リアルな美大の日常を
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指名手配犯
この間アトリエにいたとき、ドアが開く音がしたので振り返ったら、
髪の毛がゾロッと長くて髭の濃い、怪しげな男が立っていた。
思わずギャー!と叫びそうになった次の瞬間、その人の正体が去年お世話になった非常勤のS田T郎先生だと気づいた。
「あ、こんにちはー」
「おう久しぶり」
「よく守衛さんに止められませんでしたね」
「ムサビでは珍しくないんじゃない?」
そうだろうか……さすがにそんなヒッピーみたいな人はそうそう見かけないと思いますが。
ところで、このS田T郎先生というのは、週に2,3回集まってみんなでお菓子を食べながら喋ってるだけで単位がもらえるという画期的な授業(※)を行った先生である。というか今年もやってる。
いや〜あの授業は本当楽しかったなあ!
油絵学科に籍を置いていながら絵を描くのが苦手な私にとっては天国でしたよ。
※しかしながら、討論が苦手な人にはおすすめできません。「芸術とはそもそも…」とか「現代美術の問題点は…」とか「日本の貸し画廊のシステムについて」とかいう話題についていけない人にとってはポカーンな授業である。