2010年12月のアーカイブ

見いだされた「かたち」展

芸祭が終わり1ヶ月ちょっとが経ちました。
急に普通の女の子に戻され、ちょっとおろおろ気味の日々が続いていましたが、
ようやく体が慣れてきたように思います。

こんなにしばらくぶりに記事を書くのだから、
芸祭の話をとことんすべきかもしれません。
しかし今はちょっと別のことに頭のベクトルが向いているので、
そのことについて書こうと思います。


今日は後期の約3ヶ月いっぱいを費やした、形態論の課題、
「Fonud Object」の最終講評でした。

深澤直人先生のデザインの主軸となっている考え方
「Found Object」(以下FO)について、
実際に多くの制作を通して学ぶという授業だったのですが、
基礎デザイン学科2年生としては初めて「展示」という形の
最終発表があり、大いに盛り上がった授業だったと思います。

初めは「学生がやることにしては難易度が高いのではないか」と
先生方としても不安な部分があったそうですが、
みんなのがんばりで、すてきな展示で終わりを迎えることができました。


しかしながら個人の出来としてどうだったのかと考えてみると、
非常に心残りの多い課題だったと思っています。

まあ、なんというか、求められたことに上手く答えられなかったのです。


この授業は、毎回制作物を見せコメントをもらうことが基本の流れでした。
しかし初めの授業から考えてみると、ほぼ毎回提出しながらも、
「おっこれいいね」とコメントされたことはほぼ皆無に等しかったと思います。

授業の間を通して自分が考えていたことは
「なんかこの授業、性に合わないなあ」
ということでした。


しかし展示の直前、ほぼ最後の授業を終えてからの
担当教授の板東先生のツイートを見たとき、
「ああ、そういうことじゃないのかも」と思ったのです。
ひがんでた心がちょっとだけまっすぐになりました。


そう、たぶん私はこのFOという自転車に乗るのに
とってもとっても、時間がかかる子なのではないかと。


FOに限ったことではなく、世の中の物事の多くはみんな
自転車のようなものだと思います。

練習すればいつか乗れるようになる。


でも自転車の練習も、時間がかかる子とそうじゃない子がいます。

FOの場合、私は後者でした。

そして授業にはタイムリミットがあります。
結局私はその時間内に、自転車に乗ることが出来るように
ならなかったのです。

そう考えたら少し気持ちが楽になりました。


世の中にはいろいろな分野があって、それぞれについて
「向いている」とか「向いていない」とか
自分の中で何らかの印象は持っていると思います。

わたしはデザインはダメだけど絵画は向いてるとか、
またはその逆のパターンなど…。

そして多くの場合それは、上に書いたような
「どれだけ早く自転車に乗れるようになるか」というような目線で
考えているのではないかと思うのです。


しかしそういう目線で物事を見ていくと、
マイナスの部分がどんどん大きくなる。

私、これ「嫌い」だなあ
というものがどんどん多くなるような気がするのです。


自転車にいつまでたっても乗れない。

だから

自転車が嫌い。

というような。


でもそれって何だか悲しいことだし、
やっぱりどうしても「逃げ」にしかならないのかもと
今回の授業を通して思いました。


何を言った所で、私がFOの課題でいい結果を出せなかった部分は
変わるわけではないのですが、

「お前は何でそんなに自転車に乗るのがヘタクソなんだ、
 どうせ向いてないんだよ、お前には」

という考え方をしていた授業の始めと比べれば、
学ぶことはたくさんあったと思います。


みんなが自転車ですいすい走り回っているのを尻目に、
自分がふらふらなりながらちょくちょくずっこけているところに
やはり悔しさはあるので、これからも練習できればなというのが
今のところの感想です。

あとは自分にとってのすぐ乗れるようになる自転車を
早く見つけたいなあっていう気持ちもどこかにあります。

乗ってどこまでも風を切って進んでいけるのが
やっぱり自転車の醍醐味であるとも思うので…。


なんだかんだで2年生の授業が終わろうとしているので、
この悔しさは冬休みの自主制作や3年生の課題まで
持ち越そうかと思っています。


では、ひどく長ったらしい「自転車」のお話でした。


次も長々となりそうですが、芸祭についてはいずれ書きたいと思います。

at 00:38 | Category : 授業 | Comments (2) | Trackbacks (0)