もくもくも

今日の美術教育法の時間は、アトリエちびくろの方が、活動の様子を紹介してくださいました。
去年の工芸教育法の授業でもちびくろのお話は聞いていたのですが、1年間勉強してからだと、また感じるものがあり、面白かったです。
何より驚いたのは、5月20日の活動を記録した映像が、すでに編集されDVDにまとめられていたこと!
芸術文化学科の授業、「アーツプロジェクト」の中にもDocument Project=dpというチームがあり、授業の記録をしています。dpの作業を見ていて、自分なりに「記録の大事さ」は知っていたつもりでしたが、ちびくろの作業の速さに、これは!と思いました。
もちろん、作業が速ければいいというものではないけれど、自分自身の印象がはっきりしているうちにまとめるのと、ぼんやりしてしまってからまとめるのとでは、全然違うよなあと、レポートを書きながらいつも思います。今日見せていただいたちびくろの映像は、ざらっとしているけどしっかりとした手触りがあって、とても良かったです。
記録の大事さは、再来週から実習が始まる、教職総合演習の授業も、然り。実習から帰ってきたら、すぐに記録をしていくことが重要だと、先生もおっしゃっていました。
今日の教職総合演習は、班で共同制作。模造紙に絵の具をたらして、1枚の絵を描きます。
使った絵の具は、シュタイナー教育の実践に用いられる透明水彩絵の具。ドイツにあるシュトックマー社の製品で、なめても大丈夫です。
1人1本筆を渡され(これはとてもお値段の高い筆らしい)、先生の準備した絵の具を使って描きます。
実はこの準備の過程も計算されていて、先生は絵の具の話や筆の話をしながら絵の具を水に溶いていきます。不思議なことに、どの学生も先生の作業が気になって、手元に目がくぎづけ。先生はニヤリと笑って、「こうやって準備を見せると、子どもの集中力が高まるんですよ」とおっしゃいました。
すっかり、先生の思うつぼ。参りました!と思うのと同時に、みんな本当に美術が好きな人ばっかりなんだなあ、と実感しました。
準備が整い、筆を持って紙に向かってみると、わあわあ騒ぎ出す班、相談して描き始める班、それぞれが黙々と描き出す班に、見事に分かれる。私の班は、「黙々と」班。普段から「絵を描く」ことに慣れていて、それが生活の一部になっている人が多いからか、とにかくそれぞれが自分の思うようにやってみる。
私は「筆を持ったのなんていつ以来だろう…」と思うくらいなので、それだけで緊張。とりあえず1枚目のテーマを「動物の動き」と決めて、もくもく、もくもく。授業の狙いは「コミュニケーションを取ること」なのに、どうしても、もくもくしてしまう我が班。私の描いたここが好き、ここの色が好き、と、自分の生み出したものに執着してしまう。
2枚目では、他の人の描いた線と自分の描く線をつなげてみたり、紙をこすり合わせて絵の具を広げたり、周りを見ながらも工夫を始める。なんとかちゃんのその色はなんとかちゃんぽい、と、ちょっとずつ人のことを見始める。
3枚目は私がテーマを提案。自分が絵の根っこに関わると、何だか楽しくなってくる。
4枚目。みんなやりたい放題。ここまで来て、ようやっと、1枚の絵を班員で仕上げよう、という雰囲気に。
でもそこで時間が来てしまい、もくもく班はもくもくと片付け。3班中1番に片付け終わってしまう。本当はもう少し時間があったので、私としてはやっていたかったのだけど…
と、思ったところで、そういえば先生が「思ったことはどんどん言っていかないと、ストレスがたまってしまいますよ!」とおっしゃっていたことを思い出しました。
けれど、疲れているみんなの前で、もっとやろうよ!とは言えないし…
再来週から施設の飾りつけに行くのですが、そのためのちょっとした話し合いでも、「きれいだったらいいんでしょ?」「簡単な方がいいんでしょ?」という意見が出て、そうじゃない気がするなあ…と思いながらも、どうしても口に出せない。
何だか、自分が空中にふわりと浮いたままなような、今日の授業でした。
来週以降、どうやって話し合いを重ねていくのか。そもそも、話し合いを「重ねる」なんてことが出来るのか。
私は、自分では思ったことの半分も言えてないと感じているので(自分以外の人に言わせれば、「何も隠せない人」だそう)、思ったことをどうやって口に出していくか、がこれから課題になるのかもしれません。


面白いと思ったのは、私以外の班員(ファイン系の学科の人たち)が、まるで指先でしゃべっているように見えたことです。
「口に出せない」という私の引っかかりは、共同制作をしたあとでは当たり前の実感なのかもしれない。出せないのではなくて、もしかして「いらない」のではないか?と、少しですが、思います。
もちろん、実習のための話し合いに言葉がいらないわけがないけれど、今日の作業のあとに、何か言葉で説明しようとしても無駄だったんじゃないか、という気がします。


まずはとにかく、来週までの調べもの。


ではまた、明日。

投稿者:torico : 2007年05月22日 20:39

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