾りつけを行っていたのですが、今日から4日間は、朝から夕方まで入所者さんと一緒に過ごして施設のお手伝いをします。


私は認知症の方がいらっしゃるフロアを担当することになりました。
学校の授業で、事前学習として認知症についてその症状について調べていたので、実は目の前で起こる事態にはあまり驚かず。
むしろ、あまりに調べていたことばかりが起こるので、事実としては拍子抜けした部分があります。
ただ、起こっている事実が私に与える「影響」や「衝撃」というのは大きなものです。
例えば、認知症の症状として「短期記憶障害=新しい事柄が覚えられないこと」というものがあるのですが、みなさんなかなか、私が女の子であることを覚えてくださらない。
というか、ことごとく男の子に間違えられるのです、私。びっくりしました。
確かに小さいときから、言葉づかいが乱暴だったりさばさばした性格だったりしたせいか、男の子みたいね、と言われては来ました。
けれど、「女の子みたいね、目が優しいから」と言われた今日は、とにかくびっくり。
髪の毛がすごく短いことが原因みたいです。(しかも先日切ったばかり)
加えて、今日は動きやすいようにと長袖Tシャツにパーカー、ジーンズ。
あ、客観的に見ると男の子みたいかもしれない。笑
しかもみなさん、「あら、でも胸がないじゃない」などと仰る。
正直だなあ…泣笑


でも、エプロンの胸につけた名札に、フルネームを書いたのは正解でした。
私の下の名前はわりと珍しく(いないわけではないがあまり聞かないかも)、「話のネタになるかも」と思ってわざと書いていったのですが、やはり食いつきがよかった。
「とりこちゃんっていうの、かわいいわね。誰がつけたの?」
といっぱい聞かれました。
このちょっとした技、自分の名前の珍しさを自覚している人なら使えるかも。


今日のお手伝いとしては、お風呂からあがった方の髪の毛を乾かしたり、音楽療法に一緒に行ってジングルベルで羽目を外したり(私はいまいち外しきれず)、おやつの介助をしたり。
髪の毛を乾かすなんて、家族以外ほとんど初めての体験だったのだけど、触り心地が小さな子のようで、びっくりした。やわらかくて、ずっと触っていたいような。
音楽療法は、あまり興味なさそうにしている人や、眠そうにしている人の間に割って入ることができず、先生(キーボードを弾いて歌を教えてくださる方)にちょっと怒られる。
そのときの私に対する言葉づかいの鋭さにびっくりする。
でも、音って色や形と同じように、人の心をさわがせるのだなあ。
私自身、決して音楽が好きでも得意でもないのだけど、正直、音楽には負けたなあ、と思った。
明日、私たちの班が考えた「交流企画」というものをやるのだけど、それは、「美術を通してコミュニケーションをはかる」ことを目的としていて。
でも、今日の様子を見ていて何だか自信がなくなったり。
私にとって美術というのはすごい力を持っていて、だから美術の教員になろうと思うわけなのだけど、本当にそんな力なんてあるのかなあ、と。
まあ、明日になれば分かるでしょう。
そして明日の制作の説明を、私がしなくてはならないのです。
班の中で私が選ばれた理由は、「芸文だから」。笑
大丈夫なのかなあ、大丈夫なのかなあ…
不安ですが、やるしかないのでやります。


おやつの介助は、なかなかうまくいかず職員さんの助けを借りつつ。
そしてやはり、ぽっかり空いた時間の使い方に苦戦。
最初に、みなさん実習生慣れしてますからかわいがってもらえますよ、と言われたのだけど、こちらから積極的に話しかけないとその段階までもいかないのだなあ、と。
私は自分自身の性格がとても人見知りがはげしくて(でもいったん好きになると大丈夫なのだけど)、だから第一歩がとてもつらい。
お昼ごはんやおやつのあとだと、みなさんうとうとしていたりして、何だか話しかけにくかったり。
私は以前から、「私みたいな若造が、入所者さんのペースなり気持ちなりを乱してしまうことはないか」と考えていて、授業を担当している先生に「それは心配することはない、大丈夫」と言われているのだけど、やはり頭で考えてしまうとだめだなあ…
例えば私だったら、と考えてしまうと、何だかあまり話しかけてほしくないような気がしてしまう。


以前もここで書いたけれど、今年の3月に亡くなった私の曾祖母は、認知症だった。
だから子どものことも孫のことも、覚えているときもあるし覚えていないときもある。
曾孫の私のことに至っては、すっかり忘れてしまった。
でも彼女の死に立ち会って、私はそれなりに衝撃を受けた。
新年の挨拶に行くと、いつもお年玉と一緒に大きな飴をくれた曾祖母。
私がまだ幼稚園に上がるか上がらないかのころ、曾祖父(戦争中に病気で亡くなったそう)のお墓参りに行ったとき撮った写真の中の笑顔。
奥の部屋で、お相撲の中継にいちゃもんつける茨城のはげしい言葉。
私は彼女が施設に入ってから一度も会うことはなかったのだけど(認知症の症状が出ていたので、私が行くと混乱させることになるから)、今、何だか彼女に会っているような気がしてならない。


今日はここに泊まるの?私の家はどこ?という方。
お風呂に入るのが怖い、何か怖ろしいことが起こるから、という方。
職員さんを怒鳴りつける方。


私の担当するフロアにいる方は女性が多い。
そのせいか、あそこにもここにも、私の会うことのなかった曾祖母がいるような気がしてならない。
みなさんが発する言葉はどれも、曾祖母の口からも発せられたと、面会に行った祖母や母から聞いた。


「おばあちゃんがね、茨城のおうちに帰るって言って困ってるの。
看護師さんが、ここがおばあちゃんのおうちだよって言ってるくれるんだけど、おばあちゃん頑固だからねえ…
看護師さんのことも怒鳴って、あちらはお仕事だから慣れてらっしゃるけど申し訳ないわ」


彼女だったら、私が話しかけたときどう思うんだろう。
そんなことを考えていると、どうしても前に進めない。


ただ、自分のおじいちゃんやおばあちゃんと接するみたいにすれば大丈夫、と他の班の人から言われているので、私のこの感覚は、決して捨てていいものでもないのだろうな。


残りは3日ですが、うまくいくことをいのりつつ、がんばろうとちかいつつ、寝ようと思います。
おやすみなさい。


そうそう、施設内の湿度がとても低くて、のどの弱い私はつらかった。
加湿器も小さなのをつけたり、濡れたタオルを干したりしているのだけど…
みなさんは大丈夫なのだろうか。


ではまた明日。


michitori◎hotmail.co.jp(◎→@)

投稿者:torico : 2007年12月21日 22:35

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