劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレムver.)」@四季劇場 秋

6月にも見に行ったミュージカルの、バージョンちがいを見に行きました(前回は特に感想を記していません)。
10年前に初めて見て、それからずっと好きなミュージカルです。レパートリーとしては、多分今までの人生でいちばん好き。人生、なんていうと強烈だけれど。
「ジーザス・クライスト=スーパースター」(以下JCS)をやっている隣の劇場、「四季劇場 春」では、ライオンキングが10年目のロングランを迎えます。
今日は、夏休みのお昼の公演、ということもあって、駅から劇場までの道のりに子どもがわんさか!
JCSの客席にも小学校にあがる前くらいの子どもがいて、私はなんだかぐったり(だって開演直前に、いすが低いとかなんとかで大騒ぎして、開演が遅れたのです)。


「親はどんな意図があってミュージカルを見せるのだろう」と思いました。
やはり、「教育」という面が大きいのだろうか。
それこそ小学校にあがる前からミュージカル(「アニー」)を見ていた私は、母にインタビューを決行。実際に、子どもにミュージカルを見せたお母さんに聞いてみました。


私:「なぜ私にミュージカルを見せたのですか?」
母:「私が見たかったから(母は今も昔も大の観劇好き)。それに、あなたは騒いで迷惑をかけるような子どもじゃなかったから、連れて行っても大丈夫かなって思って」
私:「実際静かだった?」
母:「もちろん」
私:「周りの子どもはどうだったの?」
母:「なーんか落ち着いてなかったわねえ。ずっとがやがやしてた」
私:「1年だけ、『アニー』じゃなくて『ピーターパン』を見た時があったよね?あれはどうして?」
母:「アニーに飽きたから」
私:「その後、劇団四季を見るようになったのはどうして?」
母:「ピーターパンがつまんなかったのと、あとはあなたがちょっと大きくなって、そういうのを見せてもいいかなと思うようになったから」
私:「劇団四季で最初に見たのは『美女と野獣』、その後『キャッツ』と続くわけだけど、これは意図的?」
母:「スケジュール的な偶然もあるけど、まあ楽しそうなのを選んだ」
私:「結果として、私はあなたとよくお芝居を見に行くわけだけど、それについてはどう思う?」
母:「…楽しい。ふふふ」


私の母の場合、いい物を見せるとかそういう考えではなくて、「自分が見たい」「だから子どもにも見せたい」でミュージカルを見せていたようです。
その結果、私が観劇を趣味にするようになったのは…、これはDNAなのでしょうか。いくら親が好きで子どもに押しつけても、子どもが好きになるかどうかは分からないわけですから。


去年のことになりますが、電車の中で、女子高生3人組が話している場面に出会いました。どうやら彼女たちは先日、「キャッツ」を学校で見てきたようす。
「○○の役をやってた人がかっこよかった!」「舞台の周りがいろんな形になっててすごく面白かった!」
興奮気味に、大きな声で話す彼女たちの姿を見て、舞台といい出会い方をしてくれたなあと、すごくうれしくなりました。聞いたところ、彼女たちは全員が、舞台初経験。それでこんなに楽しい楽しいと言ってくれて…
でも一方で、いい出会いが出来ない人もたくさんいるんだろうな、と思いました。


今日の子どもたちを見ていても、そう思って複雑な気分になりました。
みんな、楽しい思い出だけを持って帰ってくれるかな?ライオンキングは長丁場だと聞くけど、飽きたり泣いたりしないかな?
ただでさえ、劇場で子どもたちに向けられる視線は痛いものです。私も、そばに子どもがいる観劇は落ち着かない。いつ騒ぐか?騒いだときに保護者は適切に対処してくれるか?不安はお互いにあります。


だからと言って、子どもには子ども向けのお芝居を見せていればいいってものではない。そもそも「子ども向け」ってなんだ?となります。これは、絵本に対する多くの誤解と同じものでしょう。


よく、演劇が嫌いな人のその理由に、「学校で見せられたお芝居がつまらなかったから」というものがあります。学校に来た旅回りの劇団の芝居がすごーくつまらなかったとか、学校単位で連れて行かれたお芝居がすごーくつまらなかったとか、長かったとか。
お芝居の内容が、教訓的なものでつまらなかったという話も聞きます。


私は、そういう人に何が出来るのかなあ…
初めて舞台を見る人に、どうしてあげることが出来るのかなあ…


そんなことを考えながら、見ていました。
私はすごく、幸運な出会い方をしたのだなあと。
毎年ちゃんとパンフレットを買ってくれた両親にも、今さらながら感謝。
「アニー」には同じ年頃の女の子ばかりが出ていたので(今は男の子も出るみたい)、勝手に彼女たちの写真を見ながらライバル視していました。
家に帰って真似する、なんて積極的な子どもじゃなかったけど、家に帰ってパンフレットを読んでまた想像をふくらませて…
女の子だからかもしれないけど、1つの作品からいっぱいの世界を楽しんだものです。


私は今、卒業後の進路として教員を考えています。
その中で、私は演劇に対して何が出来るのだろう。それとも、教員ではなく、もっと直接演劇の普及に関わるような仕事に就いた方がいいのだろうか。
私の演劇に対する興味は尽きず、その興味は至るところへと向けられているので、舞台を見るたびに、ふらふら、ふらふらと迷うのです。


ちょっと最初に書いた疑問と話がずれてしまったけど、最近、そう思います。1本お芝居を見るたびに。
私は、どこにどうやって関わっていけばいいのかなあ。それとも、この位置がいちばん幸せなのかなあ。
私には、なんにもできないのかなあ…


悲しいわけでも悩んでるわけでもないけど、なんにもできなさを感じるこのごろです。


ではまた明日。


michitori◎hotmail.co.jp(◎→@)

投稿者:torico : 2007年08月16日 20:54

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