リアルな美大の日常を
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レベルの高い「美」とは何か
前に絵画のオリジナルとニセモノの話をしたのですが、今日はその続きを。
というかこの記事自体はだいぶ前に書きあがっていて、アップする気力がなかっただけです……
参照記事:
オリジナルと贋作とナルニア国物語
オリジナルと贋作とナルニア国物語Part2
この話に対して、何を以って「レベルの高い絵」(=レベルの高い愛)と定義しますか?という反響をいただきました。
お返事を書こうとして考えているうちに、これは面白いテーマだなあと思ったので、相手の方の許可をいただいた上でこの場にて返答してみることにします。
ものごっつ長文になりました(苦笑) 覚悟のある方だけどうぞ!
↓
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>何を以って「レベルの高い絵」(=レベルの高い愛)と定義しますか?
これは答えづらい問題です。
そもそも絵画にレベルの高い・低いがあるのか。という素朴な疑問もあります。
しかし、なんらかの意味でレベルの高低は存在するはずであり、また存在するべきだと思います。
たとえば一般的に、古典絵画のヴィーナスは「高尚」なものとみなされ、エロ本やポルノ写真は「低俗・下劣」なものであるとみなされています。
実際にそうなのかという断定はまだしないでおきますが、同じヌードであるにもかかわらず、「高」⇔「低」と序列を付ける意識が人々の間で共有されていることは確かです。
絵の中の裸婦がしばしばポルノ写真並みのセックスアピールを持つとしても、そして観衆が好色な目でその絵を眺めるとしても、彼らは同時に「何かそれ以上のもの」を期待しているはずです。
単純にエロいだけじゃない、何かそれ以上のもの。
それこそが、「高尚」とか「崇高」といったもの、すなわち「よりレベルの高い美」ではないかと私は思います。
では、「美にはレベルの高低がある」ということを前提に話を進めます。
問:レベルの高い絵とはどんな絵か?
これに対して、二つの答えを考えました。
1)作者のレベルが高い絵
2)高い評価を受けている絵
絵を描く側にとっては1のような考え方は割と普通だと思うのですが、見る側の人にとっては2の方が一般的な考え方かもしれません。
まず、1)作者のレベルが高い…というのは、端的に言えば「自分の作品のよしあしを高度に判断できる」ということです。
絵というものは、制限時間内に描く受験のデッサンなどは別として、基本的に自分で完成のタイミングを決めなければなりません。写真のようにリアルな絵を描いているとしても、絵である以上、どこかで筆を置かなければならないのです。
一部を徹底的に描き込んでいくと他の部分とバランスが取れなくなったりするので、全体に手を入れて、どこかちょうどいいところで止めることになりますが、その"ちょうどよさ"が素人には分からないのです。
いや、素人じゃなくても美大生でもなかなか分かりません。
私もプロの人や大学院生の先輩の作品を見て、「これで完成…?」と首をかしげることがままありますが、「まあこの人が完成と言うのならきっと完成なのだろう」と納得することにしています。
アトリエの隅に転がっている"失敗作"を拾い上げて「これはどうして失敗なの?」と聞いてみたこともありますが、説明不可能なものらしいです。
その作品が完成しているかどうか、できばえが良いか悪いかは、結局作者本人にしか分からないのかもしれません。ただ、「この人は自分でちゃんと分かってる人だ」という説得力のようなものがあって、その説得力がどれだけあるかというのがアーティストの力量のように思います。
絵を描くという作業は「自分語」で詩を作るようなものですね。
その詩の文法は作者本人にしか分からないんです。
でも、文法をぜんぜん考慮せずテキトーに作った詩と、きちんと自分の中で秩序立てて作った詩は、やはり他人から見ても違いが分かるものです。
で、2)高い評価を受けている絵の方なのですが、これは反対に作者がいないところで決まっていきます。
ある作者が死んだ場合、残された作品のレベルは、1の意味では不変ということになります。
しかし2の意味ではレベルが上がったり下がったり変動する可能性がある。
作者の死後に美術界で評価されたり、逆に流行おくれとみなされたり。
こちらの意味のレベルは、どれくらいたくさんの人に評価されているか、評価をくだす人がどれくらい見る目があるか、その批評にどれくらい説得力があり、その理論にどれくらい整合性があるか……というところで決まってくるのかなあと思います。
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では今日はここで失礼します。
テラ長文wwって一瞬思ったけどよく見たらそんなに長文でもなかったですね。ふつう。